158話目メキシコ
前話でアメリカ国内のメキシコ人虐殺に怒り、メキシコ人ゴーレム50万人作ってメキシコを乗っ取ってやる!と誓った主人公ですが、
現在はダンジョン産マンゴージュースを飲みながら、プリンを食べて休憩中です。
今のメキシコは内輪揉めも多く、
内部で争っていて、弱体化しています。
メキシコを1つにして政治的に安定させて、強い国にするのは大変そうだなと昌弘は思っています。
昌弘がメキシコを支配しようと思い始めたのもアメリカがプエルトリコ・キューバ・メキシコで傍若無人な事をやっているからです。
テキサスレンジャーは国境を越えて、
メキシコ国内に入ってメキシコ人を殺害する事を楽しんでいましたしね。
ですがメキシコ人がアメリカ人の暴力に毅然として立ち向かった事は、思いがけない結果を産んでしまいました。
自分達アメリカ人も自分の身を守る為に武装するのは当然の権利と言っている癖に、大きな損害を出すと身勝手にも、
『このメキシコ人家族も普通のメキシコ人家族ではなく、戦争になったらメキシコ軍に呼応してアメリカ人に襲い掛かろうとして潜んでいた家族だったんじゃないか?』
などと思うようになっていったのです。
確かに、今のテキサス州をメキシコ共和国に取られたら、アメリカ人ならアメリカ軍がテキサスを取り返しに来た時に呼応してメキシコ側を攻撃しそう
ですもんね。
アメリカ人がメキシコ人を虐殺する→
メキシコ人が警戒して反撃する→アメリカ人に損害が出て、更にメキシコ人を殺害して取り除こうとする。
のマイナスの連鎖が始まってしまいました。
同時多発的にメキシコ人の虐殺が始まります。
特にテキサス州では酷い虐殺が始まりました。メキシコ人の被害も1万人を超えましたし、アメリカ人の損害も1万人を超えました。
メキシコとアメリカの憎しみの連鎖は
史実の比では無くなりそうになっています。
欧州や日本では大々的に報道されて、
アメリカ人の蛮行に絶句しています。
メキシコと国境を接している各州では
戦争間近のような緊張が出て、州兵達も市民もピリピリしています。
メキシコ人女性や子供が虐殺されているのが特に許せないとメキシコ人達は激怒しています。
まるで戦争前のようです。
ブライアン大統領は静止して
いるというのに虐殺は止まりません。
メキシコ領だったテキサスにアメリカ人開拓民が押し寄せてテキサス共和国が独立しアメリカとメキシコが戦争になった時と同じ流れになろうとしています。
穏健派の人間や穏健派の幹部を追い出して暴走をし始めたKKKのように、
メキシコ人虐殺の動きは大きくなりました。財産や土地も奪えますしね。
そう。自警団がメキシコ人を殺せば殺すほどメキシコ人の財産が奪えて、
自警団の人間の利益になるのです。
野蛮な連中にとってはメキシコ人を殺害するのは人間狩りなのでしょう。
まるで蒙古襲来のようです、、、
元々はメキシコの土地ですし、
メキシコ人が敵性外国人なら追い払って安心に暮らしたいと密かに思っているアメリカ人は多いのです。
アメリカ先住民も隔離させたように
人のいない土地に追いやってね。
現時点ではアイルランド系アメリカ人もアメリカ人として認められていない
時代です。
イタリア系アメリカ人もそうですね。
大統領候補にアイルランド系プロテスタントの大統領候補が出てきて、
始めてアメリカ人達はアイルランド系プロテスタントの人間達がアメリカ人のインナーサークル内に入った事を周知するようになるのです。
WASP、ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタントの内側です。
いや、内側の1番外でしょうか?
懐の中と言うべきか。
ええ。史実のジョン・F・ケネディの
事ですね。
彼が大統領候補になった時、年齢が上のアメリカ人達は、
『アイルランド系カトリックの大統領候補なんか信じられない。
時代が変わったなぁ。』と言ったものです。
皆さんも大統領候補を見る時は、この人は○○系アメリカ人なのか注意して
見てください。
ドイツと戦争した後だとドイツ系アメリカ人すら、社会的地位が下がり、
州知事や政治家が減ってる事が見えてきます。
外見がアジア人な日系アメリカ人なら
余計に社会的地位を上げるのが大変だった事がわかります。
日系アメリカ人政治家の方が日本に対して厳しい事を言っているのも理解できるでしょう。
下手に癒着してるなんて思われたら危険だからですね。
人口が多いメキシコ系アメリカ人が
虐殺されているくらいですから。
これがアメリカです。
中国系やコリアン系はよくもまぁ、
アメリカで色々できるものだと
思ってしまいますよ。
不愉快だと思われたらどうなるかわからないのに。
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