125話目1911年になる前に。

さて、1911年だが、主人公達は知らないが史実の1910年には大変な大水害が

起きていた。

それが1910年(明治43年)8月に東日本の1府15県を襲った大水害である。梅雨前線と2つの台風が重なったことから豪雨により河川が氾濫し、関東だけで死者769人、行方不明者78人、家屋全壊・流出約5000戸を数え、東京府だけでも約150万人が被災する大惨事となった。

8月8日の時点で、「東海・関東・東北地方に豪雨、関東一帯が泥沼化し、長雨に続く記録的な集中豪雨で河川氾濫・土砂災害が続出、死者・行方不明者1357人、家屋全壊2765戸、流失3832戸に達した」という。


だが、この日本では何事も無く平穏だった。

台風自体が小さい時にフィリピンで消えているし。

梅雨自体普通だったので主人公達は気がついてもいない。


超巨大ゴーレムだが気象をコントロールし続けていたので気象操作レベル1の

スキルが芽生えていて、今では日本の気象も操作している。


今では人型ゴーレム達に昔の日本の災害の記録を調べさせて、土砂災害警戒区域をリストアップして、地滑りしそうな場所に触手を伸ばして地質改良も

しているほどである。

そしてダムを埋める土砂や港を埋める土砂を取り除いて現状を維持したり

している。


はっきり言って、主人公は昭和に入ってからはともかく、その前の時代の事はあまり覚えていない。


なので、

史実の1911年(明治44年)8月8日に発生した、現在の長野県北安曇郡小谷村にある稗田山が崩壊した災害も知らないのである。


稗田山崩れは1707年(宝永4年)に駿河国で起きた大谷崩れ、1858年(安政5年)に立山連峰で起きた鳶山崩れとともに、日本三大崩れのひとつとされる大災害だ。


稗田山はもともと崩壊の起きやすい地盤の地域で、小規模な崩壊や土石流はたびたび発生していた。


1か月前から音響が轟くといった予兆はあったと伝えられている。


崩壊に結びつく直接的な要因は不明であるが、崩壊の4日前に台風が通過し記録的な降雨があったとされている。

(その台風が来ていないのだから起きないのも当然か。)



1911年(明治44年)8月8日未明、稗田山頂北側斜面が長さ約3kmにわたり河床から300mの高さで大崩壊し、土砂が直下の金山沢と浦川本流を埋め死者26名の被害を出したという。


大量の土砂は崩壊地点から約6kmに及び最深部で100m以上の谷を埋めるに留まらず、姫川の合流点で堆積。長瀬湖という天然ダム湖を形成した。


このダムが湛水したことから急遽、地元住民らの手で排水路の設置による災害対策が講じられたが功を奏せず、一部が決壊した。

大量の土砂が流出し、糸魚川市の河口にまで被害が及び、姫川沿いの多くの家々が居住不能、田畑は耕作不能となり、周辺の海域で魚の大量死が発生した。

この結果、集団移転する集落や一家離散する家々が相次いだ。


崩壊地の面積は 180ha、崩壊土砂量は資料により差違があり2,300万メートル


あるいは1億5千万m3とされ、日本における20世紀最大級の土砂災害となった。

本災害によって、北小谷村役場があった来馬集落も壊滅し、役場は高台に移転した。


翌1912年(明治45年)の梅雨期にも天然ダムは再決壊したほか、翌年4月と5月にも再度の崩壊があり、復旧途上にあった地域経済にとどめを刺している、、、


なのだが、稗田山自体の地盤が危険だと超巨大ゴーレムは判断して地質改良した。

それが1911年の1月であり、ギリギリ間に合ったと言える。

まぁ、超巨大ゴーレムも主人公も史実でそんな大災害が起きたとは知らないのだが。(超巨大ゴーレムの予言、直感スキルも主人公の予言直感スキルも

1月時点で危険とは知らせてきていない。)


超巨大ゴーレムは砂防ダムの建設を進言し主人公は承認。


高さ5mの砂防ダムをとりあえず建設する。

いや、低いかな?と思った主人公は

7mほどの砂防ダムを1日で建設して

周辺住民を驚愕させるのだった。


この砂防ダムはトンネルで土砂を流すタイプの日本初の砂防ダムと言われるようになる。


異常土砂流出の際に堰堤部分が土砂を貯留し、短時間の間に下流に土砂が流出することを防止する効果がある。


このタイプの砂防ダムをニュースで見て知ってたから真似たのである。

スペックを詳しく知っていたら高さを

11mに増やしたかもしれない。


この土砂災害に備えた宇垣砂防ダムのニュースは大々的に報道されてしまい、主人公は全国から陳情された

土砂災害警戒区域に砂防ダムを建設する砂防ダム行脚の旅をする羽目になる。

ちなみにこれらの砂防ダム建設は、

宇垣財閥の寄贈や天皇陛下の恩賜予算で建設されており、人気取り政策であるが、牢獄の中の幸徳秋水達に対する

批判が強くなるのだった。


無理もない。

主人公は仙北平野東部の大開拓をして玉川温泉から流れ出る毒水を中和して田沢湖を救ったり(いや、計画では田沢湖への放流はなかったから田沢湖が危険だった事を住民も知らないが。)

三本木原の大開拓をしたり、各地に発電用のダムを建設したり、黒部ダム群や台湾の超巨大ダムを建設している。



偉大な明治天皇陛下を暗殺しようと計画したのだから、幸徳秋水らが批判されるのは当然である。

近代刑法では責任能力が無い人間には

罪を問わないという考えもあるが、

日本では罪を問うのは当然だと考えていて、それが常識になっている。



これらの明治末の大事業は対清、対米戦勝事業とも呼ばれるようになる。


(そういえば、史実の1910年の3月12日に暴風雪により、千葉県銚子市沖から茨城県鹿嶋市沖の鹿島灘にかけて、出漁中の漁船100隻以上が遭難し、900人以上が死亡という災害が起きていますが、超巨大ゴーレムが風を弱めているので、この災害も起きていません。

誰も気がついていません。)



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