157話目1914年サンディエゴ計画。
サンディエゴ計画 (Plan of San Diego, Plan de San Diego) とは、1915年から1916年に米国テキサス州を中心に南部一帯で発生した一連の騒乱事件またはその計画の事です。
1915年1月24日、テキサス州マッカレンで捕まったメキシコ人、バシリオ・ラモス・ジュニア (Basilio Ramos, Jr.) の所持品の中から "Plan de San Diego" と題された計画書が発見された。
メキシコのヌエボ・レオン州のモンテレイ刑務所内で作成されたと言われている。
1915年2月20日に米国内で武装蜂起を行い、黒人種の独立と自由を宣言する。
また、米墨戦争によってメキシコが奪われた領土の米国からの分離独立を宣言する。
16歳以上のアメリカ人は老人、女を除いて全て処刑する。
インディアンには、奪われた土地を還す。
独立後の諸州はメキシコに併合されるのが望ましい。と書かれていました。
これにより米南部のアメリカ人社会はパニック状態となり、事態を重大視した米政府は陸軍部隊を国境付近に配置するなどの警戒措置をとりました。
1915年
予告された2月20日には武装蜂起は起こらなかったが、 "Manifest to the Oppressed Peoples of America(抑圧されしアメリカ人民への宣言)" と題する声明文が発表された。内容的には「サンディエゴ計画」の繰り返しに、社会主義的イデオロギー色の濃い主張を追加したものであった。
だが、この時期すでにメキシコ大統領のウエルタは力を失っており(スペインに亡命中)計画の発覚によりアメリカ側が警戒措置をとったこともあり、声明文を出すのが精一杯だったと考えられています。
しばらくの間なんの動きもみられず、警戒心が緩んできた7月、リオグランデ川両岸地域においてメキシコ革命軍のベヌスティアーノ・カランサ将軍を支持する二人の南テキサス住民、アニセト・ピサーニャとルイ・デラロザによる連続襲撃事件が発生した。国境地帯の輸送や通信を分断しながらアメリカ人を殺害するゲリラ戦法が行われました。
米陸軍はこの地域にジョン・パーシング (John J. Pershing) 将軍率いる増援部隊を派遣しましたが、神出鬼没のゲリラ戦法に有効な手立てを持ち得ませんでした。
既にカランサ将軍は大統領のウエルタに対抗する勢力の支持を得てソノラ州で1913年には臨時政府樹立宣言を行っており、さらに1914年7月にはウエルタ本人は退陣してスペインに亡命し、同時にカランサが大統領に就任(米国政府は未承認)していました。
これを機に勢力を拡大することを狙ってこのサンディエゴ計画に便乗したとされています。
果たしてこの1915年の襲撃は、10月に米国がカランサをメキシコの大統領として事実上承認することでぴたりと停止しました。
1916年1月になり、ウエルタ派に対抗していたもう一つの勢力の旗頭であるフランシスコ(パンチョ)・ビリャが、カランサを米国がメキシコ大統領として承認したことに不満を持ち、メキシコ領内チワワ州で米国人15人を殺害します。
3月には米領内へ侵入しニューメキシコ州コロンバス (Columbus) で破壊活動を行いました。
再びパーシング将軍の部隊が制圧に派遣され、逃げたビリャを追ってメキシコ領内にまで達しました。
アメリカ陸軍はメキシコ正規軍がパンチョ・ビリャの逮捕に協力してくれることを期待したがカランサはこれを無視しました。
それにとどまらず5月にはカランサ派と思われる者たちによるテキサス州内での襲撃事件まで発生しました。
このビリャ討伐遠征中にアメリカ陸軍が誤ってメキシコ正規軍を攻撃するなどしたため緊張が高まりました。
しかし正規軍同士の戦闘となれば米墨戦争の再来となりかねません。
米大統領は開戦はなんとしても避けたかったのです。
結局はビリャを捕らえられず6月になり母国へ引き上げた。これに同期して米国内での組織的な襲撃や戦闘も収束した。
アメリカ人の報復
メキシコ国内では米国軍を追い払ったと宣伝が行われ、民衆は一時的には溜飲を下げたが、米国内に居住するメキシコ人や米国籍を持つ元メキシコ人は想像を絶する辛酸をなめることになりました。
この期間中、軍が襲撃者を制圧・追跡する一方で、各州においては警察や新たに結成された自警団が治安維持を行いました。
治安維持とは主に襲撃者に対する内通者の摘発を意味したのですが、、、
襲撃者に情報提供した、武器や食料を供与した、果ては襲撃者の一団が通り過ぎるのを見過ごしたなどの罪状で、メキシコ人およびメキシコ系アメリカ人達は裁判なし、
あるいは行われたとしてもごく簡単な審理をもって大多数が死刑判決を受け処刑された。
無実のメキシコ人に対する虐殺です。
特にテキサス州ではテキサス・レンジャーが大増員されテキサス州内の「治安維持」にあたったが、「法の執行官」とは名ばかりの「ならず者」も多数含まれ、
特に米国内に土地を持つ住民らに対してあらぬ嫌疑で処刑を次々に行い、結果としてこれら不動産を強奪していきました。
このテキサス・レンジャーの行状の酷さは以下のことから容易に想像ができる。
後日の連邦議会による調査で判明しただけでも、南テキサス地域においてメキシコ人あるいはメキシコ系アメリカ人が1年半の間に300人以上、裁判無しで処刑された。
