第50話ルーズベルト独断での出発。

美濃ショックが世界の海軍に衝撃を与えて1年あまりが経過しました。

今まで、金太郎アメのように同じ様な戦艦をなんとなく建造していた列強は

創意工夫を凝らした戦艦を設計し始めています。


未だ命名されてはいないが大英帝国も

連装砲塔を5基も搭載した、ドレッドノート級戦艦のようなデザインの戦艦を建造していました。

前方に6門を向ける事ができ、側方に8門の30.5cm砲を向けれる10門の主砲の砲塔の配置もこうして見ると悪くなく見えてくるのだから不思議ですな。

ほぼドレッドノートと同じに見えるのは歴史の修正力なのか、そういう計画があったのか、、、

イギリス1国のみが建造を開始し、

他国は未だ形にすらなっていません。


イギリス以外の国が設計に苦労するのはわからなくもない。

だが、アメリカの設計が遅れているのは意外だと感じた。

そういえば、アメリカの弩級戦艦の完成は遅かったような、、、


史実のアメリカは12インチ(30.5cm砲8門)搭載のサウスカロライナ級戦艦をドレッドノートより先に設計していました。だが建造が遅れて完成したのはドレッドノートの完成後でした。

(1902年に議会で議論がされています。なのに完成したのは1910年、、、

迷走に迷走を重ねる始末。

しかも史実だと2番艦のミシガンの方が

先に竣工します。)

サウスカロライナ級戦艦の速度は18ノットで速度的には見劣りして感じて

しまいます。

アメリカは機関に関しては1910年に計画して1914年に完成させたニューヨーク級の時ですらレシプロ機関を採用せざるを得なくなり、速度の低さに悩む事になります。大改装の時もレシプロ機関を変更できずに速度で悩み続ける事に、、、


新型戦艦『美濃』の誕生はアメリカにとって最悪なタイミングでした。

すでに計画が進んでいた多くの戦艦を

廃棄する事は出来ず、設計の変更もできずに建造が進んでしまい、アメリカ海軍は大量の旧式戦艦を完成させてしまいました。


コネチカット、カンザス、ミネソタ、バーモント、ジョージア、ネブラスカ、

ニュージャージー、ロードアイランド、ルイジアナ、バージニア、、、

1906年までの数年間に完成した戦艦の数々。1900年から1906年までに16隻の戦艦を新造しています。

史実より急ピッチでの造船ペースです。

コネチカット級は準弩級とかと書かれている分類も史実にはありますが、

富士改が準美濃級となっているこの世界では、準美濃級戦艦は6門の主砲を搭載した戦艦になっちゃいましたから。


『美濃』『富士』のせいで

時代遅れになってるのに建造を続けた

悲惨な戦艦達です、、、

これらの戦艦の竣工は史実より早いです。


これらの戦艦はルーズベルトの肝入りで建造されたルーズベルト大統領の

戦艦達です。

子どものような物と言ってもいい。


セオドア・ルーズベルト大統領は

アメリカ大西洋艦隊を出航させた後で

『アメリカ大西洋艦隊は世界一周する!』と大々的に宣言するのでした。

そして帰って来た時にアメリカ植民

300年の記念式典と記念観艦式を

ハンプトンローズ港で行うという発表です。


ルーズベルト大統領が史実でもやった

議会を一切無視した独断での宣言です。


アメリカ国民もアメリカ議員も世界の人々も驚愕するのでした。


アメリカ大西洋艦隊がアメリカ

東海岸を出航しました。


見送る人達の大勢が何も知りません。

世界一周への出港です。


アメリカ議会での議論無し、議会の承認と決議無しにアメリカ大西洋艦隊の

ほとんどを世界一周させるのだから

ルーズベルト大統領は相当に独断専行型の大統領だとわかります。


でも、いいんですかね?

東海岸を無防備にしてしまって。


普通は全部の戦艦を世界一周させたり

しないと思うのですが、、、


1890年から高関税政策をして今もやり

続けていて、欧州との関係は良くないんですけど。

自国は侵略されないと思っている大国はこれだから、、、

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