第58話欧州各国は。

アメリカとスペインとの戦争でのアメリカの開戦謀略。

ハワイ王国侵略。

それに続いて日本への今回の奇襲攻撃、、、

欧州各国でゴーレム達が予想もしなかった化学変化が起きようとしていました。

スペインやオランダやベルギーが熱心に動き始め、イギリスとドイツに日本も加えて軍事同盟を実現させようとし始めたのです。

もちろん植民地を防衛する意味もあるのですが、アメリカは危険だとはっきりと認識したのが1つの原因でしょう。

普通の国なら前の政権との合意事項は

それなりに引き継いでいくものですが、アメリカは前の大統領の合意なぞ

知らないと言って外交交渉がゼロから

再スタートするような事を多くの国との外交でやり続けてきました。

日本も一方的に通告されて条約が不利になっています。

(大国なら、やりがちな事ですが。)


アメリカが侵略してくる可能性が高い

小国にとってアメリカの弱体化は

最優先すべき事なのではと思えてきたのです。

オランダやベルギーにとっては平和が一番であり、ドイツやフランスやイギリスと同盟を組めれば安全が確保できますしね。

オーストリアハンガリー帝国とイタリアも加われば欧州の西側で戦争をする事が避けられるようになり、メリットは極めて大きいでしょう。

アメリカのような危険な国を野放しにはできない。内輪揉めはやめようと

欧州の国々が思い始めたのです。


多くの国がイギリスの呼びかけに賛同してアメリカに対しての関税を10年の間、4%値上げすると通告したのも

アメリカに欧州の意思を示す為と言えます。

アメリカが普通の国ならあんな高率の関税なんかかけられませんよ。

アメリカは関税を下げようとしません。


欧州各国がアメリカをどう思っているのか、アメリカがどれほど理解できているか不明ですがね。


アメリカは大国だけに(相手の国の感情に)外交に疎いところがありますからね。


そういえば、セオドア・ルーズベルト大統領は棍棒外交って外交をやってた大統領ですね。

欧州各国はアメリカは危険な国だと理解して団結したのは、いきなりアメリカが棍棒で殴ったりしたからなんですけどね。


欧州各国のマスコミは欧州は団結して

高関税を取っているアメリカに対して

同額の高関税をかけるべきだ!とも

言うようになってきています。

欧州各国で『対米同率関税法』の

導入が検討され始めました。

あくまでも、『自動的に相手国と同じ関税にするだけの法律ですよ。』

って事にするようですね。

1890年のマッキンリー関税から17年以上も我慢をさせられ続けてきた欧州各国の怒りは小さくなかったようですね。

しかも、関税を下げる事なく上げる一方ですから。

高関税主義者のマッキンリーが大統領になった時に欧州側の財務関係者は失望の声を上げています。

高関税をそのままにするルーズベルト政権も続きましたしね。

(欧州各国にとっては失望の連続でした。)


薩摩に乗って欧州を歴訪した主人公ですが、各地で丹念にサーチ魔法したり、鑑定魔法したりで技術の習得を丹念に行ってました。


収納できたら1番いいのですがね。

ドレッドノートやインビンシブルを

ちょっとだけ収納したいと思った主人公でした。


各国の銃器メーカーを歴訪して

100丁単位で色々と銃器や製造機械を仕入れたりもしています。

モーゼルミリタリーC96拳銃(弾薬 7.63x25mm)は1000丁を仕入れしています。


もちろん、イギリスのテムズ鉄工造船所には『富士のような素晴らしい戦艦を建造してもらって感謝しています。』

と表敬訪問して新聞記者の前で言っていますし、主砲を製造したアームストロング社にも感謝を伝えています。

天皇陛下からの親書も手渡ししています。どこかで戦艦金剛を建造するのも良いと思っています。(金剛はヴィッカース社バロー造船所ですもんね。)


