372話 そして陛下達は重荷に気がつく。
もうすぐ年末の1926年の冬間近。
もうすぐで昭和です。
最近は自由に過ごされていたイギリスのジョージ5世陛下、ロシア皇帝のニコライ2世陛下、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世陛下達ですが、自分の趣味に没頭でき、自由な時間を増やされておられましたが『『『はっ!』』』と気がつかれた事がありました。
それは王位、帝位、国民を守らなければならないという責任の重圧の重みでした。
御自分の世代から次の世代へバトンを渡さなければいけないという重圧もあります。
こんなに重圧は凄かったのかと、陛下達はあらためて気がつかれました。
子どもの頃から語学を始めとして学問を学ぶ事になりますし。
身体も鍛えなければと言われますし。
オーストリアハンガリー帝国の皇帝や皇族の場合は主要種族全部の言葉を身につけなければだから更に大変ですがね。
裕仁皇太子殿下だって英語だけでなく
外交の場ではフランス語での会話は公用語なので理解できなければだし、ドイツ語やロシア語は必須になりそうですしね。
責任ある立場って完璧にしようとすると学ぶ事がどんどん増えてしまうのですよ。
まぁ、宇垣昌弘は陛下や殿下達にこれらの言語のスキルを付与して陰ながら応援していますが。
でもスキルって理解は早くなるけど、
それなりに勉強しなきゃダメですからね。
ほんと大変なんです。
そして陛下達ですが1ヶ月以上自由を満喫すると、更に気がついたんです。
それは、まだ降ろしきれていなかった重圧を更に降ろす事ができたんですね。
そう、妻や子供に気を使わなくていい
真の自由な生活って快適〜って気がついたんです。
『朝酒にかんぱ〜い』
『昼酒にかんぱ〜い』
『夜食のラーメンにかんぱ〜い』
なんて感じで、朝や昼はほろ酔いになるくらいですが、自堕落な生活をし始めました。
でも宇垣昌弘が精密に鑑定してみると
陛下達のストレスが発散できているようですし、クリスマス前には帰国しなきゃなんだし、今は休ませてあげようと思ってしまいました。
宇垣昌弘も魔王を倒さなきゃならない勇者という重圧のかかる立場に10年も立って苦労した経験があるからかもしれません。
イギリスのジョージ5世陛下なんて
これから中学生って時に兄や家庭教師と一緒に軍艦に乗り込み軍隊生活スタートですからね。
同情したくなるというものです。
結婚相手すら自由に選べませんし。
史実でヴィクトリア女王が賛成していても母親達の反対で親ドイツ系貴族令嬢と婚約できずに別れていますし、、、
親戚も多く、魑魅魍魎が跋扈している
欧州とは違い、
乗員も少なく自由にくつろげて、秘密が守られる飛行船の船内や、北極基地、南極基地、皇居内の宇垣邸や自分達の屋敷の快適さ、、、
『『『『早く譲位して上皇に即位したい』』』』と三陛下だけでなく、大正天皇陛下も思われるのでした。
そして、4カ国の外交官たちや大使や公使は4カ国同盟最高と思っています。
なんせ外交のやり易さが大違いなのです。
イギリスもドイツもロシアも大日本帝国も大国ではあるのですが、4カ国同盟を組んで初めて、飛び抜けた資源と国力と国民の人数を持つ超大国の旨みを
知ったんですね。
この4カ国って大規模な海軍を持つ、
有力な陸軍国ですからね。
敵にまわしたらアメリカだってお終いです。
それにユダヤ系の財閥達とも仲が良くなりましたし。
怖い物無しな立場の旨みは素晴らしいですよ。
(そして、この4カ国同盟はユダヤ人達にとってもプラスになっています。
秘密が守られる場所で陛下達と対峙し了解が取り付けられれば、案件の解決も楽にできるのですから。
特にロシアと日本がエルサレム共和国の領土を確約したのにイギリスとドイツも同意したのですからね。
彼らにとっては何よりのプレゼントになったでしょう。)
「気を引き締めて謙虚に」なんて思っているのは歴史の知識持ちの宇垣昌弘くらいでしょう。
アメリカですら4カ国同盟には恐怖を感じます。
御得意の棍棒外交も格上の彼等にはできません。
棍棒を見せる事もできません。
なんせ4人は帯剣しており、剣の達人なのですから。
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