141話目横浜港が大賑わい。

俺は宇垣新聞を読んでいた。

『ドイツからブランデンブルク級戦艦が来港。展示期間は1913年1月の1ヶ月間だけ!見るなら今!』

と大々的に報道している。

見開き1面で写真が載っており、

正面図、側面図、スペックなども細かく説明されている。


この後、名古屋、大阪、博多で短期間公開され、宇垣造船所で解体されると

発表されている。


ブランデンブルク級戦艦


次級 カイザー・フリードリヒ3世級戦艦

性能諸元

排水量 常備:10,013トン

全長 115.7m

全幅 19.5m

吃水 7.8m

機関 海軍式石炭専焼円缶12基

+三気筒三段膨張式レシプロ機関

2基2軸推進

最大出力 9,698hp

最大速力 16ノット

航続距離 10ノット/4,500海里

14ノット/2,200海里

燃料 石炭:650トン(常備)、1,050トン(満載)

乗員 568名

兵装 40口径28cm連装砲2基

35口径28cm連装砲1基

35口径10.5cm単装速射砲6基

35口径8.8cm単装速射砲8基

37mm機砲12基

45cm水上魚雷発射管6基

装甲 舷側:300~400mm(水線部)

甲板:60mm(湾曲部)


前美濃級戦艦と言うよりは、前々美濃級戦艦に分類されるのがブランデンブルク級戦艦である。1890年度計画艦隊であり、完成したばかりの頃の富士級やアメリカの前美濃級戦艦のライバルと言えよう。

舷側装甲が分厚いのはクルップ鋼の前のハーベイ鋼だからだ。


1門は口径は落ちるが28cm砲を5門搭載しているのは凄いと言える。


このブランデンブルク級はスクラップとして売却され、日本が買った船である。砲塔の旋回方式はローラー式ではなく、ベアリング式なので、この時点でのドイツのベアリング技術がわかるのは美味しいと思える。


史実ではドイツが保持していたブランデンブルク級戦艦が売却されているのも、同じ頃のイギリス戦艦が売却されているのも欧州の雪解け状態を示している。

ちなみに見学にやって来たドイツ大使は全長700mの『天の鳥船2』号を見て

硬直していた。


だろうね。飛行船大国を自認していたドイツだけど、今、飛んでいるドイツの飛行船は小さいもんね。

日本の方が500mくらい大きいもんね。

なんせ、のちに建造されるグラーフツェッペリンですら、全長は260m級だし。

目の前のドイツの戦艦の全長は115mだもんね、、、


まぁ、ともかく、ブランデンブルクも

日本に来航した戦艦の仲間入りをしたと。

まぁ、錬金工場内で分解されて資源になるんだけどね。


この素材はミニビスマルク級戦艦の一部にしてあげようかな?

敬意を込めてね。


散歩しながら戦艦が見れるから、

横浜の地価が上がってんだよな。

アメリカの戦艦のどれかは、いつも港に居るしね。

土日も外海に遊びに出かけるから、

日本の戦艦達が全然見れないのは皮肉だよなぁ。

イギリスが売りに出したら、ドレッドノートを買おうかなぁ。


考えよう。


衝動買いできるくらいの金額だろうし。

金剛よりは安いだろうしね。



そして富士級戦艦の元になったと言われるロイヤル・サブリン級戦艦もスクラップになる事になり、日本に来航し

日本の戦艦ファンにお披露目される事になった。


排水量 常備:14,150トン

満載:15,580トン

全長 125.12m

全幅 22.86m

吃水 8.38m

機関 形式不明円缶8基+

垂直型三段膨張式レシプロ機関2基2軸推進

最大出力 11,000馬力

最大速力 17.5ノット

航続距離 10ノット/4,720海里

燃料 石炭:1,100トン

乗員 712名

兵装 アームストロング 34.3cm(30口径)連装砲2基

アームストロング 15.2cm(40口径)単装速射砲10基

アームストロング 5.7cm(40口径)単装速射砲16基


オチキス 4.7cm(43口径)単装機砲12基

45cm単装魚雷発射管7門

装甲(ニッケル鋼製) 舷側:356~457mm(水線最厚部)

甲板:76mm(水平部)、102mm(舷側傾斜部)

主砲バーベット:432mm(最厚部)

副砲防御:0mm(1904年:127mm)

司令塔:356mm(側盾)


1889年に発注が行われ、1892年からその翌々年にかけて続々と完成した。

ロイヤル・サブリン、エンプレス・オブ・インディア、ロイヤル・オーク、ラミリーズ、レパルス、レゾリューション、リヴェンジの7隻及び準同型艦フッドの合計8隻が就役した。1911年から1915年にかけてスクラップや標的艦となるなどして退役したのだが、買い取り先が無く、フッド以外の7隻全部が

日本に買われて解体される事になった。

軽量化の為、主砲が露砲塔な本艦は

戦闘に耐えれないと判断されたのだろう。

スクラップ価格で買えてラッキーである。


イギリスにせよドイツにせよ、

『建造する前に欠陥が見えてる戦艦を

量産かよ、、、』って戦艦がちらほら存在している。

主砲の砲塔の全周囲が装甲で覆われていないというのはドン引きである。


駄作の戦艦を量産ってのは笑えない。


完成時の富士の方が明らかに良い出来に見える。

排水量は少ないが。

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