84話目手榴弾開発と三八式騎兵銃
陸軍の手榴弾開発は史実の日露戦争( 1904年から1905年明治37年)時に開発され、使用されたと言われているが、名前が定かではない。旅順での175高地で使われたとも言われている。
史実の日本陸軍はライフルグレネードに強い興味を示し、小型手榴弾よりも大きなグレネードを欧州の軍隊よりも遠くに飛ばそうと思ったのだが、発射の反動で三八式歩兵銃の命中制度が悪化するかもしれないと苦慮する。
(実際試してみると三八式歩兵銃の銃身が歪み命中制度は酷くなった。)
ここで、専用の榴弾発射機を開発して
生まれたのが史実の大正10年式擲弾筒である。(1921年)
もちろん別口ですでに三七式重擲弾筒が開発済みなので、日本は70mm以下の小口径の迫撃砲もライフルグレネードも開発するつもりは無い。
だが、手榴弾だけは開発しておこうと
は思っていた。
宇垣昌弘は未来の手榴弾のスタンダードになる『フライオフ・レバー型点火式手榴弾』を開発する。
TNT爆薬55gを充填しており、危害半径は6mほどで、レバーを握りながら持ち、安全ピンを抜いて投げると投げた瞬間にレバーが飛んで内部の遅延信管に引火する。おおよそ5秒後に爆発する
様になっている。
これが爆発威力を抑えた防御型手榴弾である。
そして攻撃用は三七式重擲弾筒がある。
防御用手榴弾はこの1908年(明治41年)41式手榴弾が使われ続ける事になる。
そして、三七式重擲弾筒だが敵兵が密集している場合とかだと水平に近い角度で発射する裏技もある。
敵兵の誰かに直撃すると、そこで爆発して、かなり悲惨な事になるのは想像できるだろう。
主にこの2つで日本陸軍は戦う事になる。
(実は日本の手榴弾開発は予算や時間やコストを無駄にした開発ばかりなのだ。
史実の八九式重擲弾筒のような大成功例がある一方で手榴弾に関しては失敗ばかりというのが史実の日本の陸軍の手榴弾開発なのだ。
開発前に議論を徹底して行う事で
無駄を省くのがこれからの日本の課題になるだろう。
なお、ドイツ兵の使っていたポテトスマッシャー手榴弾は開発するかもしれない。短い柄が付いた類似の手榴弾を
史実の日本では採用しているし。
(史実の九八式柄付手榴弾の甲と乙。
敏感で安定性に不安があるが大量生産できるピクリン酸を炸薬に使用している。TNT火薬の製造過程で出て大量に余っている余剰材料のピクリン酸の
廃物利用品。)
もちろん、ピクリン酸は錬金工場でTNT炸薬に変えられるので宇垣化学は
TNT炸薬を大量製造できるから、
安定性に問題がある物などは製造しない。
以前に日本の陸軍の小隊は重擲弾筒分隊2つと軽機関銃分隊1つによって編成されていると言ったが、編成が変更される事になった。
と、いうのも宇垣モデルの大型リヤカーの搭載重量は380kgもある。
(昭和のリヤカーの未舗装道路での搭載量も同程度搭載できるから、余裕を残しての数字。)
その上、小隊随伴補給小隊には50台もリヤカーがあるので、マキシム重機関銃を4丁装備する事に決定したのだ。
3個分隊が全部重機関銃分隊になり、1丁は予備になる。
歩兵小隊に重機関銃が4丁も装備され、
小型迫撃砲である三七式重擲弾筒が50門も装備されている重武装小隊なんて何処の列強も持っていない。
そして、大量に武器弾薬を持ち歩くのであった。
(と、いうよりも徒歩で移動する一般の歩兵の持っている弾薬の量が少な過ぎだと主人公は感じたのだ。
小隊の人数だと40名ほどなので大量に武器と弾薬を持ち歩かせて、敵の小隊と戦闘しても、すぐに勝利して戦い続けられる小隊にすればいいのでは?と
思ったのだ。
史実の大戦末期になると小銃すら在庫が無くなり、米英から捕獲した小銃を
歩兵に装備させたりしていたからなぁ、、、大違いである。)
更にゴーレム達なら超巨大ゴーレムによる索敵や魔法による索敵で敵の察知を遠距離から行う事ができます。
魔力による念話と使い魔ネットワークにより、他のゴーレム部隊と連絡、連携もできます。
小隊なのに史実の連隊のような攻撃力を発揮するのが日本陸軍なのです。
(重擲弾筒の火力に限り。)
後、重機関銃を2丁以上装備するのは
史実の中国戦線での教訓を活かしました。2丁の重機関銃に弾薬がある限り、敵兵を近寄らせない事ができます。
そうして敵兵を動けなくしたら、重擲弾が敵兵に向かって降り注ぐってわけですね。
50台のリヤカーを引っ張るバイクがあれば、リヤカーに小隊の人間を乗せて
高速移動する事も可能です。
さて、陸軍さんの出番はいつですかね。
頑丈に作られたリヤカーで、舗装路移動なら1トンの物を運ぶ事が可能です。
つまり、未舗装の悪路であっても
交代交代で土魔法の地面錬成で短期間で地面を修復しつつ進撃する。なんて事が可能になりますからねぇ。
そして宇垣二輪車ではリヤカーに合体させる簡易機動車が開発されていました。125ccのローコスト型一輪車で、
リヤカーに合体させる事が前提な一輪車です。
これで歩兵小隊は機動歩兵小隊になります。徒歩移動とは比べ物にならない
移動ができる様になります。
簡易機動車が故障しても荷台に積んで、そのリヤカーは他のリヤカーに引っ張らせて移動が可能です。
荷物を満載したリヤカーを2両くらいなら引っ張れますから。
それと、三八式歩兵銃ですが地道に改良が行われています。
主人公は『明治の小銃だし、こんなもんか』と思っていたのですが、やはり
現代型ボルトアクションライフルと比べると違和感を感じます。
それで全長(銃身)を31cm短くして
800gほど軽量化できた三八式騎兵銃を正式採用する事にしました。
そして、6.5mmx50SR弾丸も弾丸がボートテイル型に改善され、先端が軽量になり、歩兵に対する殺傷能力が強化され、装薬も遅燃焼装薬型に変えられています。
陸海軍の持っているすべての三八式歩兵銃と弾薬、重機関銃と弾薬が回収され、改良型に変えられるのでした。
これにより、主人公の錬金工場で更にバージョンアップされた三八式騎兵銃と重機関銃は無故障銃と高く評価され、兵士から喜ばれます。
この三八式騎兵銃ですがレミントンのM700ライフルを参考にして改良した
モデルなので史実の物とはかなり違っていると思いますね。
外見は似ていてもボルトアクションの機関部の構造が良くなっています。
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