(アメリカ正規軍である)陸軍をして、「彼らと行動を共にすることによって自分達の評判に傷が付く」と心配し、テキサス・レンジャーとの関わりを避けるようになった。
結果として、米アメリカ人の死者は民間人と軍人を合わせてテキサス州内で20人ほど、全米で百数十名に対し、メキシコ系死者は正確な調査はないものの数千人に及んだと推測されている。
と、史実ではアメリカの被害は大きくなかったのですが、
メキシコ人達は黙っては殺されませんでした。
メキシコ人が虐殺されている事を知ったメキシコ人やメキシコ系アメリカ人はアメリカの警察官や自警団に対して銃での反撃を行った。
オートマチックショットガンやコルト
ガバメントM1911やマグナムリボルバーでメキシコ人達は自衛しており、
警察官や自警団は大きな損害を出した。
彼らメキシコ人達は『直感』『予知』
『銃射撃』のスキルを超巨大ゴーレムによって密かに付与されていたので、
殺されて財産を奪われるのなら家族の10倍の人数のアメリカ人共を殺してやると決意して銃で武装して待ち構えていました。
特にテキサス・レンジャーは存在自体が憎しみの対象になり、1914〜1915の2年間だけで1000人以上が殺害されました。
テキサス・レンジャーに間違われたカウボーイも千人近い死者が出ている。
増員される前のテキサス・レンジャーの人数が220名ほどであるから、いかに死傷者が多いか理解できよう。
後に血の2年間と呼ばれる事になる。
テキサス州や周辺の州ではメキシコ人狙撃兵の被害に悩み苦しみ続ける事になります。
アメリカ先住民達も銃で武装して自衛するのが当たり前になり、
黒人達も銃で自衛をするのが当たり前になっていきます。
アメリカ国内で有色人種に対する人種差別がもっとも少ないユタ州に来ると
安心すると大勢の有色人種が思うようになります。
アメリカ国内の治安が悪化していきます。
テキサスレンジャーは奪われた牛や家畜を奪い返す名目でメキシコ国内に侵入しメキシコ人を殺害したりしていました。
キリスト教徒じゃないからという
理由で先住民や有色人種を殺害していますから、アメリカは被害者とは言えません。
メキシコは米墨戦争にて、カリフォルニア、ネバダ、ユタと、アリゾナ、ニューメキシコ、ワイオミング、コロラドの大半とテキサスを失いましたからね。
実に当時のメキシコの国土の三分の一です。広大な領土です。
アメリカ政府は1,825万ドル(現金1,500万ドルと債務放棄325万ドル)をメキシコに支払いましたがね。
人種差別意識の少ないブライアン大統領の任期中に治安が悪化し、人種間の
分断が進んでしまうのは大きな皮肉で
すよねえ。
荒野からテキサスレンジャーを遠距離狙撃する攻撃をし続けたのはメキシコ系ゴーレム達の攻撃です。
テキサスレンジャーは1人1人がマーキングされ狙撃ポイントに近寄ると超巨大ゴーレムが当番に知らせ、当番は転移魔法で超巨大ゴーレムの身体の一部の地下基地に転移して敵を消音狙撃銃で射撃するというわけです。
キューバやプエルトリコで米軍兵の
戦死者が増えているのも同じやり方で
アメリカ軍の兵力を削っています。
米軍の兵舎に迫撃砲を打ち込んだりも
しています。
戦争をすると戦死者は出るとアメリカ国民に教育する為ですね。
宇垣昌弘は『はっ!』と気がつきます。
メキシコ系ゴーレムのゲリラを編成し、色々とやるのはありだなと。
日系アメリカ人も財産を奪われて強制収容されましたからね。
他人事じゃない。
昌弘としては、
『戦争をやるなら覚悟しろ!鎌倉武士になったつもりで戦うぞ!』
と言いたいくらいに怒りを感じています。
日系アメリカ人ってだけで虐殺されかねませんからね。
戦争終結後、すぐに相応の財産を弁償しもしませんでしたからねえ。
昌弘は50万人のメキシコ系ゴーレムの量産を決意します。
メキシコを乗っ取るつもりです。
50万人の武装集団が居たらメキシコなら大統領になるのも可能でしょう。
作者注、昌弘が怒ったのは、メキシコ人やメキシコ系アメリカ人の虐殺が
あまりにも酷かったからです。
そして、有色人種、黒人、先住民(インディアン)に対する扱いがあまりにも酷かったからです。
ユダヤ人も差別の対象でしたし。
ドイツと戦争になったらドイツ系アメリカ人も差別の対象になるし、虐殺はするな!と止めに入る穏健派の白人も
虐殺される事がありました。
まるで中世の魔女狩りのようでした。
それを見たのが原因です。
メキシコ系ゴーレムが攻撃しているのはテキサスレンジャーや自警団であり、メキシコ人の虐殺をした連中です。
そしてアメリカ軍です。
虐殺を止めようとした穏健なアメリカ白人を殺害したのも許せません。
殺害された止めようとした人間の顔がアメリカ人の友人達に見えてしまいます。
アメリカ国内から逃げ出したユダヤ人達がエルサレム共和国やユタ州に逃げたりもしています。
デュランドさんやフォードさんも
テキサスレンジャーや自警団の蛮行には怒りを感じていました。
アメリカ先住民を計画的に虐殺し、
皮を剥がして人の皮で細工物を作る
野蛮なアメリカ人。
(独立戦争前〜インディアン戦争時代)
第二次世界大戦の時に日本兵の頭蓋骨や骨をお土産に持ち帰った野蛮なアメリカ人。
日本兵士の骨を削ってペーパーナイフを作って愛用していたルーズベルト大統領。
そういう野蛮な人間こそが『敵』なのだと昌弘は理解するのでした。
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