第51話大西洋艦隊出航。
1893年に全3隻が竣工したインディアナ級戦艦。
インディアナ、マサチューセッツ、オレゴンの3隻
ですが、外洋航行には向かないと言われ、10年間は大西洋艦隊などに配備は
されたものの二線級と判断され
後方の任務にまわされていました。
オレゴンは米西戦争の時にサンフランシスコからキューバに呼び戻された戦艦です。
米西戦争時、なぜオレゴンが呼び戻されたのか不思議でしたが、当時、最新型のインディアナ級戦艦は外洋航行能力が低く、海が荒れると港に戻らなきゃ行けない戦艦でした。
スペイン艦隊を逃がさないように
万全を期したってわけですかね?
このように戦艦としての人生の前半の
10年は第一線に配備されても、何らかの不具合があると、すぐに二線級任務にまわされてしまいます。
このインディアナ級の3隻も必死になってアメリカ大西洋艦隊の後方を進みます。
世界一周するグレートホワイトフリートに参加する戦艦の数は19隻。装甲巡洋艦も10隻。支援艦艇も随伴する、
途轍もない規模の大艦隊です。
大統領の独断先行を上下両院で議員に責められてた、セオドア・ルーズベルト大統領ですが、アメリカ国内の雰囲気は変化し、世界一周を喜ぶ国民が増えて行きました。
アメリカ艦隊の威容を世界に広める
素晴らしい壮挙だと熱狂する国民が
増えています。
大西洋艦隊を一目見たいと西海岸のどこに到着するのか教えてほしいと
問い合わせが殺到しています。
全米が注目しています。
ルーズベルトの負の遺産と呼ばれるところだった旧式戦艦達は褒め称えられています。
ルーズベルト大統領は任期中になんとか大成功を納めたかったんでしょうね。
見事に大統領の支持率は回復しました。
ルーズベルト大統領は世界中を巡って
アメリカ大西洋艦隊の偉大さを知らしめて帰国したらアメリカ移民300年記念式典を行うと言っています。
その一貫としての世界一周だと言っています。
外国の軍人には呆れている人が大勢居ますけどね。
普通はこんな事しません。
本国を無防備になんてできません。
日本に行ったらアメリカ大西洋艦隊の
戦艦よりも、遥かに格上に見えてしまう、『美濃級&富士改級』と並ぶ事に
なっちゃうんですけど、並んで写真に撮られていいんですかね?
ルーズベルト大統領の頭の中では、
これで、次の選挙でも共和党は大勝利するだろう、ウィリアム・マッキンリーから、ルーズベルトへ渡ったバトンは絶対に共和党の大統領候補にバトンを渡して見せると野心を燃やしていました。
コネチカット、カンザス、ミネソタ、
バーモント、ジョージア、ネブラスカ、ニュージャージー、ロードアイランド、ルイジアナ、バージニア、ミズーリ、アラバマ、ウィスコンシン、イリノイ、キアサージ、ケンタッキー、インディアナ、マサチューセッツ、オレゴン
の19隻の戦艦達の後方を装甲巡洋艦10
隻が追従します。
ハンプトンローズを出航した時もあまりの威容に大勢のアメリカ国民が感動していました。
全米中の新聞がこれらの戦艦のイラストや写真を掲載し熱狂を高めようとするのでした。
この航海が大成功すれば、新型戦艦の
サウスカロライナ級の2番艦の予算を議会に通す事もできるでしょう。
アメリカ大西洋艦隊の全艦を新型戦艦で揃えてみせる!
とルーズベルト大統領は野心を燃やすのでした。
彼の任期中に建造を開始できれば、
それは彼の功績です。
次の大統領の在任中に新型戦艦が
次々と竣工します。
予算を通した大統領として、すべての
戦艦の竣工セレモニーに参列してやる。とルーズベルト大統領は思っていました。
セオドア・ルーズベルト大統領の残した、偉大な新型戦艦達の誕生が楽しみだと、彼は思うのでした。
なんか、新型戦艦の美濃が誕生して
、富士が主砲を6門搭載する準美濃級戦艦になって、
遥かに格下になった、アメリカ大西洋艦隊の不出来な旧式戦艦達の事は忘れているかのようですよね。
いや、不出来な戦艦と言うのは言い過ぎですかね。不出来というのは欠陥が
判明したインディアナ級とか、キアサージ級とか、現在建造中のあの船達の
事を言うのにな、、、
(バージニア級の半分もキアサージ級の欠陥を受け継いでいる欠陥戦艦なので半分が欠陥と言えなくも、、、)
グレートホワイトフリートのほとんどが共和党政権下、ルーズベルトが副大統領だった時代と大統領な時代に計画が始まり、竣工したルーズベルト大統領の子ども達なんですけどね。
自分の任期中に多くの戦艦を完成させて大西洋艦隊を強化して見せる!
と思って急いで戦艦を建造開始しなきゃ、新型戦艦の建造費用なんか何隻でも出せたのに、、、
紛れもなく、ルーズベルトの負の遺産達ですよ。あの旧式戦艦達は。
美濃のせいで旧式になった戦艦達は進む。
サインするのが数年遅ければ新型戦艦建造費用に全部を注ぎ込む事ができ、
8隻くらいの新型戦艦が建造できたかも
しれませんね。
いや、サウスカロライナ級は600万ドルの枠内で建造された1万6000トン級の戦艦で、コネチカット級と同じ建造費用だからもっとかも。コネチカット級も同じ1万6000トン級ですし。
史実のセオドア・ルーズベルト大統領
は大人気な大統領ですが、大学を卒業してすぐに議員になれたのも、海軍次官になる事ができたのも建造メーカー達の猛烈なプッシュがあったからかも
しれません。
資金力と集票能力のある会社が自分達に都合のいい政治家を応援するってケースですね。
政党は違いますがFDルーズベルトが
『我が海軍』と海軍を呼び同じように
造船メーカー優遇政策をしたのも、
当然でしょう。
彼らの応援があれば選挙区で有利に
なりますからね。
ニューヨークに選挙の地盤を持っているのだから、そうならざるをえないん
ですよね。大企業集団を無視はできません。
グレートホワイトフリートは大西洋を南下します。
これほど多くの軍艦に入港されるのは迷惑だと思っている国もありそうですが、大国アメリカに文句を言う国は
ありませんね。
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