86話目明治天皇陛下の宣言の余波。
明治天皇陛下の国民皆保険制度宣言は
全世界に伝わって大きな衝撃で広がった。
日本でもそれほど頻発してはいないが
小作争議があったり、労働争議が起きている時代である。
例えばアメリカでも、それほど知られてはいないが不況の時代が長く続き、州知事に仲裁を求めるような労働争議は多発していた。
そんな中での明治天皇陛下の国民皆保険制度導入宣言である。
アメリカでも、子どもが病気なのなら、少しは助けてもらえないだろうか?と言う声は徐々に大きくなって行った。
そして、ここでワシントンポストが不人気な前大統領のセオドア・ルーズベルトの経歴に疑問を投げかける。
何故、大学を卒業したばかりの若者が
議員に立候補なんかするのか?と。
海軍次官になれたのは何故なのか?と。
警察の腐敗を追求していたが、実は
造船メーカーと癒着していて親密な関係だったのではないのかと。
そして、大統領時代に議会に独断で世界一周を決め、日本に襲いかかったのは、何故なのか?と。
ルーズベルト元大統領が副大統領だった時代から退任するまでの間に建造した海軍予算は軽く1億ドルを超える。
敗北の賠償金も入れると2億ドルを超える金額が失われているのだ。
(この金額は低い見積もり。海軍予算と建造費用で軽く2億ドルを超えている。)
そして、ハワイ王国が滅ぼされた時に
厳重な抗議をした日本は圧倒的に有利な状態に居るのにハワイに近寄りもしていないし、イギリスやドイツもアメリカに対して何もしてこない。
何故、アメリカは大艦隊を建造しなければいけないと思い込んでいるのか?
多くのアメリカ国民の命を助ける事になる国民皆保険制度の導入を考えるべきなのではないか?
と言う社説を掲載したのだ。
ここから全米の新聞は大キャンペーンを行う。
すなわち、『国民皆保険制度を導入せよ!』である。
全米で新聞記者は精力的に動き始めた。
上院、下院、州知事に対して『国民皆保険制度』に賛成なのか反対なのかと
問い詰めたのである。
忘れてはいけないのは、現在のアメリカ合衆国大統領のウィリアム・ジェニングス・ブライアン大統領は東部の資本家を攻撃している人物だと言う事だ。左派の人民党が支持基盤であり、
反帝国主義者。
一般のアメリカ国民や農民を助けようとしてきた人物である。
彼は水を得た魚のようになり、上下両院の議員達を説得して国民皆保険制度の導入に全力で挑み始めた。
そして新聞もブライアン大統領を後押しし始める。
『東部の資本家は一般のアメリカ国民の事なんか奴隷とでも思っているんだろう!』と東部の資本家や東部の名家の出のルーズベルトの事を攻撃し始めるのだった。
南北戦争の体験者は大勢が生き残っている。
東部の連中は我々の税金を好き勝手に
浪費していて、子どもの命すら助けようとしない悪魔のような連中だと、
思い始める人達が増え始めるのだった。
密かに燻っていた火種が燃え始めました。
南北戦争時代の南部側の州では、銃を
持つ人が増え始めます。
故郷を焼け野原にされた恨みは
やはり忘れられる物ではなさそうですね。
地域の分断が始まりました。
果たしてアメリカはどうなるのですかね。
これからゴーレム達は徹底的にネガティブキャンペーンをします。
セオドア・ルーズベルトは造船メーカーや海軍と癒着したズブズブの利権政治屋で政治屋になれたのも軍需産業の
手厚い支援のおかげ、、、
海軍次官になれたのも軍需産業の推薦のおかげ、、、
副大統領に選ばれたのもそうだ。と、
言われるように、、、
彼ら軍需産業こそが国家を蝕んでいると批判される事になります。
そして、アメリカの帝国主義的行動の裏側には彼らの意思があると、、、
日本に負けたのは計算違いですが、
造船メーカーはサウスカロライナ級戦艦を大量に建造できて潤ってますから
ね。
そして、新聞記者の中には、国民皆保険に反対する政治家の事を『子ども殺し』とレッテル張りする記者も出てきます。
竣工する戦艦は夥しい子どもの犠牲の
血で濡れているとイラストを載せる新聞も、、、
ブライアン大統領は国民皆保険制度を
導入できるのでしょうかね。
大統領選挙も上下両院議員の選挙も
州知事選挙もすべてにおいて、国民皆保険制度に賛成か反対かが焦点にされるようになります。
共和党ですがウィリアム・タフト氏は
アメリカ国民の為になる国民皆保険制度に賛成すると宣言します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます