258話目 宇宙へ
宇垣昌弘ですが、いずれは宇宙へ進出したいし、宇宙空間に宇宙戦艦を浮かべたい、宇宙基地も作りたい、月基地も作りたいと思っていました。
できるのなら静止衛星軌道上に銀英伝の中に出てきた『アルテミスの首飾り』のような物も浮かべたいと思っていました。
で、宇宙進出を目指しての実験をしようと思います。
ですが、軌道計算をするコンピューターも無いし、大型の個体ロケットなら作れるでしょうが、どうすれば良いのか迷っていました。
宇宙船の試作1号機が完成しました。
何やらトップをねらえのバスターマシン3号にそっくりなラグビーボール型の装甲の塊です。
全長は5mです。
内部には経験豊富なベテランの戦艦のゴーレムコアと魔力増幅炉が2つ入っています。
このゴーレムコアを静止衛星軌道上に
『転移』で打ち上げます。
そこで、宇宙空間にて魔力を収集できるのかを確かめ、飛行魔法や超能力の
念動力(念力)などで宇宙で動けるかどうか確かめてみるつもりです。
ゴーレムですので魔力が充分にあれば
転移で地球に帰還できます。
琵琶湖か東京湾に転移してくれれば、
そこから精密転移で皇居内ガレージに
飛んで帰ってくれるでしょう。
宇宙空間で魔力を集める事ができるのなら静止衛星軌道上から転移を繰り返して月に着地させます。
月のエンデュミオンクレーターあたりの地下に潜らせて地下基地を建設させ、部屋に空気を入れて魔法陣を置けば人間やゴーレムを月に直接転移させる事もできるでしょう。
ふふふっ
『アルテミスの首飾り』を地球のまわりに置ければ、敵国が弾道ミサイルを
発射した瞬間に、攻撃魔法を撃ち込み、撃ち落とす事も可能だ。
さて、カウントダウン開始だ。
『バスターマシン、転移1分前』
『30秒前、、15、14、13、、、
5、4、3、2、1、転移!』
バスターマシンの床に魔法陣が眩く輝いて、バスターマシンがあっさりと消えた。
ゴーレムは使い魔なので、何処に居るのか把握する事ができる。
静止衛星軌道は、おおよそ赤道上空の高度約3万5786キロメートルの円軌道を地球の自転周期と同じ周期で公転する事を指している。
宇垣昌弘は赤道上空のおおよそ3万6000kmに転移させて、そこから飛行させて地球の自転周期と同じくらいの速度に加速させようと思っていた。
静止衛星軌道上の衛星は、地球の自転の周期と同じ周期で公転していることから、地上からは、空のある一点に静止しているかのように見える。
静止軌道だが、実際には、地球の重力場が一様ではない事と、太陽輻射圧や月の引力の影響があるため、静止衛星の位置は少しずつずれてゆく。
それを補正するために静止衛星は定期的に軌道制御をする必要がある。
くらいの事は昌弘も知ってはいるのだが、天文学マニアでは無い為、知識は怪しい所もある。
(静止衛星の実際の寿命は、概ね燃料搭載量で定まり、寿命末期には静止軌道から、さらに高度が高い墓場軌道に上昇させて廃棄し、静止軌道を空けることが国際条約により定められている。)
(放置されると約27年周期で軌道傾斜角が15°まで変化する一方、軌道周期は一定に保たれるため、運用中の静止衛星が存在する軌道を日に2回通過することになり、衝突リスクのあるスペースデブリとなる。)
史実の静止衛星軌道の概念は1928年にヘルマン・ポトチュニクによって考案され、SF作家のアーサー・C・クラークによってWireless Worldに1945年発表された事により大衆化された。ので、
昌弘は天文学者に聞くのを躊躇っていた。
当初のクラークの構想では巨大な有人宇宙ステーションが3機三角形状に配置されるというものだった。
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