341話 御譲位と御即位。(1925照和)

大正天皇陛下の御譲位、上皇陛下への御即位と皇太子殿下の御即位が発表されると日本中が大騒ぎになった。


だが、6月より前から御譲位と御即位の話は国会でも議論がされており御即位の方向で国会では議論が進んでいた。


元号は照和に決定し、皇太子殿下は吉日という事で来年の12月に即位する事に決定した。


これは史実の昭和天皇の即位が1926年〈大正15年/昭和元年〉12月25日 だからである。


準備期間が長く取れたし、日本中がお祝いムードに包まれていた。


今上天皇陛下も御譲位されれば御負担が減り、御身体にも良いと新聞も大賛成する論調で埋めつくされる事になる。

上皇陛下は長生きされるので、やはりご負担を取り除いたのが良かったのだと宇垣傘下のマスコミは言い続ける事になる。


とは言っても、上皇陛下も宮中の儀式のやり方を陛下や宮様達に伝えながら、取り仕切っておられたので結構仕事は立て込んでいる。


やはり宮中の儀式は誰かが分担するべきだとするのがこれからは常識になるのだった。


秩父宮雍仁親王(淳宮雍仁親王)、

高松宮宣仁親王(光宮宣仁親王)、

三笠宮崇仁親王(澄宮崇仁親王)の

陛下の御兄弟も御壮健だし、、、


三笠宮様は陸軍でのお仕事よりも行事の御公務の分担を増やされる事になる。


また、照和元年は重機元年とか自動車産業元年とかと言われる様にもなる。


宇垣財閥が本格的に動き始めたのが1925年で、宇垣建設の各種重機は日本に衝撃を与えたからだ。


後に有名になる、読者の皆様はご承知の建設重機メーカーに対して宇垣重工は重機の関連の各特許の使用権を株式と引き換えに与えて傘下にしたからだ。

ここで世界最高レベルの技術力を手に入れた事が日本の建設重機メーカーの

大躍進に繋がる。

と、いうより宇垣の高品質ベアリングがなければ世界を超える品質の機械などは作れない。

世界のどこのメーカーのベアリングよりも品質が良く長持ちするのだから。


特に関東大震災後の瓦礫の撤去に大活躍したクレーン車やブルドーザーやクレーン付きトラックなどの建設重機は

東京府民を驚かせた。


困っていた重たい瓦礫をあっさりと持ち上げて運んで去っていく重機とトラックの力強さに魅了された男達は多かった。

短期間で東北や北陸の大開拓を成し遂げたのも重機のおかげだろうと新聞の読者達は脳内補完する。


(『いやいや、重機どころか、マジンガーZの機械獣軍団くらい用意しなきゃ無理な国家事業だって。』と現地で現場を見たゴーレムなら言うかもしれないが。

○年分の国家予算がかかりそうな大開拓事業だもんね。)


で、幾つもの有名企業が宇垣重工の傘下に入りつつ技術力を高める努力を始めるのだった。


技術力が世界レベルの宇垣を追い抜こうとした日本企業はどこの企業も技術力を大いに伸ばして世界的大企業に成長する。

そして信頼性が高く評価され、日本はやがて建設重機大国、自動車大国、造船大国と言われるようになる。


これらの宇垣傘下の企業は日本国内での機械の製造にこだわり続け、日本の雇用を維持する事に貢献するのだった。


日本の官僚も政治家もマスコミも政府も、これら日本企業を後押しする。


世界各国は日本を羨ましいと思うようになる。


世界の国々はマスコミを支配する左翼の連中のせいで苦しむ事になるからだ。


一方で日本には左翼の人間が僅かしかいない。

マスコミは中道か右派ばかりだ。


照和元年は左翼撲滅元年じゃね?とも言われるようになるのだった。


宇垣昌弘が一番左翼っぽい事を言っているんじゃと気がついて唖然とするのだった。

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