314話 宇垣一成と宇垣軍縮。
色々とやらかしている宇垣昌弘だが
天皇陛下や皇族の方々への忠誠心は本物であり、心を許しているからか、ついぽろっと言ってしまう事もある。
「向こうの日本でも関東大震災らしき
地震は起きましたが被害は軽微に抑えました。」
と、つい言ってしまったのだ。
まぁ、考えて見れば陛下や皇太子殿下とは日清戦争の1894年(明治27年)の頃からの長いつきあいである。
ついつい親しみを持ってしまうので口も軽くなる。
嘉仁親王殿下いや、今上天皇陛下ともつきあいは長い。
そして、かなり血は薄く遠縁ではあるにせよ、宇垣軍縮をした宇垣一成さんを親戚に持つのが宇垣家の誇りだった。
宇垣一成さんは1868年(慶応4年6月21日生まれで1956年(昭和31年4月30日
)に亡くなっている。
昌弘の親戚達は惜しい人を失ったと号泣したらしい。
歴史なんてものは立場と見方によって
色々になる。
長州出身者がやりたい放題していた
陸軍の権力を奪取して陸軍大臣時代に陸軍の近代化をする為に宇垣軍縮を行い、身を切る改革を断行したのだから親戚が誇りに思うのも当然だろう。
宇垣一成は陸軍時代は軍曹からの叩き上げで士官学校(1期)を11番で卒業している。陸大の卒業成績は3番で恩賜の軍刀を拝領している。親戚にとっては誇りだったわけだ。
細かな事は書かないが、その尊敬する御先祖様の宇垣一成が宇垣軍縮を行うのが、まさに1925年なのである。
つまり今年だ。
宇垣陸軍大臣を応援したい。
尊敬している親戚だしと思ってしまう。
だが、向こうの昭和の日本では宇垣財閥の当主と言えばキングメーカー(日本を実質的に動かし総理を決める男。)とも言われている。
いやいや、歴史の教科書の登場人物に
深々と礼をされたり、すっごく緊張されるのって凄く困るんですけど。
と向こうでは思っていた。
上皇陛下も気さくに話しかけてくださっていたし、、、
はっ! 上皇陛下や今上天皇陛下が気さくに話しかけているのも、周りからどう見られていたのやら、、、だよ。
宇垣さんに最初にあったのって宇垣さんが大佐くらいの時か?
こちらは陛下の側近だったんだから、
そりゃあ緊張するわな。
国家予算規模の税金を国に納めている
大財閥の当主だと思われていたんだから、、、
ともかく、宇垣軍縮だが、この世界の日本は日露戦争の戦費総額18億2,629万円の返済は宇垣がすべてしてしまったし、関東大震災の復興予算も宇垣が身銭でガンガン復興させているから、
かなり安くなりそうである。
なんせ国民に損をさせずに再開発して
国内総生産をググっと上げる絶好のチャンスでもありますからね。
ここで陸軍の近代化は良いのだが、
大勢の職業軍人が職を失って不平不満分子になって社会が混乱するのは何としても避けたい。
と、いうわけで、陸軍の近代化の為に演習場の近くに越してもらって新編成の機械化連隊の幹部教育をしてもらったり、宇垣の陸軍近代化をやってもらおうと思う。
その計画案を影武者くんと宇垣大臣に任せつつ、俺は陛下を上皇陛下に会わせようと思っていた。
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