317話目 欧州を日本産缶詰めで席捲する!
席捲(せっけん)というのは片っ端から領土を攻め取るとか猛威を振るうといった意味がある。
さて、日本人にとって外国に行って困るのは、やはり食だろう。
欧州各国の缶詰を集めて試食してみたがこの時点で缶詰はこんなもんかと思うものばかりであり、イマイチと思わざるを得なかった。
これなら未来の日本で売っているような各種の缶詰を欧州で売り出せば売れると確信できた。
現に大量に配ったドイツやオーストリアではジャガイモに付けるソースとして醤油味や味噌味の各種の缶詰が大人気になっている。
それも当然だろう。
宇垣は旨み調味料や引っ張ると開ける事ができる缶詰の蓋などの国際特許を取得して旨み調味料を使用した缶詰を売りに出しているのだから。
更に材料の一部にダンジョン産の水、
肉や魚や野菜も使用している。
チキンラーメンにカップヌードルなど、馴染んだ味だからコレが食べたくなる商品というものが、この世には存在する。
そのような定番商品を幾つも商品化して食品世界に君臨しようと宇垣商事と宇垣食品は思っている。
特に、僅かにダンジョン食材を使用した缶詰の美味しさは未来の日本の缶詰を食べた事がある宇垣昌弘も気にいるほど、美味さのレベルが高い。
旨み調味料とダンジョン食材(微量)
の入った宇垣の缶詰は大人気になり
欧州を席捲する。
特にドイツ庶民は味気ない食事を食べている人も多かっただけに味噌や醤油味の缶詰をジャガイモと一緒に食べた時に衝撃を受けた人が多かったらしい。
食で衝撃を受けたのはイギリスも同じだった。
中国人が中華料理を作っても、イギリスだと何故か不味くなり、味が落ちると言われるイギリス。
宇垣のゴーレム達はは日本大使館の隣のビルをリニューアルし1階でイギリス名物のフィッシュ&チップスの店、フライドチキンやハンバーガーの店を作り、上は日本食と日本式中華料理の店をオープンさせたが大評判になった。
フィッシュ&チップスの店だが、白身魚を錬金工場内に入れて骨取りの下ごしらえをして旨み調味液に浸して旨みを付ける。
そして味塩を付けて小麦粉、ダンジョン卵の卵液、パン粉を付けて米油のブレンド油でカラッと揚げたのだ。
フライドポテトにも気を配って美味しいフライドポテトにした。
未来の日本人の宇垣昌弘が買いに行きたくなる味である。
『こんなに美味しいフィッシュ&チップスは食べた事が無い』と絶句するイギリス人が続出したのも無理はない。
更に宇垣は日本風イタリアピザの店や
日本風洋食店も更に隣のビルにオープンする。
鶏の唐揚げ店の味もイギリス人を絶句させるほどの美味しさである。
調理するのは全員が調理スキル持ちの
ゴーレム達であり、揚げる油にダンジョン鳥の鶏皮の鶏油を使用して旨みを上げているのだから真似はできない。
ビル自体もゴーレムなので警備は万全である。
そしてこの店は全世界に支店を出していく。
全部の店が日本大使館の近くにだ。
日本大使館の人間も日本人商社マンも
大喜びする。
日本の味が楽しめるのだからね。
そして、これらの店の味が美味しいので『日本は凄い国なのか?』と欧州やアメリカの一般の庶民に思われるようになるのだった。
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