222話目その後のアボリジニ達。

一時的にオーストラリアに似せたダンジョンに匿ったアボリジニ達だが、

すべてのアボリジニ達に『病気耐性』

のスキルを付与させる事ができた。


元々彼らが住んでいた土地に戻ったのだが、地球全体を覆ってる超巨大ゴーレム『アース』は密かに彼らを助けて

おり、気象を改変し始めた。


水精霊の加護を得た土地は樹木も良く成長するようになり、湧き出る水の量も増えていった。


オーストラリアは大繁殖したうさぎの食害に悩んでいるのだが、アボリジニ達にすれば、良い食料である。


彼らの生活は安定し始めた。


だが、この変化にオーストラリア人達は気がついていない。


ろくな道も無い不毛な荒野の先の内陸部など探りようもなかった。


普通のアボリジニ達はそういう普通の暮らしをしていたのだが、オーストラリア人との混血のアボリジニ達はリーエンフィールド銃を持ち南部の海沿いの地域や河川が豊かな地域からやってくる野蛮なオーストラリア人への警戒をし続けていた。


水資源が豊富な場所に住んでいたアボリジニ達は殺されて絶滅している。

『同胞』を虐殺した罪は償わせてやる!と戦意は高揚するばかりだ。


超巨大ゴーレムは内陸部にオーストラリア人が入らぬように厳重に監視している。


オーストラリアの西オーストラリアにはグレートサンディ砂漠、ギブソン砂漠、グレートビクトリア砂漠があり、

内陸部に通じる道そのものが少なかったのだが、超巨大ゴーレムは内陸部に通じる道を荒らさせて遮断した。


こうして西オーストラリアの広大な土地にオーストラリア人が入ってこれないように遮断した。


アボリジニの混血児達の街は各精霊の加護のおかげで住み易い洞窟内住居に

居住するようになった。


アボリジニの混血児達の人口はどんどん増加していった。

必要な物資はインド系ゴーレム達の商人が塩などの物資を運んだ。


民族衣装ではなく、砂漠迷彩のポンチョで日差しから肌を守り、リーエンフィールド小銃を持つアボリジニの姿は

不思議にも見えるが、アボリジニ達の間で流行しているらしい。

飛ぶように売れて行くヒット商品になった。


できればアボリジニの混血児だけで100万人を超えるくらいは増えてほしいものだ。

35万人では少な過ぎる。



その頃の英国本国ではインドでの大きすぎる損害に厭戦気分が広がっていた。


自由党は政権を失い労働党が政権与党になったのだが、明らかに貧乏くじだった。

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