88話目『対米同率関税法』制定。

アメリカの高関税政策への欧州各国の

怒りはかなりのものだったようですね。

イギリスとドイツで同時に『対米同率関税法』が成立し、ほぼ同時にスペイン、ポルトガル、ベルギー、オランダ、フランス、イタリア、オーストリアハンガリー帝国、スイス、スウェーデン、デンマーク、ロシアなどの欧州各国が続々と『対米同率関税法』を成立させて行きました。

もちろん日本もイギリスと同時に『対米同率関税法』を成立させて発表しました。アメリカに限り関税を同率の高関税にしました。

南米のブラジル、アルゼンチン、チリや

フィリピン&サンボアンガやインドなどの国々も次々と関税を同率に上げていきます。

本来ならアメリカが請け負っていたかもしれない軍艦の注文もイギリスやドイツやフランスやイタリアに注文が押し寄せている様子です。


どうやら外交的に言えば、

『いくらなんでもアメリカは関税を高くし過ぎだろ!、いい加減に世界水準レベルに下げろ!』と各国は言いたい様子ですね。

57%もの関税を多少は下げるなりなんなりして外交上のサインを出すのが普通なんですけど、、、

マジでアメリカの動きは鈍いんですよ。

『えっ?、アメリカとの外交不和の原因は関税だよね?関税を25%下げるとか、何もやって来ないの?

なんで和解しようという外交的サインを何も出さないの?』

と各国が不思議に思っていますよ。


高関税法案を出したマッキンリーが大統領ならともかく、マッキンリーは暗殺されたし、副大統領から昇格したルーズベルトは退任したし、今は民主党のブライアン大統領だろ?

と諸外国も思っています。

ですが、その頃のアメリカでは、、、

急速に不況になりつつありました。


いや、高関税にしたマイナスの影響が

一気に噴出したって感じです。

日本も輸出向けの生糸を宇垣グループが全部買って高級シルク生地にして欧州向けに販売する様にしましたしね。


あまり量は取れませんがより細く品質の良い蚕もダンジョン内で魔物化させ

ゴーレム達が更なる最高級シルク製品にすべく量産を開始しました。

このシルクは『シルクの女王』と呼ばれ高級ブランドに取り合いされるほどになります。高級ブランドバッグなら

内張りの布はこれでなきゃと呼ばれるほどに。

数が少ない為、偽造防止にも役に立ちます。美しさも手触りも全然違いますからね。


アメリカで日本の高級生糸、シルク製品を使っていたメーカーは大打撃を受けます。

高級ブランドとしての価値が落ちましたからね。

欧州メーカーよりも低く見られたのは

致命的でした。

まぁ、日本から買えたとして輸出入の関税で大変なんですけど。


あれ? これから世界大恐慌までがアメリカの黄金期のはずなのに大違いに

なってる。


欧州や日本は好景気なのに。


やはり、アメリカが延々と建造し続けてきた19隻もの戦艦と10隻の装甲巡洋艦を失ったのは大きかったですね。

人材の方も未来のアメリカ海軍の幹部クラスがごっそりと戦死してますし。


実はアメリカ海軍と海兵隊はパニックになっているんですよ。

人材不足パニックです。

80%もの人材が失われたら、そうなりますって。

今のアメリカ軍艦は新米水兵の訓練船になっています。


これから完成する軍艦の乗組員は

どうするんですかね?


その上、国庫の方も酷い事になってます。文句を言いながらも物を買ったり売ってくれていた世界の国々がマジでアメリカから物を買わなくなったのですから。


アメリカ外しをしたせいで欧州や日本は好景気に。

アメリカの景気は急降下しています。

そうしてアメリカ政府が迷っている間にも他国の企業はアメリカ外しシフトを推進して行きます。

そして、アメリカが外国から物を買いたくても高い関税でとんでもない値段に、、、

アメリカ企業の株価が大暴落していきます。

宇垣グループとしては空売りで大儲けしていますが、まるで世界大恐慌の時のような下り方に恐怖心すら感じましたよ。

軍艦を建造している建造メーカーすら

大暴落してるんだもん。


一体アメリカはどうなるんですかね?


超巨大ゴーレムですが着実に前進し

アメリカの70%近くの地下資源を手に入れています。

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