239話目うなぎ(1924)

もうすぐ昼ですが、皇居内の各所から

マーク1が続々と集まってきました。


上皇陛下も陛下も皇太子殿下もうなぎは大好物です。


今日はうなぎ屋の店主を招いて目の前でうなぎを焼いてもらい、鰻丼を食べるのが趣向になっています。


うなぎ屋の親父さんは天皇家の皆様に

鰻丼をお出しするとあって緊張されて

いるようですが、まぁ、慣れて貰いましょう。

これから10日に1日くらいの割合でうなぎの日にする予定なのですから。


うなぎの美味しい匂いを嗅ぎながら、

食べてこその鰻丼。

出前では、鰻を焼く匂いに包まれながら鰻を頬張る事はできません。

だからこそ、うなぎ屋のご主人に頼み込んで、出張してもらったのです。


鰻重にせずに鰻丼にするのも、皆様が

普段の出前で食べられているのが鰻重なので、あえての鰻丼なのですね。


お漬物も各種のお漬物をご用意した甲斐がありました。


大変喜んで頂けたようで、やったかいがありましたよ。


それにしても、この鰻屋のご主人ですが、3人も息子がいて、全員が中々の腕前で一人前に育ったからご主人が店を任せて出張できて、御用鰻職人になれたのですから幸せですねえ。


陛下や殿下や宮家の皆様が素知らぬふりをして、お店に食べに行かれるようになっちゃうのですから、緊張もされるとは思いますがね。


陛下達に影響されて昼から鰻丼が習慣になっちゃいましたよ。


李老師や服部半蔵達は開店直後の朝から鰻丼でスタミナをつけてダンジョンに行ったりしていますが。


警備の人間は大喜びですがね。

お客のふりしてうなぎを食べれる

いい機会ですからね。


しかし、、、天皇陛下行きつけの鰻屋に偶然にVIPが集まるのは胃が痛くなるなぁ。

ジョン・ロックフェラーさんとモルガンさんとメロン財閥のアンドリュー・メロンさんの3人で会談した翌日に

鰻が食べたくなって、ふらっと4人で鰻屋に入ろうとしたら上皇陛下達が入って行くんだもんな〜


そしたら宮家の皆様や伊藤博文さんも

居るだもん。


アンドリューさんはメロン財閥の当主なんだけど、メロン財閥や投資信託事業に対して理由の無い批判をされていて財務長官なんか辞めたいって悩んでいたんだよね。

その愚痴を聞く会をしようと思った

だけなんだけど、、、


アメリカの大財閥の当主の3人と宇垣財閥の当主が集結し、上皇陛下と天皇陛下と皇太子殿下と弟宮様と宮家の皆様が勢揃いなんて警視総監の胃に穴が開きそうな豪華な顔ぶれだなぁ。


アンドリューさんが緊張してる、、、


いや、外交的な何らかの意図があって、それとなく顔見せの儀式をしたんじゃないからね?


いくらなんでも、上皇陛下は呼べないって。


隠居生活中のジョンさん達は年の半分は日本に住んでのんびりしてるんだし

偶然だって。


後で聞いたら、宮家の皆様も3グループが偶然に鰻が食べたくなったらしい。

見知った顔触れが揃っていたので驚いたら、陛下のグループが来店し、

ジョンさん達と一緒に宇垣昌弘が来店したってわけなんだよね。


アンドリューさんと雑談して色々と聞いた後で上皇陛下と天皇陛下には報告しようと思っていたけど、、、


これが1週間後ならロスチャイルドさんもここにいたかもしれないんだよね。


いや〜鰻って凄い食べ物ですねえ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る