202話目イギリスの労働者階級とは。

我々日本人からすると大英帝国は豊かで繁栄している大帝国のように思ってしまうが、実は貧富の差がかなり激しい国だった。


工場労働者の貰っている賃金は少なく、工場労働者の家庭の家計を見てみると夫婦で共稼ぎしているにもかかわらず、70%近い収入が食費に消え、

夫婦のどちらかが病気にでもなれば

家計は危険になり子どもを低賃金で過酷な労働をさせなければいけないほど

だったのだ。


子どもは重労働+長時間労働させられ

奴隷のように働かさせられる。

食事は硬い黒パンに萎びたカブに腐りかけのベーコンが僅かに入ったスープ

くらいで、病気になれば工場から追い出されてしまう。


大人ですら賃金が安いくらいだから、子どもの労働者の賃金はもっと安い。

カイジの働いていた地下の奴隷労働場

より酷いくらいだ。


労働者階級だと長生きもしない。

50歳くらいで死ぬのは中産階級の人間であり、過酷な場所の労働者階級だと汚れた空気と水の中で働き詰めて25〜30歳で死ぬのが労働者階級だ。(『産業革命期・イギリス労働者階級の暮らし』で検索して労働者階級の暮らしを知ってもらいたい。)


孤児院は慢性的な資金不足で中学生くらいの年齢の児童を工場に売って資金にしていたくらいだ。

(産業革命前期のイギリスでは児童労働は当たり前で10歳以下の子ども達が

1日に10〜14時間も労働させられている。12歳未満の児童の工場労働が禁止された法律の制定は1901年である。)



豊かさを求めてアメリカには移民していた史実の日本人だが、同盟すら組んだりしていたイギリスには移民した話をあまり聞かないのは重税が原因である。


日給がかなり高額な史実のフォード

自動車でなくとも、史実のアメリカに住み庭師などになれば史実のアメリカなら裕福になる事も可能だったが、

税負担が重いイギリスでは大変だろう。


イスラエル共和国では税制は日本を参考にしており、かなり税負担は少ない。


裕仁親王殿下がイギリスを訪問された時だが、随行メンバーの中には生水を

水道から飲んで腹痛になるメンバーも複数人出たくらいだった。


イギリスの労働者階級の人間がエール(ビールとは厳密に言えば違うが似ているお酒)を飲むのも安全な水が高いからである。


ロンドンの水道を信じてはいけない。

ロンドンは海の近くの下流にある街であり、テムズ川には上流の街の下水が捨てられている。

ロンドンの上水道はろくに浄化されていないテムズ川の川の水であり、極めて危険である。


「ホテルのシャワーも身体を流すだけにしてください。

目や口に入れないように。」

と殿下や随行メンバーには注意していたくらいだ。


まさかと思われるだろうが、1920年代のロンドンを甘く見てはいけない。


まぁ、浄化魔法や治癒魔法を殿下は使えるし、心配はしていなかったのだが。


1847年頃のエドウィン・チャドウィックはイギリスの労働者階級の酷い暮らしに絶句しています。一軒の家に労働者家族が10家族も住んだりしており、トイレは1つしかなく、汲み取り屋は1年に一度やってきて汚物をバケツですくって、川に流していました。

水道から水が出るのは1日に1時間だけだったり、環境は劣悪でした。


100万人の大都市だった江戸の墨田川の

水が綺麗だったのとは大違いですね。


まぁ、イギリスや欧州の水は硬水が多く、生水は腹を下す恐れがあり、

シャワーも気をつける必要があるのは

現代でも同じですが。

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