238話目その後の疾風。

さて、ゴーレムマスターやゴーレムが

操縦している時は操縦桿やラダーペダル、スロットルレバーを操作しなくても動くと判明したゴーレム戦闘機達ですが、今日は何も操作せずに離陸させ、色々と操作して着陸までさせてみようと思います。

まぁ、この巡洋艦クラスのゴーレムコアのゴーレム戦闘機だと当たり前だし、普通のゴーレムコアのゴーレム戦闘機でも自動に離着陸できるし、操縦も格闘戦も対艦攻撃もできるのだから、当然なのですが。


燃料切れでもプロペラを回転させて

低速飛行ならできますし。


さて、疾風に命令をするとバブルタイプキャノピー自動的に閉まってロックします。


操縦桿になにも触らなくても自然に疾風は滑走路を進んで行きます。


そういえば大馬力エンジンだと地上で待機中にオーバーヒートしないように

エンジンオイルの温度などにも気を使わなければならないと聞きましたけど、2列に並んでいる星型エンジン後部の気筒がオーバーヒートしないように

ゴーレムなら風魔法や冷却魔法を使えますし、万が一エンジンブローしても

治癒魔法でエンジンを修復できます。


錬金工場に入れば慣らし運転直後のピカピカの新品の状態にする事も可能ですから、ほんとゴーレム機だと整備が簡単ですねえ。


イナーシャハンドルとか無しに、

セルモーターで1発でエンジン始動もできますし。


疾風は身軽に飛び立って車輪を格納しました。

そしてレシプロ戦闘機とは思えないほどの急上昇を始めました。

『高度6000mまで上昇せよ』と言いつつストップウォッチで時間を測ります。


疾風は6000mまで燃料満タン、機銃の弾丸も満タンの状態なのに5分で登りました。

これは、あのF8Fベアキャットよりも早い記録です。


二式戦鍾馗は5000mまで4分15秒なんて記録がありますが、、、


気になるのは性能が良すぎる事ですね。

現在作っている機体はどの機体も

増槽無し状態での航続距離を3500kmとしています。

部品の点数を少なくして生産効率を上げています。

それにしては速度が650km/hを超えているのが高性能過ぎる。

風精霊の加護のおかげで空気抵抗計数が少ないのか、プロペラの推進効率が高いのか?

何にしても改善を重ねなきゃですね。


まずはプロペラをより良く、効率を更に上げますか。


急降下速度は850km/hでも大丈夫なので、これで良し。


武装は20mm×4と12.7mm×6にしてと。



宇垣昌弘は気がついていませんでした。

こうして試乗を繰り返した宇垣昌弘ですが、創造主とも言うべき昌弘が搭乗して喜び、すべての試作1号機に、

『撃墜されずに帰還してくれ。』

『より速く、より軽快に、より頑丈に成長してくれ』と強く望んだ事はマザーとも言うべき試作1号機からすべての機体に伝えられる事になるのです。


そしてその為の努力を航空機型ゴーレム達はやり続ける事になるのです。

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