287話目 キャデラック社恐るるに足らず。

キャデラック社といえば、こちらの世界では1912年にセルモーターを付けた

高級車を発売するなど、先進的な技術を積極的に導入した高級車を販売する

高級自動車メーカーである。

向こうとこちらでは他の自動車メーカーが発売している車が違っている為、

すべての自動車メーカーの車をひと通り買って転移魔法で日本に運んだのだが、デザインでは宇垣マーク1のデザインが世界の最先端を走っている事が

わかった。


まぁ、1930年代に発売された自動車の中からもっとも良いデザインの高級車を選んで、更に洗練されたデザインに改良したのが向こうの世界で1909年に販売した初代の宇垣マーク1なのだから当然だが。


その後も細かな部分を改良したり、改善したりし続けて1925年モデルに進化したのが今の宇垣マーク1なのだ。


まぁ、宇垣マーク1が負けるわけないか。

とはいえ、今は1925年。

ちょっとは不安に思っていたのだが。

宇垣マーク1の素晴らしいデザインに

触発された世界の自動車メーカーが

デザインに力を入れて、熾烈な開発競争している向こうの世界の方が自動車メーカーの技術力やデザイン能力は上のようである。

他は別かもしれないが。


ミゼットの三輪モデルと四輪モデルも

売ってみようかな?


いや、復興途中とはいえ関東大震災の後なんだし、高性能なリヤカーや動力車付きのリヤカーの発売の方が先決かな?


と、いうわけで高性能なリヤカーを

発売したら大ヒットしました。

なんせ車軸のベアリングの品質が段違いですからねえ。

タイヤの品質も高性能で長持ちですし。

早く工場も建設しなきゃな。

パーツの製造工場も必要だし。

と、言いつつ宇垣マーク1を売ってるんだけど。

3500円なのに売れるなぁマーク1。

イギリス製の高級散弾銃ですら500円もするんだから、これくらいはねぇ。

まさかと思うんだが、手持ちの金じゃなくて、軍の予算で買ってんのか、

連隊長クラスの軍人って?


(ちなみに昭和6年頃の側車付き自動二輪車が2000円。当時は四輪自動貨車と言われていたトラックが4000円、

パッカードの高級自動車が6000円です。アメリカは関税が高いのでこんなに高い値段になってます。)


(100話(1909年)に作り始め、

改善され続けている宇垣マーク1ですが、主人公は世界の高級車メーカーが

素晴らしい車を作っているかもと思い、心配していました。

まぁ、杞憂ですが。

近況ノートに投稿しますが、来年に発売予定のキャデラック社のモデルですら、アレです。

ええ。宇垣マーク1のモデルになった

御料車のベンツ770と比べても大違いの

ダサいデザインです。)


さて、宇垣マーク1はどうなるのかな?

まぁ、国内需要を満たせば充分ですが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る