66話目アメリカ陸軍の逆襲

平和な時代のアメリカ陸軍の規模は小さい、、、将官会議によって海主陸従

の関係になってから、予算的には差をつけられまくり、海軍側の大浪費を

睨みつけながら眺めているしかなかったアメリカ陸軍だが、ここで大攻勢に

出る。


『アメリカ本土を守るのを海軍にだけ

任せたのは大失敗だった。』


『彼らは東部の造船所メーカーと癒着しアメリカ国民の大切な税金を戦艦の建造に浪費して、挙句の果てに卑怯な騙し討ちをするほど腐敗した!』


『アメリカ合衆国国民の皆さん、

これ以上海軍の馬鹿げた戦艦の浪費に

限りある予算を注ぎ込んでいいのですか?』


『ルーズベルトは元海軍次官でした。

建造会社と癒着して、海軍と癒着していた政治家でした。

こんな腐敗した連中に国防を任せた結果があの大敗北です。

こんな連中には予算は任せられない。』

と言い出したのだ。

アメリカ帝国主義の猛烈な反対者の

ブライアン大統領も、ここまではまったく同意見である。


だが、今や30.5cm砲という大口径砲を8門搭載する戦艦がアメリカ国内でも

大量に建造されている時代、、、


陸軍がどうやって戦艦に対抗すると

言うのだろうか?


彼らは本土を守るには要塞を構築するのも1つの手段だと力説した。

確かに要塞と戦艦だと地面の上から砲撃できる要塞の方が有利だと言うのが定説である。

『今!、グレートホワイトフリートが

出発したバージニア州のハンプトン・ローズ港も対岸のノーフォーク港も

大都市ニューヨークのニューヨーク港も防備が薄い状態です。

戦艦どころか装甲巡洋艦すら、ごく僅かにしかいない無防備な状態を放置していいのですか?皆さん。』

と言われると確かに港が無防備過ぎる気がしてくるアメリカ国民も増えてくる、、、

護身の為に銃を持つのが当然なアメリカである。

港が無防備な状態なのは確かに間違っているのでは?と思い始めるアメリカ国民も増えていった。

そう考えると、アメリカ陸軍の主張に

理解を示す人間も増えていった。

なにより、海軍の言ってる予算より

ずっとまともに見えてくる。

その要塞の外見図を見て驚く人も多かった。中央に艦橋があり、左右に連装砲塔があるデザインだったからだ。

煙突こそ少ないが、これはコンクリートで作る戦艦のようである、、、


更に陸軍側は力説する。『数年間に1つの割合で要塞を建設しましょう。』

と言うのだ。先ずはニューヨーク港の近くに1つ。

そして敵に攻撃されそうな大規模な港湾に順次建設していく予定だと言う、、、


確かに聞くべき点はあるが予算が

圧迫されるのは目に見えている。

ブライアン大統領の苦悩は深まるの

だった。


うーむ。

史実とは大違いなアメリカの様子ですねえ。

史実のタフト大統領も中央官公庁の

改革を言ってましたっけ。


なんせ将官会議はとんでもない提案を

出してきたりしますからねえ。


ええ。1915年に将官会議が発表した、

ダニエルズ計画ですよ。


1924年までに世界第一位のイギリス海軍に匹敵する大海軍を整備するって

計画。


戦艦 52隻(一線級27隻、内巡洋戦艦6隻、二線級25隻)

装甲巡洋艦 10隻

偵察巡洋艦 13隻

一等巡洋艦 5隻

二等巡洋艦 3隻

三等巡洋艦 10隻

駆逐艦 108隻

3年計画157隻81万余トン、

建造費は他の計画を含めると6億ドルって狂った計画ですよ。


戦艦は進歩して、およそ10年で二線級になりかねないので、1年間に2〜3隻の

戦艦を連続させて建造し続けて、

行くって計画ですからねえ。

二線級の戦艦は売るかスクラップにして廃艦にして潰すってんだから

酷い浪費ですよねえ。



酷い浪費と言えば、現在建造されているサウスカロライナ級戦艦も

ヤバい戦艦なんですよ。


なんせ日本艦隊との戦闘の教訓を精査する前に建造を始めちゃいましたから、、、

ええ。

このサウスカロライナ級戦艦では接近戦では、薩摩にも美濃にも富士改にも

勝てません。12インチ、30.5cm砲では

日本艦隊には勝てません。

遠距離戦?

上甲板装甲の厚さですが、日本艦隊の戦艦はどれも350mm装甲+防御魔法ですよ?


遠距離戦なら日本の方が遥かに有利に

なっちゃいますよ。


あのドレッドノートですが上甲板装甲の厚さは76mmです。

サウスカロライナ級は64mmで更に薄い。

舷側装甲もコネチカット級と変化はありません。


後に建造される予定の戦艦達ですら、上甲板装甲が薄過ぎると思って、やたらと分厚くしてる日本より薄くても当然ですが、それにしても、薄いと危惧する人はいないのだろうか?


サウスカロライナ級戦艦ですが、

所詮はコネチカットやキアサージの後継艦に過ぎないんですよ。


主砲は30.5cm砲じゃあ日本には勝てません。


ですが、この要塞の大砲も30.5cm砲

になっちゃうんですよね。


(この要塞ですがアメリカ陸軍としては要塞司令官のポストが増えるし、

万々歳だと思っています。カリブ海に面してる方にも建造しようと思っています。

まぁ、艦長職を大勢持っている

アメリカ海軍が妬ましくてしょうがなかったんですよ。

だから陸上の戦艦みたいなデザインに

したんですよね。)


さて、更にアメリカの予算が圧迫されちゃいますね。


そして最初の要塞の建設予算が出るの

ですが、陸軍はそれを待っていました。要塞建設利権の発生です。

今必要なのに、2年に1つでは遅過ぎる!今年も要塞を建設を開始しましょう。と言い出します。

戦艦に比べたら少ない予算ですよ。と。

そして30.5cm砲×8門では砲が足りない、12門の砲台が必要だ。とか大型化

するつもりです。


さて、どうなる事やら。

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