208話目アドルフ・ヒトラー&チャーチル卿
驚く事に、アドルフさんの家はベルリンの南西側の郊外にある、我が社の近くでした。
間近で飛行船が見える場所です。
飛行船の絵はかなり良い売れ行きな様子で、駐車場に止まっていたのは宇垣のマーク1、しかも日本からの輸入モデル、、、限定カラーモデルとはよほど好きなのでしょうか。
プレミアモデルなのですが。
今着ている服も上流階級のような服装です。
そういえば春先にはステラーカイギュウのロングコートを着ていたような、、、
それを見ればマーク1オーナーな事は
予想するべきでしたね。
今のドイツというか欧州で高級車といえばマーク1の独走状態。
イギリスのロールスロイス社を始めとして他社が高級車を出しても全然売れていません。
宇垣自動車にすれば幸いですが、
デザイン的にマーク1を凌駕するような自動車は出ていません。
当の宇垣自動車自体がモデルチェンジに悩んでマイナーチェンジしてます
からねえ。
アドルフさんの家には若くて綺麗な
メイドさんも居ました、、、
ほう。若くて綺麗なメイドさんねえ、、、
血は争えないなぁ、、、
お父様のアロイスさんも、お好きでしたよねえ、、、
いやいや、お幸せなようで何よりですな。
宇垣昌弘もラノベ&SF好きな人間ですから『歴史の修正力』を気にしないわけではありません。
日本なんか史実と違う歴史を歩んでいますが、石原莞爾さんなんかを見ても
性格が史実と似ていますし、18歳なのに大隈重信さんのとこや宇垣昌弘の所に知見を聞きに来ていますしね。
東条英機さんも生真面目な性格ですし。
まぁ、陸軍も海軍も資源で困っていないせいか、おとなしいものですが。
アドルフさんは日本までの案内役の前野長康と一緒に『天の鳥船2』に乗り込みました。
全長700mの巨大な飛行船に乗っての
空の旅。
お金を払うとしたら未来の日本円なら
数百万円くらいになるかもしれませんね。日本までは2泊3日の空の旅。
食事は高級フレンチですし、
泊まる場所はロイヤルスイートルームですしね。
発進前の一時に、用意された船長のコートと帽子を着用し操舵席で記念写真を撮り、船長からコートと帽子をプレゼントされアドルフさんは上機嫌でした。
写真はすぐに現像され焼き増しされて
30枚ほどがアドルフさんに手渡されました。
巨大な飛行船をバックに船長達と撮った記念写真や『天の鳥船』の非売品の
ポストカードもセットでお土産にプレゼントされています。
更に『天の鳥船』に乗った旅客者は少ないですからね。
旅客名簿にもアドルフさんのサインが
残り続けるという名誉もあるんですよねえ。
アメリカやイギリスの有名な政治家のサインに挟まれるかもしれませんねえ。
アドルフさんの前にロイヤルスイートに泊まられたのはウィンストン・チャーチル卿です。
是非にと頼み込まれてセイロン島のコロンボまで送ったんですよ。
さすがにオライオン級が立て続けに触雷して港に着底したと聞いて、顔色は真っ青でした。
前の戦争(イギリスにとっては反乱)
の時ならインドにも安全に着陸できる土地を用意する事ができたのでしょうが、さすがに独立戦争中のインドに700mの巨大な飛行船が停泊できる安全な飛行場などありませんからねえ。
コロンボからは小型の飛行船か、海軍の艦艇で視察をされるのでしょう。
海軍卿も大変ですねえ。
随行の軍人さん達もお通夜のような
有り様でした。
史実でプリンス・オブ・ウェールズと
レパルスが沈んだと聞いた時もこんな感じだったのかな?
(チャーチル卿達がお通夜状態だったのはオライオン級3隻の損害だけでなく、日本は派手に巨大な飛行船を飛ばしているのに、事故らしい事故を全く起こしていないとこにもあります。
飛行船は強風に弱く、列強のどの国も
墜落事故や遭難事故を起こしています。
日本は墜落事故は1度も起こしていません。
そして、2日かからずにコロンボに到着してしまいました。
おおよそ8716kmとも言われる距離を無着陸でエンジントラブル無しで飛行し続けて、30時間以内で到着ですからね。
見事なものですよ。
平均時速も300km/h以上ですからね。
フランス料理の美味しさにも、
「ぐぬぬっ」していたかもしれませんね。
イギリスには安心して長距離飛行できる飛行船は、残念ながらありません。
チャーチル海軍卿が頼み込んで、貸しを作ってまで宇垣財閥から借りるんですからねえ。
高速戦艦でも10倍は時間がかかりますからね。
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