114話目宇垣石油が有名石油会社より上の運搬力?
仕事に追われて昼飯を食べ損ねて、
やっと時間が空いたので、俺は自宅で天ぷらを揚げてもらい、天ぷら尽くし定食を食べていた。
江戸前天ぷらはゴマ油かもしれないが、俺は『ダンジョンこめ油』と『ダンジョンゴマ油』のブレンドが好きである。
やはり腕の良い天ぷら職人が揚げた天ぷらは美味い。
異世界に転移する前の人生の時だが、
家の近くの美味しい天ぷら屋さんに
通い詰めた思い出が蘇ってくる。
この油だが、ダンジョン米とダンジョンゴマをダンジョンの中で絞って作った贅沢な超高品質油を使用している。
ものすごく美味しい米を油を取る為に
絞るという、この罪悪感。
いや、絞りカスもダンジョン牛やダンジョン豚やダンジョン鶏が美味しく食べてるから、無駄にしてるわけじゃ無いからね。
そして、この超高品質油をダンジョンのドロップアイテムリスト入りさせ、
更に美味しくした油もあるのである。
これは特別な時に使おうと思って保存しているが、、、
そしてダンジョンドロップアイテムの中には『超高品質』な、エンジンオイルとか、ミッションオイルとか、ブレーキオイルとか、2サイクルエンジンオイルとかもリスト入りしている。
(これらは錬金工場で製造したものを
ダンジョンドロップアイテムに登録して1ランク上の品質にしたもの。
性能は良い。)
これらの能力はこれから試すところなのだが、レース用の高性能エンジン用とか、航空機のエンジン用として
活躍してくれそうだと思っている。
そういえば、イギリスの方から噂話が出て来たのだが、サウスカロライナ級戦艦の速度の遅さをなんとかできないかと、イギリスにドレッドノートの蒸気タービン機関を輸出してくれないかとアメリカからオファーがあったらしい。
確か史実でも、そんな話があったような気がする。
西海岸で原油や車を下ろして日本に帰国しようとしている宇垣艦隊と呼ばれている3万トンの自動車運搬船とタンカーだが、妙に速度が速い事にアメリカ海軍が気がついたらしい。
確かに、帰りなら18ノット以上の速度で航行したりもするだろう。
その18ノット以上で巡航する船達にアメリカがショックを受けたらしい。
なんせ、これらの船の排水量は3万2千トン。サウスカロライナ級戦艦の1万6000トンよりずっと大きいのだ。
しかも、アメリカで燃料を補給する様子も無く、ハワイの北を抜ける最短ルートで帰国しようとするのだ。
重油運搬船に戦艦が追いつけないなんて、そりゃあ許せないだろう。
しかも、自動車運搬船の方は鋼鉄やら
レールやら、各種スクラップを満載して運搬しているのに、その巡航速度だ。
そりゃあ、速度が遅いかもと思うわな。
重油運搬船の少なさを危惧したブライアン大統領は大型の重油運搬船を設計してくれと頼み、2万5000トン以上のタンカーを建造してほしいと造船会社に要請した。この当時のタンカーは5000トンとかそれ以下レベル。
アメリカの造船会社もそれ以上の大型タンカーの製造経験は無い。
16000トン以上の戦艦の製造経験も無い。
サウスカロライナ級戦艦の後に作る戦艦の設計も開始したらしい。
さて、アメリカ海軍はどんな戦艦を
設計するのかな、、、
史実のシェル石油もこの世界のロイヤル・ダッチ石油もジャカルタ、シンガポール、バンコク、サイゴン、香港、上海、神戸に設備を準備して重油運搬網を整備、ガソリン、灯油、軽油、重油の販売網を作っています。
シェル石油がロイヤル・ダッチ石油と合併した1907年の時点では、アメリカのスタンダード・オイルが4隻の蒸気推進タンカーと16隻の帆走タンカー(見た目は帆船そのものです。)を所有していましたが、シェルは34隻の蒸気推進タンカーを所有していました。
これらの蒸気推進タンカーですが、小型の5000トンクラスのものも多いです。
3万トンもの巨大な高速タンカーを8隻以上も持っている宇垣石油は世界1の石油運搬能力を持っています。
1910年時点ではスタンダード石油やロイヤルダッチシェル石油より上です。
主人公は銃弾の品質も向上させるつもりで6.5mmx50SR小銃弾をダンジョンドロップアイテムに指定しました。
この弾丸はダイナミックバランサーによって計測されましたが、重量に偏りが全く無い素晴らしい弾丸でした。
レーザーで精密測定にかけても、
重量バランスだけで無く、形も完全に真円な弾丸です。そして、その“完全な弾丸”を撃ち出す狙撃用とも言える銃弾を主人公は正式採用しました。
この6.5mmx50SR小銃弾は『6.5mmx50SR・mark1』弾と命名されます。この銃弾から日本の小銃弾の
革命が始まります。
日本軍兵士は『病気耐性スキル』のせいか、視力も高い兵士が多めで、無風状態での300m先のターゲットでの誤差が1cm以内という高品質銃弾と高品質ライフルの相乗効果で500m先の敵兵に対しても命中を期待させる事が簡単にできてしまいました。
500mも離れて伏せているのに日本の兵士の小銃の射撃はヘルメットにかすったり至近距離を飛ぶので頭を上げる事が全然できなかった。とのちに某国軍の兵士は言い残します。
日本の兵士は思い通りの場所に命中するのが楽しいので、益々よく狙って撃つようになります。
この『6.5mmx50SR・mark1』銃弾は
ターゲット射撃競技に使えるほど、
高品質なので陸軍が狂喜乱舞します。
風速2m以内なら、ほとんど左右にずれない、横風の影響を受けにくい高初速銃弾なので500m先のターゲットをそのまま狙えるというのは凄いですよね。
(ただ、高品質ではありますが、
反動の軽さを変えずに、これ以上を目指すのは限界かもしれません。)
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