333話 新型の大型空母赤城に感心する兵員達。(1925照和)

史実なら1927年に3段式空母として完成するはずの赤城だが、1925年(大正14年)4月22日、航空母艦赤城として進水はしている。

迷走に迷走を重ねて改装費用は空母1隻分にもなると酷評される事になるところだった。


それらを良く知る宇垣昌弘は赤城の巡洋戦艦の船体部分から抜本的に丸取っ替えして、艦名は赤城だが赤城とは全然違う、中身は別な船として大改装した。

赤城と同じなのは船体の表面の装甲の材質1mmくらいだろう。

まぁ、中身は扶桑鋼だからまったくの別物である、、、


色々あって扶桑鋼も更に強度が強くなっている。

あれ?昔は舷側装甲500mmって言ってたんじゃと思われる読者の方も居られると思うが、300mmでも充分な強度があるから船体全体を300mmにしている。


搭載されている蒸気機関のうち、大型蒸気機関2基と小型蒸気機関4基を無くしている。(その部分には魔力増幅炉とゴーレムコアが装甲に囲まれて置いてある。が、それほど大きくないため、居住施設が大幅に増えて快適になっている。)


蒸気ボイラーと蒸気タービンの配置はタンデム配置になっており、隔壁も厚く頑丈になっている。

大型蒸気機関と小型蒸気機関の場所を開けたのではなく、最初から搭載する蒸気機関の数はこの数である構造で建造されている。


その赤城だが、史実通りに完成すると大変な事になるところだった。


史実の赤城だが、旧石炭庫を居住室に転用するなど、艦内は迷路同然であったという。


史実の赤城は右舷中央部にある第一煙突と第二煙突は一つにまとめられた。

右舷中央部の煙突は舷側から斜め下に向けて突き出されている。なので右舷後部の居住区は煙突から出た煤煙が流れ込むため窓をあけられず、居住性の悪さから「人殺し長屋」と呼ばれていた。


史実の赤城では結核と赤痢を発症する兵が多く、暑さと空気の悪さのために廊下でハンモックを吊り睡眠する兵や、飛行機格納庫に寝床を作る兵が多かった。

食事は良かったのだが、、、

というエピソードが残っている。



だが宇垣昌弘が改造した赤城は全然違う。

艦内は余剰魔力による浄化魔法や冷却魔法により空気は清浄にされ、冷房で涼しく快適になっている。

今の(密かにゴーレムが艦内をコントロールしている)赤城と史実の赤城は大違いである。


その(ゴーレム)赤城だが、艦橋は右舷前方に変更され、斜め上に突き出すように煙突が艦橋の後方の斜め上の外側につき出ている。


煙突の膨大な熱量によってサウナのようだと言われたら困るので、煙突と艦橋の間は離されている。


やっぱ冷暖房完備は当たり前だな。

と宇垣昌弘は思うのだった。


赤痢や結核が蔓延し『人殺し長屋』などと言われる居住環境を放置するわけにはいかない。


なお、赤城もそうだし、他の艦もそうだが、機関はタンデム配置が当たり前になっている。


大型蒸気機関をあと2基減らしても良かったのに、海軍に気を使って減らさないで更に居住施設を快適にしなかったのは残念だ。


次の改装の時に減らして更に快適にしよう。


なお、海軍の兵士達はものすごく良くなっている艦内環境に驚いていた。


全艦冷暖房完備とか、ふんだんに浴びれる真水のシャワーとか、ありえない変わり様だからだ。


訓練の時間も減って末端の兵員まで

朝シャワーや夕方から夜の風呂やシャワーに入れるのだから、、、


更に、これは全部の日本の空母の特徴になるのだが、格納庫面積は史実より大幅に増やして艦首まで格納庫を伸ばしてハリケーンバウにしているし、飛行甲板の全長は船体より前後とも5mは長くしている。

後方の艦尾側の格納庫面積も可能な限り増やしている。


そして艦に搭載されている内火艇だが、ワイヤーの先端のフックで釣り上げて、持ち上げて艦内の艦載艇格納庫に入れてある。


搭載機の数は減るが、艦載艇の数は史実よりずっと増やしている。

これは万が一の時に1人でも多くの乗員を助ける為である。

下層格納庫の後方が艦載艇の搭載場所で、クレーン(ロボットアーム)によって艦載艇は移動させられる。


格納庫内は換気する穴が開いており、

艦尾には非常時に火災を起こした機体を捨てる為の排出口もある。

(史実の翔鶴は格納庫後方に穴を開けて、その先に艦載機を置く場所にしていて造船官が見て驚いたエピソードがある。そこには5機ほどの機体を置く事ができたそうだ。)


なお、ゴーレム乗組員は船が沈みそうになった場合は錬金工場内に保管してある艦載艇を出していい事になっている。

無数の艦載艇がなぜか出現して海兵達を救う事が起きるだろう。


今までの海軍の艦とは大違いな快適さに、赤城や加賀は赤城ホテル、加賀ホテルと言われるようになる。



更に宇垣昌弘は考えを張り巡らしているのだった。

それは、ある船が出来が良いから真似しようとする考えだった。


(本当はシフト配置にしたかった昌弘。さて、どうなるのか。)

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