第40話喜ぶ外交官や大使達。

これまでの近代日本の外交の歴史は

徳川幕府時代に結んだ『不平等条約』の改正や完全な『関税自主権』の回復を求める苦難の歴史である。


日清戦争の勝利から不平等条約の改正の動きは進み始め、日本が三権分立して近代国家に相応しい国だと大津事件

(ロシア皇太子に対する傷害事件。)

の行方によって判明した為、領事裁判権などの回復は進んだ。


今回の『美濃&富士』ショックは日本が

列強の仲間入りした事を世界に知らせる事になった。


外務省の職員にしてみれば、大国である清国艦隊を損害無く全滅させ、

多額の賠償金と台湾と澎湖諸島を手に入れ、順調に経済発展し、美濃や富士

によって世界を驚かせ、

列強入りしたのだから歓喜するのも

当然だ。


いつ改正できるかわからないと思っていた不平等条約や関税自主権の回復も

視野に入ってきつつあるのだ。

外務省からも喜びの声が聞こえてきていた。

日清戦争の勝利からの急な国際的地位の向上は著しい。

大使がヨーロッパ列強国に赴任するにしても大海軍を持っていて列強に相応しい国力が、あるとなると相手の態度も全然違ってくる。


アジアの小国からの成り上がりで

世界列強入りザマァですな。


史実の日清戦争時の海軍力はお寒かったもんね。装甲艦(戦艦)も無かったし。


やはり、世界の海軍をリードする形で

美濃級戦艦を作って良かったと思う。

イギリスの軍艦のデッドコピーを

ようやく作れるようになった国と思われてるのと、世界をリードするような新型戦艦を建造できる知能と技術力のある国と思われるのでは大違いですからね。美濃は日本のイメージアップに

凄くなっている。


金剛ショック、長門ショックのような衝撃を世界中に与えて良かった。

金剛ショックといっても金剛を建造したのはイギリスだし、長門の場合は金剛の延長線上の拡大型戦艦建造だったが、美濃級戦艦の場合は違う。

世界が思いつかなかった、まるっきり新型の戦艦の建造ですからね。

この事実は大きいですよ。

日露戦争の勝利に匹敵するかもしれません。

日露戦争の勝利は確かに偉業だったが

兵士の生命や戦争の費用など、

失った物も大きかったですからね。


あの日露戦争の債権は日本を苦しませ続ける事になりましたから。


だがこの日本は違います。

日清戦争にしてもスマートで頭の良い戦争の仕方をしたと誉める歴史学者も多いですよ。

なんせ戦死者が少ない。

戦争費用を低く抑えつつの大勝利で、

賠償金もがっぽりですから。


アメリカは米西戦争でスペインからフィリピンやキューバを手に入れだが

フィリピン独立派やキューバ独立派

と戦闘をして血を流してますからね。


特にフィリピンでは30〜150万人とも言われるフィリピン独立派を殺害したから治安維持に困ってます。

(この虐殺の数字は史実の数字。)


フィリピン独立派が10万人単位で押し寄せようともびくともしないような

コレヒドール要塞を建設したのも

独立派を虐殺し過ぎて恨まれている

からと言えなくもありませんね。


それに比べて日本は台湾から大部分の部隊を引き上げて治安回復に成功してますからねえ。

警察官の半分はゴーレムだし、陸軍の部隊の多くは人型ゴーレム部隊。

彼らが民衆や少数民族を慰撫して

台湾の統治を上手く動かしています。


洗脳魔法はやはり使えますね。




史実のグレートホワイトフリート来訪時のアメリカ大西洋艦隊は主力艦16隻が前弩級戦艦。

並んだ日本側は前弩級戦艦6隻、装甲巡洋艦6隻、防護巡洋艦4隻、、、

日露戦争の鹵獲した船も持っていますが、史実のこの戦力差は圧倒的ですよねえ。


だが、この日本は史実とは違います。

アメリカを威嚇できるくらいの

艦隊を揃えているのが今の日本です。

実力はすでに上ですよ。


30.5cm砲、50門ですからね。


あれ、未だ足りないや。

アメリカ戦艦、12.5隻分だわ。

こりゃあ『美濃』を量産だな。

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