365話アメリカのペンシルベニア級戦艦は
『ちなみにアメリカのペンシルベニア級戦艦は3万6000トンほどの満載排水量でありながら舷側の最厚部の装甲は
340mmと言われています。
金剛級や扶桑や伊勢級だと苦しい戦いになるでしょうね。』
海軍の軍人達に緊張が走ります。
建造した当時は世界最大で最強とも言われた金剛級。
同じく建造された時は世界最大で最強と言われた扶桑級や伊勢級ですが、ライバルの戦艦達が舷側装甲を分厚くして35.6cm砲対策をしていると聞けば
黙ってはいられません。
『アメリカの戦艦はそれほど速力は早くはありません。
むしろ、それを怪訝に思うべきでしたね。
アメリカのニューヨーク級以降の戦艦はどれも重装甲な戦艦ばかりですよ。
こちらも対策をしっかり考えるべきでしょう。』
「なに。アメリカもしているんだ。
砲弾の重量を増加させるとか、対策はやりようがある。」
と伏見宮様がリーダーシップを取られましたね。
1875年産まれですし、働き盛りの御年齢ですよねえ。
「それに、宇垣さんに頼る事になってしまうが、大改装して装甲を増やしてもいい。」
「アメリカと同じか、それ以上を目指すのもいいでしょうな。」
今の海軍の幹部といえども伏見宮様が
決定したら反論は難しいでしょう。
伏見宮様が宇垣昌弘に賛成してくださったおかげで思い通りの方向に向かえそうです。
この日は一息入れた後に古鷹を呼んで
20cm砲を跳ね返す実験もしたのですが
20cm砲弾を跳ね返す『四万十』の舷側装甲の凄さを知って皆は驚いていました。
翌日は皆が古鷹に座上して20cm砲弾をチェックして、狙いを付けて『四万十』を砲撃して再チェックをした海軍幹部御一行ですが、びくともしない様子にあらためて絶句して驚いていました。
まぁ、無理もありません。
彼らにとって20cm砲というのは、かなり強力なイメージだったのでしょう。
昔の装甲巡洋艦の主砲でしたし、
戦艦に巡洋艦や駆逐艦が近寄れないように散々議論がされて今になっているのですからね。
宇垣が大改装した今の日本の戦艦には付いていませんが、ケースメート式の副砲は『四万十』にはまったく通用しません。
下手をすると戦艦の副砲側が撃ち負けて主砲の照準を小型の四万十に向ける事になりそうです。
ケースメート式の15.2cm砲は人力での装填は大変だとなり、金剛型と扶桑型にのみ搭載されました。
伊勢型や長門型は14cm砲搭載になったのです。
そして舷側装甲の薄い艦首側や艦尾側は128mmにめった撃ちにされたら大損害を受けかねません。
史実もそうでしたから。
例えば、史実のソロモンでの比叡がそうですね。
機銃弾が届くほどの至近距離から砲弾が85発も命中しています。
この時も艦長は艦内の状況を把握するのに苦労しています。
艦内を把握しているゴーレムコアと艦長が念話で会話できれば艦長は的確に
修復の処置の命令ができたでしょう。
それに、近過ぎてアメリカ軍の艦艇の
魚雷は全部不発だったのですし、操舵室が浸水しなければ比叡は助かったかもしれません。
まぁ、暗視スキル持ちである上、ゴーレムコア達は味方の識別が可能ですからね。
夜戦での日本海軍は更に強くなるでしょう。
宇垣昌弘は更に改装するつもりですし。
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