164話目1917年ウッドロウ・ウィルソン

アメリカ合衆国大統領のウッドロウ・ウィルソンの就任式が1917年3月4日日曜日にワシントンD.C.のアメリカ合衆国議会議事堂のプレジデント・ルームで非公開で行われ、翌5日月曜日に議事堂のイーストポルティコで行われた。


女性の参政権を求める女性達が大勢集まり、議事堂周辺は騒然とした雰囲気に包まれていた。


そしてメキシコとの国境沿いでも『硝煙』の匂いが漂っていると言われており、メキシコ人やメキシコ系アメリカ人とアメリカ人の争いは収まる気配を見せなかった。


セオドア・ルーズベルトは第1合衆国義勇騎兵隊を再結成し「ラフ・ライダース」の再結成に喝采した国民もいたのだが、メキシコ系ゴーレム達は用意周到に待ち構えて3方向から十字砲火を浴びせて、『ラフ・ライダース』の先遣隊1000人の90%、900人以上を殲滅した。キューバで戦ったラフ・ライダースも病気で大きな損害を出したが、

それ以上の大損害にアメリカ人は恐怖した。


ウィルソン大統領はメキシコとの平和を望んだのだがメキシコ大統領のベヌスティアーノ・カランサは

メキシコ人やメキシコ系アメリカ人の

虐殺をやめろと返答した。


実際、すでに事態はカランサ大統領の手を離れていた。

国境沿いにいるメキシコ正規軍は平常時と同じであり、アメリカの攻撃に反撃している集団は志願者の義勇軍(メキシコ系ゴーレムの義勇軍)だった。


今まで散々、テキサスレンジャーズに

国境を越えられてメキシコ人を殺戮されていたメキシコ側が馬に乗って現れた1000人ものラフライダーズに対して

過剰反応するのも当然である。


大勢の戦死者を出したセオドア・ルーズベルトは

『そんなに戦争がしたいのか!』

と批判される事になる。

遺体の収容と埋葬にルーズベルトは

苦難する事になるのだった。



ベヌスティアーノ・カランサ大統領や

メキシコの有力者は洗脳魔法で支配済みです。

カランサ大統領は憲法を作りましたが

大統領の任期を5年にしまして、最長2期10年の期間を大統領ができるように

しました。

オブレゴン陸軍司令官らの有力者が支持していますのでカランサ政権は安定する事になります。


メキシコ陸軍はようやく、各地方の有力者の私兵的組織から脱却するようになります。

メキシコ軍は日本と同じく兵士は小柄であり、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、日本などの各国の小銃を取り寄せたのですが、日本以外のどこの小銃も重く、反動がキツいので困っていました。

アメリカと日本のどちらの小銃を選ぶか迷ったのですが、反動が少なく軽量な日本の37式騎兵銃を正式採用し、

30万丁を輸入しました。


更にメキシコは日本の宇垣石油に石油の採掘を要請。

宇垣石油は石油の採掘に成功しメキシコ51%、宇垣49%の利益配分で石油精製プラントを建設し、ドーム基地も隣接させ大々的にメキシコ国内でビジネスを展開し始めます。


まぁ、こんな風に投資を大規模にできるのも現地のメキシコの表も裏も支配できているからなんですけどね。

任期満了した大統領のその後も選挙結果は宇垣側の思惑通りの結果になりますし。

メキシコは子供の教育にも力を入れ始め、まるで別な国になったかのように

動き始めます。

公共投資も積極的にやり始めます。


メキシコは海軍にも力を入れ始めます。

日本から小型艦(駆逐艦)を8隻買い、

アメリカから水雷艇を買うのでした。


この小型艦は海軍工廠及び宇垣以外の

造船メーカーが製造したものと、宇垣造船が普通に製造した物2隻です。

装甲は高張力近江鋼ではありません。

イギリスのドレッドノートクラスと同等くらいの装甲です。


錬金工場製の駆逐艦は売れませんからね。


こうして腐敗した発展途上国だったメキシコもようやく近代国家に向けて

離陸しようと走り始めました。


そしてメキシコを縦断する鉄道の建設も開始します。

メキシコ人、グアテマラ人の貧しい人達をアメリカに棄民するには鉄道が必要ですからね。

元はメキシコだった、アメリカの各州の人口の半分以上をメキシコ系、グアテマラ系の住民にするつもりです。


『人民の海計画』とでも名付けましょうかね?



作者からの追記。

(メキシコ統治時代に行われた払い下げによる土地の権利は全て承認・継承されるとした、グアダルーペ・イダルゴ条約の第10条をアメリカの上院は削除しています。

それら払い下げ土地のほとんどは開拓目的のものではなく、メキシコ人当局者による、友人たちへの単なる贈り物であったというのがその理由とされています。

第10条を削除するという決定は、メキシコ領時代に行われた払い下げによる何百万エーカーもの土地、材木、および水を取り上げ、全てを公有地に戻してしまうこととなり、特にいくつかの地域のヒスパニックのコミュニティで、現在でも評判が悪い条約破りです。

ただし、スペイン植民地時代に行われたプエブロ・インディアンに対する払い下げ土地に関しては全て合法であるとして承認されています。)


(こうしてメキシコ系ヒスパニックから土地を取り上げて公用地に戻した上でヒスパニックが新たに手に入れて住んでいた土地や家屋や財産を殺害して奪ったのですから、メキシコ系アメリカ人やメキシコ人が激怒するのは当然ですよね。)

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