165話目ブライアン元大統領とウィルソン大統領

就任式を終えて大統領執務室を入った

ウィルソン大統領を前大統領のブライアン大統領が出迎えました。


ウィルソン候補を推薦していましたし、同じ民主党ですから2人の関係は良好です。


だが、他には誰もいない、この執務室だからこそ2人の顔色は良くはありません。


つい、先程テキサス州にてセオドア・ルーズベルトが率いるラフライダースが大勢の死者を出したとの一報が入ってきました。


マスコミが過敏に反応するような事があればメキシコとの関係が悪化しかねません。


ここで更にルーズベルトの負の遺産が増えるとは思ってもいませんでした。


陸軍からはメキシコとの国境線の警戒を厳重にしたいとの要請が来ています。


ブライアン大統領はメキシコとの関係悪化の可能性を感じ、陸軍の兵力増強を行っていました。

とは言っても10個連隊ほどの兵力増強です。

メキシコと国境を接している街を守る為に大隊ほどの規模の部隊を派遣して防衛させています。

テキサス州は1番危ないと思われるので、連隊規模の部隊をいくつも派遣しています。


メキシコに接しているのはカリフォルニア州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州の4つです。


カリフォルニア州に2個連隊。

アリゾナ州に3個連隊。

ニューメキシコ州は1個連隊。

テキサス州に4個連隊を増強しています。


ですが各連隊からは風邪が流行しているという不穏な報告がきています。


人数はそう多くはないとはいえ、肺炎で治療を受けている兵士もいるとか、、、


黄熱病やデング熱が蔓延して工事が中断しているままのパナマ運河の工事現場よりはマシとはいえ、普段よりも入院した兵士の人数が多いと聞くと心配してしまいますよね。

ブライアン元大統領はウィルソン大統領にそれらの報告を伝えるのでした。


『石油はどうですか?

成果はありましたか?』


『石油はダメだ。採掘してはいるが

どこも出てこない。』


スタンダード石油を始めとして、

多くの企業が石油を掘り当てようと

採掘を行っていますが結果は悲惨な物でした。


『3万リグも採掘を行ったのに何も無しだとは、、、』


『石油がここまで出ないとは思わなかった。』


『でも石油不足なままでは困ります。

スタンダード石油に援助してでも石油の採掘を続けて貰います。』



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