79話目関門海峡トンネル作っちゃうよ。
関門海峡は本州と九州の間で1番狭い海峡です。
ここを船に乗り換えて乗客や貨物は渡っていたものの、ここは船の通行量も多く海峡間を横切る移動は困難でした。
海峡の下にトンネルを掘れないものか?と宇垣建設に打診があったのは
難工事で知られた黒部にあっという間に巨大ダムを建設したからでした。
確かに、高度経済成長中な日本だから、関門海峡トンネルが望まれるのも
無理はありません。
なお、トンネルの断面は馬蹄形の断面で、半径2.6メートルの半円でレールの軌条面での幅は3.5メートル欲しいらしいです。
宇垣建設側はトンネル予定場所の調査費用に100万円を要求しました。
これにはシールド工法用のシールドマシンの開発費用や試掘トンネルの試掘
費用も込みです。
関門海峡トンネルプロジェクトを進める初期費用としては激安な金額です。
単線用のトンネルの掘削には低く見積もっても1500万円はかかるだろう。
1908年に建設するのだから宇垣建設以外では建設は困難を極めるでしょうし、他ではできないでしょう。
ちなみに、史実の建設開始は1936年(昭和11年)9月19日であり、
開通は1942年(昭和17年)7月1日(下り線)1944年(昭和19年)8月8日(上り線)である。
単線のトンネルを2本掘ったわけだ。
全長は
3,604m(上り線)
3,614m(下り線)
軌道数は2(単線トンネル2本)
軌間(レールの幅)1,067 mm
電化の有無
有 (直流1,500 V架空電車線方式)
最高部
1.8 m(下り線)、0.75 m(上り線)
最低部
-36.39 m(下り線)、-38.4 m(上り線)
勾配
20パーミル(下り線)、25パーミル(上り線)である。
(関門間を通過する貨物輸送は、
埠頭に引き込んだ貨物線に貨車を入れ、貨車から貨物を取り出して艀に積み替え、対岸へ艀を曳航して、再び貨車へ貨物を積み込む作業で行われており、積み替えの荷役費や荷造費が多額に上っていた。)
(ゴーレム達が沖仲仕を仕切るまでは貨物の破損などの損害も多額だった。)
(史実なら、下関で海運業を営んでいた宮本高次という人物が若いころにアメリカで鉄道の貨車を船に搭載して運ぶ「貨車航送」の様子を見たことがあり、山陽鉄道およびその後継の国有鉄道に出願し、宮本が請け負って貨車航送を行う事になる。)
(貨車航送では、貨車をそのまま船に搭載して対岸に渡すため、貨物の積み替えに伴う損害から解放され、積み替えの都合上取り扱いが制限されていた長尺物・石炭・砂利も取り扱えるようになり、連絡時間も大幅に短縮されることになる。)
史実だと1911年(明治44年)3月1日から日本で最初の貨車航送が開始される事になるが、宇垣海運が1905年に提案し即座に貨車輸送船の『門司丸』を
竣工させた。その後、これらの貨車輸送船は20隻が発注され建造される事になる。
関門海峡トンネルはまず予定地の地盤がどんな物なのかダイナマイトを爆発させ、地中をどんな風に地震波が流れるかで調査する。
海上から試掘をして確認もする。
そして試掘トンネルを掘り進める。
この試掘トンネルは本トンネルが浸水した場合の排水用にもなるわけだ。
後に道路用だったり、新幹線用に掘られるトンネルはすべてが別の場所であるだけに、こちらのトンネルは魔法でやりたい放題にやらせてもらおうと思う。
俺は海に自家用ホテルシップを停泊させ、そこで従業員の休憩所兼発電した電気をトンネルの工事現場に送る事にした。
本来の関門トンネルなら、浸水してこないようにトンネル内に空気ポンプで空気を送り込み、高い気圧にして浸水を防止しながらダイナマイトで掘り進めていきます。
海峡部分の軟弱な地盤の場所となるとシールド工法で掘り進めていったり、浸水の酷い場所は一旦コンクリートで壁を作って密閉して、向こう側にコンクリートを流し込んで、固めてから掘り進めたりもしている。
(内部の気圧が高いためコンクリートは軟弱地盤内を浸透しながら固まる。)
俺はマスター権限を使用して地下500mの超巨大ゴーレムから触手を伸ばさせて試掘トンネルの場所に触手を伸ばして土魔法で掘り進めて行く。
