186話目インド独立戦争②
『ガンディーとアリー兄弟を釈放せよ!!』
『アムリットサル事件を忘れるな!!』
『ジャリヤーンワーラー・バーグの虐殺を許すな!!』と声が上がる。
以前のインドならシーク教の聖地での
虐殺にはシーク教徒ばかりが怒り、
ムスリム(イスラム教徒)はさして怒らなかったし、ヒンドゥー教徒達はどれほど怒ったのかは疑問だが、
全インドが怒りの声を上げていた。
いや、イギリス軍は装甲列車を使用して村落の中や群集の間に機関銃の射撃を加える虐殺もしている。
爆弾や機関銃は飛行機上からも使用され、クハルサ高等学校を爆撃した空軍機もあった。
このようなイギリス軍の虐殺行為、
食料を奪われて大勢が餓死した行為などによるイギリスへの怒り、反発が
独立戦争に繋がっていた。
食料調達による大規模な飢餓は世界大戦が原因と宇垣昌弘達は思っていたのだが、現実に世界大戦前も飢餓は起きているし、イギリス政府は全然民衆を助けようとしていない。
考えて見ると、インド人の多くはヒンドゥー、シーク、イスラムなどのキリスト教以外の宗教の信者ばかり、、、
(インド人全体に対して差別意識があるのかもしれない。
いや、農民の命を何とも思っていないような虐殺を見ていると日本人には
イギリス人の精神は理解はできないかもしれないとも思えてしまう。
なんせ日本で奴隷制が廃止されたのは
豊臣秀吉が生きていた頃だ。
宇垣昌弘の家の近くには差別されている部落やスラムのような地域は存在していなかった。)
イギリス軍は攻撃を行うのだが、
インド側のゲリラ的な攻撃を受けて
損害が多くなり引きこもるようになって行く。
インド国民会議派や自然に発生したゲリラ兵士は各地でイギリス軍に大きな損害を与えて行った。
そしてガンディーやアリー兄弟の奪還に成功する。
今まではネパールのグルカ兵だけでなく、違う宗教の違う地域のインド兵士に命令して暴動を鎮圧する虐殺行為をさせてきたイギリス軍だが、インド兵が命令を拒絶し、場合によっては上官のイギリス人将校を殺害するようになったのは大きな変化だった。
それにアメリカの武器商人ジョン・スミスが持ち込んだ大量の武器弾薬があるのが奇襲を成功させた。
開始して24時間以内のイギリス人の死者は1万人を超えた。
イギリス側は軍隊を指揮していたイギリス人将校達や指揮官を失って機能不全に陥って、反撃がろくにできなくなったのだった。
洗脳魔法は他の地域ではよく効いていたのだが、カースト制度があるせいか、インドでは効きが弱いと思う事もあった。
(史実の西暦2020年のインドの識字率は74%である。
多分イギリスもインドの正確な人口は
知らないだろう。1909年の大雑把な人口は3億1000万人。)
{銃を撃つイギリス兵と殺されるインド人、インド女性や子ども達、、、
遊び半分にイギリス兵に強姦されて
殺害されるインド人美少女。
イギリス人はキツネ狩りをするように
インド人を殺して楽しんでいる。
インドからお金や資源を奪ってイギリスは贅沢をして、インド人は飢えて死んでいる。
このままでは何十年後もこのままだぞ。
イギリス人はすべてのインド人を人型の獣と思っていて人間とは思っておらず差別している。)
というイメージ映像をインド人達の心の中に映して夢に見せ続けたら
ようやく洗脳魔法の効き目がよくなっていった。
フィリピンやサンボアンガは独立して
平和に暮らしているのだ。
インドだってイギリス人を殺し続ければ追い出せる。と洗脳して良かったと
言えよう。
イギリスの死者は10万人を超えた。
(インドは道路などのインフラが貧弱で旱魃などで飢餓になった場合の飢えた人々の人数は4700万人を超えたりもして、イギリスの対応能力を超えている為の飢饉である事が多い。
宇垣グループは豊作になった時に安く仕入れて凶作になった時に売り出して
儲けつつ助けてもいるが、インドみたいな大国の統治は手に負えないと結論している。
未来のインドですら、都市以外は酷い有り様なのだから。
中華人民共和国とそっくりだ。
大小512ある藩王国では飢餓に何も対処せずに無視していたりするので
イギリスの直轄地の方がよっぽどマシな統治をしている、、、
虐殺などの点はやり過ぎだが、イギリスが直轄統治していなければ飢餓で死んだ人数はもっと増えているだろうというのが
作者の結論である。
でも、イギリスの力を弱める為に、インドは独立してもらうけど。
英明な君主の統治した幾つかの藩王国は栄えたが。
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