第36話『美濃』に日本中が喜ぶ。

日本が世界に先駆けて新型戦艦『美濃』を建造した事は日本国民全員を歓喜させ『美濃』は大人気になった。


色々な角度から撮影された『美濃』の

プロマイドは大人気になり、

幾ら印刷しても、すぐに売り切れて

しまうほどだった。


新聞各社はここぞとばかりに『美濃』と『富士』級戦艦も持ち上げた。

改装に改装を重ねて高速を手に入れた

富士は重装甲な高速戦艦だと褒め称えた。

(確かに富士の装甲は前弩級戦艦のどれよりも強固である。密かに手に入れたイギリス、ドイツ、アメリカの最新鋭艦の装甲を手に入れコピーしているからだ。そして分厚い。

なんせ船体の舷側は全体が500mmである。)

『富士』のプロマイドも売れに売れるのだった。


史実の日本は筑波型という装甲防御についても当時の前弩級戦艦に近いものを持っていた前弩級高速戦艦というべき存在を建造しているが、高速戦艦化した『富士』と被ってしまう為、建造されなくなってしまう。『富士』達は2隻ずつのペアを組み日本の各地の港をまわって、宣伝をするのだった。

日本各地の郷土の陸軍の連隊と『美濃』と『富士』こそが日本国民を守る盾だと宣伝するのだった。


そして俺はストレスを発散する為23ノット以上の速度で外洋を走る『富士』達を宥めるのだった。

セレモニーでずっとおとなしくしているのはかなりのストレスだったらしい。23ノットでも抑えているつもりなのだから頭が痛い。

(この富士達だが各ゴーレムヒレの動きも滑らかで、急発進、急加速、急旋回を器用にこなしている。

本当に素晴らしい。)


日本は強行偵察任務や通商破壊や

従来、装甲巡洋艦が行っていた任務は

『富士』にさせるので装甲巡洋艦は

これ以上建造しない。と発表するのだった。


イギリスのフィッシャー卿は巡洋戦艦の役目は相手の戦艦を避けつつ自分より弱い艦船を蹂躙するのが役目と言っている。

だが『美濃』級戦艦を避けつつ装甲巡洋艦を狙ってもそこに『富士』級達が

居たら一方的に蹂躙するのは不可能だ。

命中弾を受けて速度が低下したら『富士』級の追撃から逃げる事ができるだろうか、、、

と考えると、やはり装甲の分厚さや防御力は重要だとわかる。


日本は攻撃力と防御力を両立させ

そこから速度を上げようと考える様になるのだった。

(といいつつ史実のエジンコートのような14門搭載戦艦も良いと考える俺。)

(でも、エジンコートや主砲を多数搭載した戦艦はどれも斉射時の主砲の爆風の酷さに悩みを抱えている、、、

いくらゴーレム艦でも斉射したら爆風は大変だろう。)


そして木材を加工して作った全長2mほどの『戦艦美濃』神輿が誕生する。これも大人気となり30個が生産され港の無い内陸地域を色々とまわって

宣伝広報活動に勤めるのだった。


本当は700分の1スケールのウォータラインプラモデルを発売したいと思ったのだが、忙しくなりそうなのでやめた。

だが、350分の1スケールの木製の『美濃』は発売され縮小モデルオモチャの

先駆けとなるのだった。

そして、安価なブリキのオモチャの

『美濃』や『富士』も大ヒットするのだった。



紙芝居といえば売れない時代の水木しげる先生も描いていたりした大人気な

娯楽であるが、


『清国がドイツの戦艦を手に入れれば

日本になんか負けないと思ってドイツに頼み最新鋭の戦艦を建造して貰って

「定遠」「鎮遠」と名前を付けて「定遠」級4隻で日本の戦艦をボコボコにして『清国大勝利!!』と大宣伝してやろうとして長崎に押し寄せるが、

そこには格上の『美濃』がいて逆に1隻ずつ沈められて逃げ出すものの『美濃』と援軍に駆けつけた『富士』に

ボコボコにされて全滅する。』

って紙芝居をゴーレムが提案してきた。

長崎を防備していた陸軍部隊が23cm要塞砲で『美濃』を援護し助けるという

陸軍が美味しい役回りもしているという、陸軍にも配慮した紙芝居だ。


何気にドイツが清国に力を貸す悪役に

なっているのもオイシイ。


俺は紙芝居の量産にGOサインを出すが

この紙芝居は大人気になるのだった。


そして、「定遠」「鎮遠」を海軍が撃沈した時の紙芝居も人気が再燃するの

だった。


やはり世界に先駆けて新型戦艦を建造して良かった。

これだけの経済波及効果は無視できない。

株で大儲けしている我が社だが、

今年の税金は多く納めよう、

陸軍と海軍への献納も多く納めよう

と思うのだった。

好景気で税収アップだと宣伝すれば

更なる好景気効果が期待できる。


現在の日本の国家予算は史実の2倍を超えています。

陸軍と海軍の予算はずっと少ないので

インフラ投資予算は史実の3倍以上ですね。

日露戦争してないのは大きいです。


国家のリソースって限りがあると思うんですよ。

史実の日露戦争後もウラジオストクは

ロシア領のままだし、、、追い払えて

良かったじゃなくて、ウラジオストクこそ取らなきゃ。


なんにせよ、慌てて軍隊を整備して

日清戦争の10年後に日露戦争なんて

日本の国力の限界を超えてますよ。


大陸軍国を相手に国家総力戦なんて

やっちゃあいけない。


主人公は日露戦争はやる気はありません。と言いつつ最後のトドメという

美味しいとこはやるかもしれませんが。

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