304話目 寂しい。(1925照和日本)
さて、ここまで出て来た名前付きのゴーレム達はほとんどが異世界で長く付き合ってきた古参のゴーレム達である。
そしてマスターとゴーレム達はステータスと言うと出てくるステータスプレートの2ページ目の、広げれば新聞紙見開き一面くらいの面積のステータス画面で情報のやり取りをする事ができた。
ゴーレムとゴーレムのマスターの念話を進化させた情報ネットワークがコレである。
最初こそ近くの存在同士での念話だったのだが、超巨大ゴーレムがインターネットのサーバーと念話をキャッチする念話基地局の役割をしてくれるようになった為、地下、もしくは海底に超巨大ゴーレムが存在する場所で、この情報ネットワークにアクセスする事が
できるようになった。
そのネットワーク内では切り替えができて、マスターと許可された古参のゴーレムだけのチャット部屋、○○国派遣軍の部屋、欧州派遣軍の部屋などがある。
そして、文字を書いたり、録画データを掲載したり、写真を載せたりなどができるようになっている。
これらのチャット部屋はストレスの発散の場所になり、日々の楽しみにもなっていた。
だが、こちらの世界にも大勢の人型ゴーレム達を連れて来ているとはいえ、
古参で、決断を任せられるゴーレムは向こうの世界に置いてきているため、チャットで話すのが好きな常連組が30%ほどしかこちらには居ない、、、
完全に過疎ってしまって、アクティブプレイヤーが少ないサービス終了間際の不人気ゲームのチャットルームに近くなってしまっているのだ。
これがベテランのゴーレムなら仕事の合間にログインしてちょっとした会話をしたりしていた為、人数は多いがベテランが少ない為、更に過疎っている。
まだ、欧州やアメリカと日本は超巨大ゴーレムネットワークで繋がっていないから余計に過疎になっている。
ゴーレムマスターなら魔力を大量に消費すればアメリカにいるセイバーと念話する事もできるがかなりの魔力を消費するから多用は無理だ。
そのチャット部屋や大部屋などすべての部屋にある画像が投稿された。
『これがヒトラーさん?』
演説しているヒトラーさんを見かけたから映像を取り、定期的に転移で日本に帰って来たゴーレムがネットに載せたのだ。
我々の知っているタレ目で穏やかなヒトラーさんとは全然違うツリ目でキリッとした感じのヒトラーさんがそこに居た、、、
ナチスの雄弁な指導者として人気もそれなりに出つつあったヒトラーさん。
まるで別人のような顔つきに見えた。
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