190話目インド洋を血に染めて。
対インド戦争でのイギリスの損害は着実に増えていった。
ドレッドノートのバージョンアップとも言うべきオライオン級の超美濃級戦艦が3隻も機雷によって沈み、(触雷にて浸水が進み沈没は避けられないと覚悟した艦長が湾内に進めた。)
湾内にて浮揚工事が始まるが散発的に120mmクラスの迫撃砲弾が降り注ぎ、浮揚の邪魔をするので修繕は遅々として進まなかった。
海水に晒されれ続ければ内部は確実に劣化する。
劣化が進めば修繕はより困難になるだろう。
その3隻の写真を見ながら小早川隆景は
断言する。
『諦めて新造した方が安上がりでしょうな。』と、、、
湾の地下にも超巨大ゴーレムはもちろん存在しているので、触手を触れさせれば俺のアイテムボックス内の錬金工場内に収納が可能である。
そして0.1秒以内、ほとんど時間差無しで元に戻す事も可能だ。
収納した時にそれらの戦艦達の損傷の状態は把握している為、俺はイギリス軍よりよっぽど、今の戦艦の状態を知っているが、俺の意見も同じである。
『もう諦めた方がいい。』としか言えない。
裕仁親王殿下がコロンボに訪れた時にはコロンボは平穏だったが、今は大違いだ。
インドどころかセイロン島もシンガポールもマレーも戦争になっている。
カラチ、ムンバイで触雷したのでチララに行けばそこでも触雷、、、
戦力の多い大英帝国海軍といえども
艦齢の若い新鋭戦艦3隻の損害は血の気が引く大損害だ。1923年ともなると
ドレッドノートやインヴィンシヴル級以上でなければ威嚇にならない。
軍備縮小、財政均衡派がこの15年は優勢だったのだが、海軍拡大派が
『軍備を縮小し過ぎではいざという時に戦えない。』と主張し始める。
実はインドにある鉄道の敷設と維持管理には大金がかかるし近代化にも大金がかかっている、、、
貧しい某半島地方の近代化をしようとして大金を失った未来の日本人なら理解できるが、インドというのは豊かそうでいて維持管理するのにも大金が必要な植民地なのだ。
戦争をして荒れたインドの直轄地だけでなく、藩王国を潰して直轄地にするとなるとろくに近代化されていない疲弊した地方の近代化に更にお金が必要になってしまう。
独立後のインドの経済が人口や資源の割にそれほど豊かでなかった事でもわかるように、インドというのは経済的に豊かじゃない。
いや、豊かだけどマイナスも多く、
維持にお金がかかる植民地なのだ。
イギリスにとってインドは、戦争の時に大規模に兵士を動員可能だから欠点に目をつぶって維持していたのに、独立戦争をされるなんて最悪である。
日本がインドを植民地にしようとしないのもマイナスが多いからだ。
はっきり言って、日本の国力ではインドを植民地として抱えたら大変な事になるだろう。
史実と比べて国力が大増大している、
今の大日本帝国ですらインドは持て余す規模の国である。
まぁ、インド人達も独立できたらインドの国家運営がいかに大変か、思い知るだろう。
現時点でも一部のインテリなインド人は、インドの未来を悲観している。
(ここではインドのマイナスばかりを書いていますが、過激な独立派がおらず、治安が良ければインドは良い国です。
日本の犯罪発生率が低く、良い国過ぎるから、どんな国でも日本に比べたら
欠点が目についてしまうのです。
人口が少ない割に大きく資源が豊富な
オーストラリアなんか良い国ですよねえ。)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます