318話えっ?物々交換?特許と缶詰を?
とんでもない話が舞い込んできました。
いや、宇垣自動車としても欲しい特許は幾つかあったんですけどね?
いや、自動車関係の枯れている特許で
欲しいかどうかは微妙な特許なんですけど、缶詰、つまり食料と引き換えに特許の使用権の契約を結ぶという打診がドイツの幾つもの企業から来ましたよ。
マルクは紙切れだから金とか銀でって話になると思ったら特許とはねえ。
まぁ、話を聞くだけ聞くかと思ったら
中々に美味しい特許の使用権利も出てきてましたよ。
もちろん値付けがダメだったら断っていたかもしれません。
でも中々にお買い得なお値段。
缶詰を困っている会社の社員達に配布したいんだそうですよ。
まぁ、こういう困っている時に企業同士の交流が始まってつきあい始めるってのは色々なプラスが出てくるものなのですよ。
(史実のドイツも日本も戦争に負けて廃墟の中からの再出発なだけに宇垣昌弘の先輩達からもドイツ人の友人達との交流に関する良い話を聞いた覚えがあります。
中国から引き上げてきた日本人が中国人の友人達に助けられたって話もあったりするんですがね。)
こうして多くのドイツ企業を助けて、
つきあいが深くなったのは宇垣財閥にとって大きな財産になりました。
ドイツの大企業は生き残り続け、世界的大企業に成長しますもんねえ。
いや、現時点でも世界的な大企業なのですが。
この時のつきあいのおかげで、ドイツの大企業のほとんどとつきあいの幅が広がりましたよ。
こっちの照和世界では活動し始めたばかりですからね。
向こうの世界のように仲良くしたいものですよ。
嬉しいのが戦艦の測距儀とか、色々な精密機械の注文ができて技術の導入ができた事。
『ドイツの戦艦に導入できれば』と人知れず研究を進めていた最新技術を手に入れる事ができました。
これを完全にコピーすれば日本の技術は更にアップするでしょう。
ドイツにとってライバルはイギリスのロイヤル・サブリン級。
38.1cm(42口径)8門を搭載した基準排水量29150トンの戦艦ですが、まさかこれ以上の戦艦の建造の為の技術開発をドイツのそれぞれの企業が自発的に行っていたとはね。
さすがはドイツ企業。
苦しい中でも研究と開発は止めないというドイツ魂があるからこそイギリスが恐れたビスマルクやティルピッツが生まれたんでしょうねえ。
ドイツ企業を助けたくなってしまって
金貨や銀貨でもたっぷりと買い物をしてしまいましたよ。
錬金術で生み出せる金貨はいくらでもありますからね。
こうして信頼関係が結ばれると契約でも得になるんですよね。
日本の防衛企業がつきあいのあるアメリカの兵器メーカーの戦闘機を買いたがるのも同じ事。
信頼関係の構築をまったく新しい企業と0から始めたら大変ですからね。
これらの技術が買えた為、ドイツの技術のスキルツリーがまた1ランク上がりましたよ。
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