各自動車メーカーも訪問でき、自動車を買うことができましたし、実りある欧州歴訪になりました。

それに『薩摩』の艦内からなら転移魔法で日本に帰って天皇陛下に色々な報告も楽にできますしね。


欧州各国の日本大使館にあるゴーレム達の部屋にも転移する為の機能の設置ができましたし、これからは欧州訪問が楽になりますよ。


もちろん、アメリカが大規模な軍備拡大をしようとしたら全欧州のマスコミに大騒ぎしてもらい、反アメリカ運動を続けてやってもらう予定です。


もちろん各国のアメリカ大使は各国の関税の引き上げについて抗議しますが、なんと脅しても相手に断られてしまいました。

アメリカ大西洋艦隊の残りの戦力は

僅か戦艦が2隻です。

軍事力が無ければ恫喝なんてできません。(アイオワが戦力化しても1隻増えるだけ。)

現時点での海軍力はフランスやイタリアやロシアより下でしょう。

コネチカット級のニューハンプシャー

(16000トン、主砲4門)が竣工して、

戦力化して、やっと3隻ですからねえ。

アメリカの大使達はルーズベルト大統領を恨むのでした。


この戦争以降の欧州の空気は明らかに

アメリカを警戒するようになりました。

(アメリカに前科が付き、前科者を見るような目で見られるようになっただけなんですけどね。)

アメリカ人は卑怯だとレッテルも

貼られてしまっています。

メイン号の事故も自作自演だと報道されています。


まぁ、親善航海の訪問の最中に宣戦布告無しで奇襲攻撃したら、そうなるのが当然ですが。


アメリカの軍艦とかは結構頻繁に

欧州諸国を訪れていました。

それが、現在では欧州のすべての国から親善訪問すら断られる有り様です。


これは米西戦争以降のスペインの各国駐在大使が、『次は貴方の国の植民地が貪欲なアメリカ人に奪われますぞ!

しかも、悪党呼ばわりされて!決めつけられて!植民地だけでなく賠償金まで取られたら国が滅びますぞ!』

と各国の指導者や政治家や官僚やマスコミに言い続けた効果も大きいでしょう。

大国のドイツやイギリスだって、いきなり奇襲されたら

多くの戦艦が沈められるかもしれませんからね。

世界中の国が、アメリカを野放しには

できないと思っている事にアメリカは

気がついているのか、、、


それに、こうも言われるようになっています。

アメリカ人の常識は欧州人と違うのではないか?と。


確かに、関税を高くするにしても57%もの関税をかけるのは、やり過ぎでしたよねえ。

マッキンリー&ルーズベルトの共和党政権はやり過ぎたと言えますよねえ。


そして日本はアメリカ企業が抜けた穴の幾つかを見事に手に入れます。

日本の輸送船は高速輸送船が多く、

荷物の輸送全般をゴーレム達が行っているので、注文した品が注文通りに

欠けたり、壊れたりする事なく届く事で驚かれます。

例えばロンドンで、貨物船から下ろすのも現地で輸送するのもゴーレム達の宇垣運送がやっているので当然ですが。

オモチャとか小物とか雑貨とか、色々な物を売って大儲けするのでした。

(そこまで気を配って輸出しているのは宇垣グループだけです。

実はアイテムボックスに収納&転移魔法で船の中に届けて、そこから欧州の注文先に届けています。

内陸の国の場合は大使館から出入りする事も。)


実は欧州各国の緊張緩和と経済の活性化による好景気が始まりつつあります。

欧州各国は関税の平均を10%に下げ、

日本もそれに追従します。


日本は遠いのに外交的レスポンスが早いのに比べて、一向に関税を下げる気配が無いアメリカ。

欧州では『アメリカ開拓は国家が主導で開拓するべきだった。』とヒソヒソ囁かれるようになります。

当時の軍艦ではあまり大勢の軍隊を派遣する事が出来ずに国家主導の開拓は

失敗しています。(フランスの開拓とか。)

今なら相応の兵力が派兵できて開拓もできるのでしょうが。

『これからアメリカの開拓が始まるのならなぁ。』と冗談が言われるように

なるのでした。

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