第26話グレートホワイトフリート
グレートホワイトフリート。
史実に日本を訪問した米国大西洋艦隊は、1908年10月18日から25日まで横浜港へ4列8隻ずつで停泊している。 ( )内は就役年。
第一列 コネチカット(1906年)、カンザス(1907年)、ミネソタ(1907年)、バーモント(1907年)、ジョージア(1906年)、ネブラスカ(1907年)、ニュージャージー(1906年)、ロードアイランド(1906年)。
第二列 ルイジアナ(1906年)、バージニア(1906年)までの10隻は完成したばかりの最新鋭戦艦である事がわかる。
ミズーリ(1903年)、オハイオ(1904年)
も見劣りしないほぼ最新鋭戦艦。
ウィスコンシン(1901年)、イリノイ(1901年)、キアサージ(1900年)、ケンタッキー(1900年)らも建造されて
時間が経っていない新鋭戦艦である。
続いて、並んだ《史実》の日本海軍側だが、
第三列 三笠(1902年)、富士(1897年)、朝日(1900年)、相模(1901年)、吾妻(1900年)、八雲(1900年)、日進(1904年)、春日(1904年)。
第四列 香取(1906年)、鹿島(1906年)、筑波(1907年)、生駒(1908年)、宗谷(1901年)、音羽(1904年)、新高(1904年)、対馬(1904年)。
前話にも書いたが、アメリカ大西洋艦隊の主力16隻は全て前弩級戦艦である。重装甲戦艦の富士が1897年完成なのでそれよりも新しい戦艦ばかりである。(とはいえ、富士は装甲が厚いから見劣りはしないが。)
接伴停泊した日本側は前弩級戦艦6隻、装甲巡洋艦6隻、防護巡洋艦4隻である。(前にも書いたが防護巡洋艦は装甲巡洋艦より、ずっと装甲が少なく弱い。この時点で価値は暴落中。)
横浜港で接伴停泊したのは東京湾内に
入れたくなかったのかもしれない。
アメリカは当時、大西洋に艦隊が集まっており、太平洋には装甲巡洋艦が1隻配備されているだけであった。
(米西戦争時サンフランシスコには
戦艦オレゴンが配備されていて
大西洋まで呼び戻されている。
サンフランシスコからマゼラン海峡を通ってフロリダまで慎重に航行し68日もかけて帰国した。
スペイン艦隊は装甲巡洋艦4隻からなる
艦隊で戦艦が居ないのに戦力を集中すべくオレゴンが帰国するまで戦闘を避けている。この時のアメリカ海軍は
信じられないほどの慎重さで行動している。
戦艦テキサス、アイオワ、インディアナ、マサチューセッツなど、スペインの
装甲巡洋艦と同数以上の戦艦がすでに集結しているのに。
マニラ沖海戦の防護巡洋艦らは香港から出撃している。)
まだパナマ運河も建設中(1903年建設開始)で太平洋側で有事があった場合の不安が強くあった。
グレートホワイトフリートも南米大陸を南下し難所のマゼラン海峡をチリ海軍の軍艦の先導を受けて助けてもらって通過している。
また日露戦争でロシア艦隊が消滅すると、太平洋上には日本海軍だけが突出する状態となった。
(それまではロシアが居た為日本海軍は日本列島の防御が最優先事項であり、他に目を向ける余裕は無かった。
だが、ロシア海軍が消滅したとなると
日本周辺に危険な艦隊は存在しなくなるので、日本海軍はフリーハンドで動く事が可能になる。)
アメリカの保守派や軍人たちはアメリカの植民地であったフィリピンの孤立を恐れていた。
(史実のアメリカはフィリピン独立派を数十万〜150万人も虐殺している。
なので、フィリピンの米軍の
孤立を恐れていると言うべきか。)
日本側にはアメリカへの日本人移住制限の検討が行われたことに対する世論の反発や、ポーツマス条約の仲介を行ったルーズベルト大統領に対する批判や不満もあり、日米関係は緊張状態にあった。
また日本政府は前年の1907年の帝国国防方針で初めてアメリカを第一の仮想敵国としていた。
艦隊が世界一周航海を始めると、アメリカやヨーロッパ諸国での新聞は日本とアメリカの戦争が間近であると騒ぎ立てている。
米西戦争前、アメリカ側の新聞は嘘の
記事すら書いて戦争を煽ったがそのおかげで発行部数は急増させる事ができた。
ウィリアム・ハーストのニューヨーク・ジャーナル紙とジョーゼフ・ピューリツァーのニューヨーク・ワールド紙の2紙は発行部数競争で熾烈な争いを繰り広げ、無責任なニュースをでっち上げたりもした。このような競争の結果、ワールド紙が15,000部、ジャーナル紙が1,500部程度の発行数だったのが米西戦争のマニラ湾の戦いの時には160万部まで伸ばしている。
戦争になると新聞が無責任な記事を書くのは発行部数を伸ばす為である。
日本とアメリカが戦争間近なんて、
格好のネタだろう。
あのピューリッツァー賞のピューリッツァーもやってる事はイエロージャーナリズムである。
(まぁ、ここまで売り上げが伸びるの
なら誘惑に駆られるだろう。とも言える。)
グレートホワイトフリートとは
圧倒的な戦力差であるだけに、
史実の日本海軍側、日本政府側の恐怖心が伝わっただろうか?
もし、アメリカに開戦謀略をされていたら日本側は敗北していた可能性が高い。
日露戦争で大借金を抱えた日本の国債を購入してくれる国など、どれほどあるものか、、、
米西戦争で負けたスペインの金持ちは
日本に寄付を申し出て助けようとしてくれているが、、、
これらは史実の日本の歴史であり、
今の日本の海軍戦力は富士級改戦艦
7隻、装甲巡洋艦10隻と史実より強力で
ある。
日露戦争をしていない為余裕があるのだ。
二個艦隊を編成する為1隻富士級改を増やす予定だし。
長門のように、『全長延長工事しちゃったテヘ♡』
と言いつつ全戦艦をアメリカの旗艦ネブラスカの排水量16000トン以上の
排水量にするべきか、それとも弩級戦艦をいつの間にか建造した事にして
何隻か弩級戦艦を建造すべきか、、、
日本の場合、舷側装甲500mm
上甲板装甲350mm以上にする予定なので他の国がすぐに30.5cm砲以上の
大口径砲を搭載した戦艦を完成させて、超弩級戦艦を建造し始めそうなんだよな。
(日本は富士の後に、装甲を薄くして
速力を上げた戦艦の視察などを勢力的に行っていて、日本の建造した戦艦は重装甲戦艦ではないと他国に思わせる事に成功している。分厚い装甲で戦艦を建造するのは難易度が高い為、有色人種国家の日本が富士の量産などできないと思った国は多く、多くの国は日本の量産した戦艦は富士級の劣化コピーだと思ってる。)
日本はロシアと戦争しておらず、
バルチック艦隊に勝っていないし。
このグレートホワイトフリートだが
セオドア・ルーズベルト大統領は
アメリカを出航した後で世界一周をすると発表している。
アメリカ東海岸の防御をガラ空きにするのだから、事前に発表していたら反対意見も出ただろう。
スペイン艦隊に生き残りが居て、
何隻かの装甲巡洋艦がスペインにいたらグレートホワイトフリートは地球一周しただろうか。
米西戦争の時のスペインの装甲巡洋艦の被害だが、砲弾による被害は僅かであり、搭載した可燃物への引火と弾薬庫への延焼による爆発が被害を大きくしていることを日本海軍の秋山真之
がレポートして日露戦争時に役に立てている。
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