69話目対米戦勝に大騒ぎな日本。
さて、少し時間は戻りますが、
対米戦勝後に戦艦は修復しなきゃなので故郷に帰った海軍軍人はモテにモテて、故郷で評判の美人との縁談が来て結婚になった軍人も多く出ました。
しかも軍からは戦勝報奨金も振り込まれてくるので、良い休日を過ごしました。(薩摩は大急ぎでロンドンへ急行中。だが、乗組員は各地の港でモテモテ。)
もちろん戦勝に日本は大騒ぎで各地で祭りになり、あの黒船のペルリのアメリカ艦隊に日本が勝つなんてと大勢の老人が涙しました。
なんせ幕末期にはイギリスや各国連合艦隊にボコボコにされましたからねえ。特に薩長は。
ちょっと前の日清戦争の時は、「定遠」らの装甲艦2隻、巡洋艦8隻、砲艦12隻を持つ清国の北洋艦隊に勝てるのか?って言ってた、戦艦を持ってなかった日本海軍が、清国海軍を全滅させ日清戦争に勝利して、
戦艦富士を量産するようになって、
新型戦艦『美濃』を建造できるほどになって、
富士を改装して準美濃級戦艦になって、世界の最強戦艦ランキングの上位を日本の戦艦が独占するほどになって、
美濃級の越後、甲斐が竣工して、
高速戦艦の薩摩が竣工して、
アメリカ艦隊に勝利ですからねえ、、、
そりゃあ日本国民は嬉しいですよね。
世界第3位の海軍国になり、立派な列強国入りですもんね。
それに、幕末からの懸念だった不平等条約の改正もでき、ようやく平等になれましたし。
散々苦労した陸奥さんや伊藤さん、
日本の政治家や外交官の苦労はどれほどだったか、、、
すべての国を納得させないと条約を改正できない不平等条約ですからね。
本当にあれは酷い条約でしたよ。
欧州各国は好意的でしたが、アメリカだけが障害になっていたんですよ。
(この世界では。)
(いや、史実もですけど。)
高い関税を勝手にかけるマッキンリー法の制定が1890年で、それから18年が経過してますからね。
それを踏まえて見てくださいよ。
アメリカの酷さがわかるでしょ?
日本国民はまだ、実感していませんが、スペインに行って日本人だと言ったら、大歓迎されますよ。
フィリピンでもそうです。
そういう尊敬される国になりつつあるんですよ日本は。
スペインには特にお得価格でアメリカの戦艦を売りましたからね。
日本人気は爆上がりです。
このスペイン系住民の日本好きは、
これからの日本を凄く助けてくれるんですよ。なんせ新大陸にはスペイン系の住民は多いですからね。
一度、アメリカ艦隊を全滅させて、アメリカの軍事力をかなり少なくさせた事を歓迎してくれる国や民族は多いのですよ。
特にアメリカに侵略され、奪われるかもと不安に思っていた国や国民にはね。
ベルギーやオランダもそうなんですが、アメリカの大西洋艦隊が全滅してアメリカが何処かを侵略したくてもできない状況になって初めて、『訓練して戦力化するまでの時間も含めると
数年間はアメリカの侵略に悩まなくていい!!』って期間が居心地が良い事に気がついたんですよ。
(サウスカロライナ級戦艦が完成し始めるのは1910年代。)
言わば、今の日本の場合だと中華○民共和国の艦隊が全滅するようなものと
言えばわかるでしょうか?
空母を1から建造するなんて難易度が
高いし、安心できる時間はかなり長いでしょう。
アメリカ艦隊の再建が遅れてほしいと
願う国は、そりゃあ増えますよ。
メキシコだってそうです。
日本は大人気です。
親日国、親日な民族が増えたのは大きな収穫になりました。
欧州の他の国にも親日派は増えています。
侵略国家のアメリカを太平洋側から
牽制してくれる大切な国ですからね。
(更にロシアもアジア側から牽制してくれる国ですし。)
反米、反ロの国では日本は大人気になりつつあります。
欧州を歴訪した薩摩の乗組員や、
世界各国に駐在している日本の外交官達はそれを実感しています。
素晴らしいですね。
さて、時間を今に戻します。
富士級戦艦3隻を改装して連装砲塔4基8門搭載の高速戦艦化したと発表したのには全世界が驚きました。
これで日本には美濃級戦艦が3隻、
薩摩級戦艦が1隻、やがては富士改級高速戦艦が7隻できる事になります。30.5cm砲を8門搭載する戦艦が11隻です。
艦形を更に洗練させて薩摩に近い排水量になった富士改が7隻になるってのは
大きいですよ。
これにアメリカはパニックになります。
薩摩はロンドンにやって来たし、高尾はハンプトンローズ港にやってきた。
まさか、薩摩と富士改達高速戦艦艦隊がアメリカに押し寄せてこないかと心配になったんですね。
日本は20ノット以上の速度で巡航可能な大型重油運搬船をイギリスにオーダーして、更にアメリカに嫌がらせをするのでした。
(現時点でのイギリスの最新の性能の
高速重油運搬船を手に入れたかったんですよ。)
まぁ、サウスカロライナ級戦艦の速度の遅さが大問題になるのは未だ先ですがね。
1隻あたり600万ドルの枠内で建造しようなんて思うから何処かに無理が出てくるんですよね。
出来立てほやほやなのに、失敗なんじゃとヒソヒソされている旧式戦艦のミシシッピー&アイダホちゃんを見ればわかるけど、アメリカって何度も小さな低コスト戦艦を建造しては失敗してるんですよね。
ええ。蒸気機関&蒸気タービンで大幅に軽量化もしてないくせに、16000トンの大きさで主砲を4基8門も搭載してしまったサウスカロライナ級は失敗作に近い戦艦です。
最大航続距離って10ノットで航行した
場合なら長距離航海できるって事で、
遅過ぎるんですよね。
実物のサウスカロライナ級もダメな子
扱いでした。
でも、より高速な戦艦が生まれないと
なると運命は変化するかもしれません。
ミシシッピー&アイダホも完成したのがインディアナ級の後とかなら、まあまあな戦艦とか思って貰えたかもしれません。
果たしてアメリカは600万ドル枠を外して戦艦を作るのですかね?
考えてみると、史実では3隻のサウスカロライナ級が14隻建造になったり、
ドレッドノートの2番艦が建造されたり、ドイツでは美濃級に良く似ている
史実には無い戦艦が建造されたり、
歴史って変化するんだなぁ。
昭和の初めと違って、この時代に詳しくないから史実と違っててもわからんが。
(と、主人公は言っていますが日本は日清戦争後の明治29年(1896年)
からインフレを3%程度に抑えつつ高度経済成長しています。史実の倍以上の速度でインフラが整っています。
細い道路はコンクリート舗装ですが、史実の日本とは大違いで、舗装された道路が増えています。
失業率は凄く低いし銀行は破綻しても救済されて合併されて預金は全額が保護されていますし。
国内総生産は史実の1908年時代とは
別物で国力は倍以上だと思ってください。
国家予算は潤沢でおおよそ3倍。
その有り余っている予算が日本国内で
使われているんだから当然ですが。
しかも日清戦争以降の戦死者の数は
1000人未満という少なさ。
なのに清国とアメリカに勝利しています。沈没した味方はゼロで。
大勢が戦死した日露戦争ルートの史実の日本とは大違いです。
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