105話目打ちのめされるフォードさん下。

ヘンリーフォードは更に打ちのめされていた。


ランサーに許可をもらいマーク1を

分解し始めたのだが、車体フレームの内外、ボディの内外、フロントグリルの内側などにもメッキが施されている。クランクシャフトやベアリングもそうだ。細部に至るまで芸術的な作りをしている。

なるほど。

金持ち向けの超高級自動車とは、こうなのかと納得ができた。

そして、そんな車を量産するのかと思うと魂が抜けそうになるのだった。


未来の事なのですが、宇垣マーク1は

大切に乗られる事も多く、現存数が多い事でも知られます。

100年後の2009年の東京から横浜までの大パレードでも数百台のマーク1が

集まりました。


天皇家でもマーク1は長く使われ続けます。


この時代、金持ち向けの超高級自動車はありましたが、1番デザインが洗練されていて、美しいのが宇垣マーク1でした。特にデザインは飛び抜けて美しかったと言っていいでしょう。


その他の超高級自動車と並べると、

他の超高級自動車は『エンジン付きの

超高級『馬車』』であり、この時点で超高級自動車は宇垣のマーク1だけだと言っても過言ではないでしょう。


自動車の世界の新型戦艦であり、

美濃ショックのような衝撃だったとも

言われるようになります。


なんせ宇垣マーク1はメッキパーツ好きの車マニアが大金をかけて改造しきった、1930年代の高級車のような車です。錬金工場で製造しているからボロ儲けですが、そうでなければ赤字を疑われるほどに凝った作りをしています。


そして、このマーク1の生産の経験が

フォード自動車やダイムラー自動車や

ゼネラルモータースを成長させたと

言われるようになります。


そしてそれらの企業が株式上場したら、莫大な金を宇垣グループが手に入れる事に、、、


ゴーレムの中に錬金工場スキル(小)を持つゴーレムが増えたのも収穫でした。


1台1台を錬金工場(小)でチェックすることができるので主人公の手間が大幅に減りました。

6ヶ月点検のたびにオーバーホールも可能です。


あれ?、全世界の自動車ユーザー様にこのサービス体制が『普通』だと思われたら他の高級自動車販売会社は、

えらい事になるんじゃあ、、、

防汚魔法コーティングや浄化魔法、

劣化防止魔法や保存魔法が使えるのはうちだけだし。


お金持ちの皆様がマーク1を気に入られて、マーク1を2台、3台とお買い上げになられているヘビーユーザー様が増えています。

量産しても一切値段は下げていないし、オーバーホール代金や費用もちゃんと請求しているのに顧客様満足度が

凄く高くて心を掴んでる、、、


マーク1と同じ革の本革ソファー、

スライド変形型ソファーベッドも家の中でマーク1に乗れるようだと大人気です。


こうなったら金持ちユーザーの心を鷲掴みだ。

事前にユーザー情報を収集して、

ステラーカイギュウコート、ブーツ、

手袋、超高級シルクのマフラー、超高級シルクのシャツやパジャマもマーク1ユーザーの家族限定で大販売しました。

ダンジョン湧水のミネラルウォーターもユーザー家族限定で販売だ。

世界中の金持ちの心を掴んでやる。


こうして欧州、南北アメリカ大陸、インドなどのお金持ちユーザーの心を掴み、全世界的に宇垣ブランドユーザーを増やしてしまいました。

そして、超高級シルクのストッキングの限定販売も開始するのだった。


うわぁ、ネルソン・ロックフェラーさんやJ P モルガンさんもヘビーユーザーになってる、、、

全米の銀行の頭取達が集まる会合に

宇垣マーク1がずらりと並んでる〜

マジかよ、、、

ロスチャイルド様もヘビーユーザーとは、、、宇垣商事頑張れ!儲けるチャンスやぞ。


超大金持ちの皆様から本場の日本の工場で生産したマーク1が欲しいと言われたのでマーク1運搬フェリー船、基準排水量3万2千トンの高尾丸達を建造しちゃいました。

もちろん、国際特許も取りました。フェリー機構とか。

港に直に着けてマーク1を自走させて

効率良く下船させます。

基準排水量がアメリカの新型戦艦の

サウスカロライナ級戦艦のちょうど2倍なのは嫌味ですよ(笑)


このフェリー船って強襲揚陸艦にもなるよな。

さすがに重戦車になると20両を輸送するのが精一杯かもしれないけど。

機械化連隊を運べるな。


まぁ、出番は先だろうが。


マーク1の製造はかなり手間がかかります。フォードさんは丁寧にマーク1を製造している様子を観察して改善点を見つけ出していっていました。


マーク1の製造にかかりっきりになってる内に、自分では良いと思っていた

初期型フォード自動車がダメなのでは

ないかと思えてきてしまいました。

ギアは最低でも3速は必要だし、セルモーターも必要だし、安全ベルトや安全ガラスも、、、

と、いうわけで、初期型フォードの量産はせずに、中期型T型フォードに近い車を950ドルで販売し始めます。

1910年6月にT型フォード(改良モデル)は発売を開始しました。

90%の生産ラインでマーク1を製造して、10%の製造ラインでT型フォードの量産を開始します。

ここからの数年間はマーク1の製造で

食い繋ぐ事になる、フォードにとって

雌伏の数年間になるのでした。

それはゼネラルモータースも同じでした。

一方のドイツのダイムラー社は資金を蓄えつつ工場の建設計画を練っていました。

マーク1に似ているデザインで大衆車を製造できないか試作に試作を重ねていました。

それはゼネラルモータースも同じでした。

憧れの自動車になっているマーク1を

似ているデザインでいかに量産してコストダウンするかを検討していました。


この辺は3社とも手探り状態で丁寧に

マーク1を製造しています。

なにせ超高級自動車の製造は難しいので、、、


日本のマーク1や125しか売れていない状況です。

現時点ではモータリゼーション時代が

やって来たばかりと言えそうです。

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