215話目瀬戸際外交に成功した日本

上皇陛下の生きてこられた明治の時代(特に初期)は日本にとって苦難の連続でした。


幕末の頃はイギリスなどの多国籍連合軍相手の戦争すらしていますしね。

しかも多額の賠償金を支払う羽目になっている。


佐賀藩などの一部の藩の技術力がそれなりだっただけで大英帝国との国力差は絶望的な大差が開いていましたし、、、


宇垣昌弘がやって来る前の日本は、

欧州に追いつき追い越せとは思っていたものの、イギリスなどの植民地を持っている欧州の国々の国力は圧倒的で

大日本帝国は苦しく厳しい状況に置かれていました。


はっきり言うと、清国のようにアヘンが合法化されイギリスによって持ち込まれた大量のアヘンがばら撒かれて、

日本は清国のようにされていたかも

しれなかったのです。


宇垣昌弘は苦労されてきた上皇陛下に

巨大な戦艦を見せて、

『日本は豊かで強い国になりました。

アメリカやイギリス、ロシアが相手でも互角以上に戦える国になりました。』と伝えたいと思っていました。


日清戦争後は資源にも食料にも困らなくなった大日本帝国ですが、上皇陛下はアヘン戦争時代のならずもののようなイギリスを知ってらっしゃいます。


『ご安心なさってください』と伝えたいのです。


とは言え、さすがに10万トン戦艦を

建造しちゃったのは大変でした。


チェックして安全性を確認するのに

何ヶ月もかかってしまいました。


チェックなんか仕切れないので

見切り発車です。


まぁ、ゴーレム戦艦なので大丈夫でしょう。

壊れても治癒魔法で修復できますし。


主砲は発射しても大丈夫でしたし。

(何故、史実の大和級戦艦よりもひと回り大柄な戦艦になったのかと言うと、3連装砲塔を最低でも4砲塔は搭載したかったからです。51cm砲を12門に

したかったのです。)



アヘン戦争の頃の大英帝国にとってアヘンは大儲けできる貿易商品でした。


大英帝国は大規模な艦隊を日本に派遣して日本にもアヘンの自由化の条件を飲ませようと画策していました。

(イギリスの外務大臣のラッセル伯爵は清国との天津条約かそれ以上にイギリスにとって有利でアヘンの合法化、日本国内での商業活動の許可を盛り込んだ通商条約を日本に押し付けるようにと交渉役のエルギン伯爵に命令しています。)

そしてイギリス議会は日本を脅迫する為の大艦隊の派遣を議会で決定します。


ですがクリミア戦争(1853〜1856)インドのセポイの大反乱(1857〜1859)アロー戦争(2回出兵1856〜1860)と

イギリスは戦争続きで日本への艦隊の派遣が延期に延期する事に、、、


そんな中、アメリカ合衆国のタウンゼント・ハリスが伊豆の下田に1856年に来訪しアヘン持ち込み禁止の条項が盛り込まれた日米通商条約を1番最初に結び、列強諸国ともアヘン持ち込み禁止条項が盛り込まれた通商条約をアメリカと同様に結ぶ事に成功します。

そして、それらを先例にしてイギリスに対してもアヘンを禁止した通商条約を結ばせる事に成功させたのは非常に大きな外交成果でした。


江戸幕府と明治政府はアヘンを厳しく

取り締まり、アヘンの蔓延阻止に成功します。


日米通商条約を対等な条約に改正するのには非常に苦労はしましたが、

アヘンの蔓延を阻止し、アヘンの非合法化に成功したのは大きな成果でした。

もし、日本の開国にやってきたのがイギリスの艦隊だったらと想像すると

寒気がします。


アヘンが日本で合法にさせられて蔓延していたら、どうなっていた事か、、、


アメリカのタウンゼント・ハリスは

アヘンを蔓延させられた清国のようになってもいいのか?と江戸幕府の交渉役に言いますが、日米通商条約はマイナスも大きい通商条約ですがアヘンを禁止できましたし、プラスも非常に大きかった通商条約だと言えるでしょう。



現在のイギリスのスラムにはアヘンなどの麻薬が蔓延しています。

普通のタバコより安い値段でアヘンタバコが密かに売られています。

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