向こう側まで貫通させたら、土魔法を使ってまわりの土を強固な岩に変性させ、圧縮する。
この試掘トンネルは、本トンネルより深い場所を通っている。
本トンネルは海峡の中央地点あたりが1番深い場所だが、試掘トンネルはその最深部が1番高い場所であり、本州側と九州側の縦穴の部分が1番深い場所に
なっており、その縦穴部分から浸水した水を汲み上げるようになっており、勾配が付けられている。縦穴の深さは45mであり、試掘トンネルは直径2.5mの円形である。
この縦穴だが直径5mほどにした。
史実では45m付近から海峡中央部に向けて掘り進めているので史実通りにした。
すでに土魔法で側壁は固めてあるのだが、他の人が安心できるように厚さ50cmのコンクリートで更に側壁を固めていく。
コンクリートも土魔法で強化しているので、かなり強固だ。
ここまで半日というより数時間で完成した。
で、こちら側の縦穴の底に触手を残して、ゴーレムに番人をさせ、向こう岸のホテルシップに転移する。
向こう岸でも45mの縦穴を掘り下げ、
同じ様にコンクリートで固めた。
一応、ゴーレム達は24時間体制で作業するふりをするが、今日はこれで終わりにしよう。後は向こう側と触手を土魔法で繋げる簡単な作業だ。
翌日、1800m先が1番高くなるようにトンネルを掘り進めて行く。
1000m掘って7m上がるって感じだろうか、、、難しいな。
100m掘って70cmなので7パーミル。
まぁ、練習のつもりで頑張るか。
普通なら1年はかかる試掘トンネルが
すぐに完成するんだからいいだろ。
と、いうわけで、おおよそ2日で試掘トンネルは開通したが、ゴーレム達は
トロッコを走らせる為の61cmのレールを土魔法を使いながら敷設していく。
こちらはゴーレム達に任せて俺は本トンネルの入り口に向かう。
本トンネルの勾配だが20パーミル〜25パーミルが望ましいと言われた。
すなわち1000メートル掘った時に20メートル深度が深くなるというわけだ。
500メートル掘って10メートル深くなる。50メートル掘って1メートル深くなると20パーミルの勾配というわけだ。
はぁ〜頭が痛い、、、
水平に掘ればいいだけならちゃちゃっとお手軽に掘れるんだが、、、
まぁ、向こう側のトンネル入り口にもゴーレムがマーカーを持ってるし、
ここからおおよそ1800mを掘って、試掘トンネルの中央部の上、10mあたりに向けて掘ればいいだけである。
超巨大ゴーレムの触手はするすると伸びてトンネルを掘っていく。
人間の腕くらいの太さの触手であるが、土魔法を使うと岩だろうが土だろうが掘るのは簡単だ。1分もあれば100mほどに伸びていく。
僅か10分で1000m先である。
中間地点の1800m先まで18分しかかかっていない。
俺は転移して向こう側の入り口に行った。
そこで触手を伸ばして向こう側と同じ様に中間地点の触手の先端に向けてこちらの触手を伸ばしていく。
こちらは目指す場所が探知できるので
進みも早い。16分くらいで触手の先端とくっつける事ができた。
この繋げた触手を床は水平にしつつ直径6mの円形にすればいいのだが、その前にやる事がある。
トンネルをより強固に圧縮するにはゴーレムの板で上から押さえる必要がある。
一応は海底は偽装したい為、海底の2m下を軽く湾曲させた幅10mほどのゴーレム腕を伸ばしていく。
時間は1時間くらいでゴーレム腕を上から被せる事ができた。
上から岩石錬成圧縮魔法をかけつつ、
トンネルの触手からも岩石錬成圧縮魔法をかけつつ徐々に太くしていく。
『ふぅ〜』
かなり魔力は使用したが触手を直径6mにして、トンネルを囲むように周囲を土魔法でかなり強固な岩盤にできた。
あっという間に本トンネルが掘れてしまったな。
天井の板状のゴーレム腕はそのままにして、本トンネルの触手を細くして見えないように隠した。
後は浸水しないかチェックしつつ、
レールを敷いて、排水トンネルまで排水穴を開けてか、、、
ここまで1週間もかかっていないが、
どうやって説明するべきかな、、、
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