286話目大正天皇を納得させ譲位へ。

大正天皇陛下が御快癒されてお祭り騒ぎになる日本だが、宇垣建設は豊富な資金を活かして大規模な東京再建計画を推進していった。


関東大震災にて失業している人々に対して、この頃の日当の1.5倍の賃金を支払って大規模に雇用して各地で建設工事を行ったので、日本経済にも光が差し始めた。

と新聞各社が書き始めた。

宇垣昌弘が先ずしたのはマスコミ各社の人間を洗脳して人型ゴーレムを雇わせ、共産主義者は取り除いて、マスコミを支配する事だった。

官僚や軍の幹部にも洗脳魔法を使用して日本中枢の支配を始めたのだ。


特にマスコミは新聞記者と幹部を洗脳すれば支配できる為、さっと済ませた。

そして内務省と国税を支配すれば、

とりあえずの用は足りる。


省庁でも、どうでもいい省庁は放置で

構わないのだ。


さすがは『黒田官兵衛』である。

手際がいい。

『小早川隆景』は向こうの日本に残した宇垣昌弘の影武者(並行意識③)

の補佐官に残してきた。


そういえば、時空転移ゲートだが、

ゲートに影武者と俺が触れていると

会話や情報のやり取りができる。

深夜0時からの1時間くらいはなるべく話すようにしているが、かなりストレスが減った。



大正天皇陛下に譲位と御静養を薦めた

のだが、もう自分の命の火は消えるのだなと本人は覚悟していたらしかった。


大正天皇陛下は病弱だったのだが、

治ると厳しい詰め込み教育が始まり、

御身体が消耗され病になるの繰り返しの人生だった。


『次の世代にバトンを渡すという

大役は果たされたのです。

平穏な人生を味わっても宜しいのでは?』と俺は陛下に勧めた。


陛下に似ている影武者は用意できる。


『全長700mの巨大な飛行船『天の鳥船2号』に乗って、建設予定の南極基地に行ったり、北極基地に行ったり、

上皇の立場でフランスやイギリスを訪問されても良いのでは?』

と口説いたのだ。


後の人生は余生って言葉は言わなかったが。


陛下は考えこまれていた。

摂政の宮になり政務をされている皇太子殿下の負担の事を御考えなのだろう。


『いえ、長生きされ、元気なお姿を見せる事が殿下の助けにもなると思います。』と俺は言った。


『子共は親の長生きを願う者です。』


『で、あるな。』

陛下は納得された。


こうして陛下は御譲位を決断された。


陛下は関東大震災の被災地を回って

被災者を励まし続けた。


宇垣建設の大規模な公共事業のおかげで失業者がぐんと減り、

被災者家族に住まわせる低家賃のドームハウスマンションのおかげで住む場所が無くて困っていた被災者も住む場所を見つける事ができ、被災者は宇垣グループや陛下や政府に感謝するのだった。

こうして帝都再建計画がスタートする。立ち退いて土地を売ってほしい人達がいれば、洗脳魔法で洗脳してドーム型高級マンションに引っ越してもらって広大な土地を手に入れた宇垣建設は更なる再開発をやり始める。


なんせ、日本円なら使いきれないくらいあるのだ。


家と土地を高く売れて200平米の広い高級マンションに住めて、現金まで手に入る好条件だから納得してくれる人は多かったのだが、ゴネればもっと金を出すだろうと思う欲が深い人間もいる。

そういう人間には説得ではなく洗脳魔法で充分だ。

素直に従ってくれた人達には引っ越しも手伝うし、マンション内の良い部屋も手配したが、欲深な人間には余った部屋で充分だろう。

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