214話目 英国、インドより撤退。
最後の最後まで残り、英国兵を撤退させようとしていた小型の駆逐艦がムンバイの港から逃げ出して行きます。
ムンバイの港は瓦礫の山になっており、大勢の英国兵の死体が積み重なっていました。
逃げ出して行く英国軍艦を見て大勢のインド兵が歓声を上げています。
すでに他の港からも英国は逃げ出しています。
モルディブ諸島やセイロンのコロンボに逃げ出したのでしょう。
セイロン島のコロンボも安心して停泊できない場所になりつつありますから、どうなるのかはわかりませんが。
大兵力を持つイギリスとの戦争であり、不安を持っているインド人もいたのですが、度重なる大勝利により、
『インド独立万歳!!』と言う声は
高くなるばかり。
インド国民政府は『インド独立』を高らかに宣言しました。
日本でも欧州でも英国が50万を超える損害を受けている事や、オーストラリアやニュージーランドはもう兵力は無いと派兵を断っている事、南アの暴動は数十万人規模である事を報じています。
イギリスに気を使って、控えめな損害を報道しています。
(現時点のインドでのイギリス側の損害は100万人近い。)
明治期の日本では「清国&李氏朝鮮と同盟を組みアジアの為に同じアジアのインドの同胞を救おう。」
と言う意見もありました。
逆に、「清国や李氏朝鮮は自国の事を考えるのみであり、頼りにならない。
日本は独力で強くなるしかない。」
と言う意見も、、、
ですが、アメリカよりも強力な海軍を持ち、インドを征服し清国にアヘン戦争をしているイギリスに対する日本の
恐怖は相当なものでした。
イギリスだけでも恐怖なのに、ペリーはやってくるし、ベトナムはフランスの植民地だし、周辺が欧米列強やアメリカの植民地な状態の『有色人種国家日本』の恐怖はどれほど強かったか、、、
植民地にされなくて本当に良かったですよ。関税を自主的に決定する事はできずに、関税は5%にされていましたが。
日本が関税自主権を回復して、
世界一の美濃級戦艦を建造して、それに次ぐ力を持つ富士改級戦艦を量産してアメリカ大西洋艦隊を倒した日本の姿を明治維新の英雄達に見て貰いたかったですよ。
関税自主権回復の為に、ずっと苦労してきた人達は泣いていましたが、
その気持ちは良くわかります。
列強諸国全部が認めなければ関税自主権の回復はできなかったですからね。
最後の壁のアメリカが、本当に厄介でした。
(史実でもロシアに勝利して、イギリスの軍事同盟国でも関税自主権を回復できなかったのですから。)
イギリスに莫大な資源とお金をもたらしているインドが独立しイギリスの国家予算が激減し、インドの人的資源を駆使する事ができなくなったのは幸いでした。
インド独立の外交交渉はこれからですが、英国の予算が激減しただけでも充分な成果です。
いや、フィリピンとサンボアンガの2国を独立させてインドが続けば植民地独立の流れを押し留める事はできないでしょう。
フランスもベトナムをいつまで維持できるのやら。
まぁ、密かに援護している我々はインドから届けられる小銃のスクラップを
錬金工場で修復しアボリジニ達に持たせる仕事がありますし、デスマーチ状態はまだまだ続くのですが。
充分に訓練された20万人の陸軍兵士を失ったオーストラリア、、、
アボリジニが自治独立を勝ち取るのは
今がチャンスです。
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