第14話日本の工業化は進んで行くが。
船の建造に必要なスクラップの鉄は
順調に集まりつつある。
海軍に頼まれたので富士級戦艦の排水量拡大版の富士級改戦艦を建造した。
より水兵達の住みやすさを考えた改良型だ。
高尾を含めると、これで富士級戦艦は
5隻。装甲巡洋艦も増えて8隻。
新鋭艦ばかりでこの規模だと世界で9位以内を争う第二集団的な規模にいつの間にか成長している。とはいえ、
世界1位と2位のアメリカとイギリスが強過ぎだが、帝政ロシアも史実のバルチック艦隊の規模を見ればわかるが、
凄い海軍国家である。
そして英国相手にシュットランド沖海戦するくらい戦艦を持っているドイツ帝国も凄い海軍を持っている。
弩級戦艦の建造合戦をイギリスと競った国だからな。
それら四強国と比べると日本は第二グループの真ん中くらいに過ぎない。
この富士級戦艦と装甲巡洋艦は完成したばかりの新鋭艦揃いなので一個艦隊規模の質は高いが。
そして陸軍は10個師団制。(台湾の治安維持のため6箇所に大隊を派遣中。)
各地に郷土連隊を作り、3個連隊で師団を結成する。
この規模を見てもわかるが、日本は海軍で敵を削って防衛する構えだ。
第1次世界大戦でドイツとがっぷり四つで戦える大陸軍国のフランスあたりとは大違いな兵力である。
表向きは英国&米国協調路線(史実の日本同様にアメリカの鉄クズとインドの安価な鉄の供給やオーストラリアからの資源の輸入は無視できない。)だが、日本は着実に工業化を推進している。
武器弾薬の製造能力もアップさせてるし。
ちなみに火薬は俺も売って大儲けしている。錬金術スキルだと火薬を量産するのは簡単だ。
で、世界に比べれるほどの天才は居るものの(北里柴三郎とか。)
あまりにも研究者が少ないので、
俺はゴーレム達に研究をさせる事にした。
帝国内の理系研究者達にもふんだんに予算を渡して研究に力を入れているし
留学費用も渡したりしているが効率がいいとはいえない気がする。
中には野口英世のように研究費で散財する大バカ者も居るし。
ゴーレム達は立派に成果を上げてみせた。ハーバー・ボッシュ式の火薬の生産方法も実現させたのには驚いた。
乾電池とか空冷、水冷式の航空機用エンジンとかディーゼルエンジンとか、
俺が作れる物をリバースエンジニアリングして再現して製造できるようになっているだけでも驚きなのに、
具体的な仕組みとか理論とかを教える事ができなかった物を完成させたのだから驚きである。
その、試験的に生産する機械を一旦収納して錬金術スキルで改良したら、
より凄いプラントを作る事が出来るようになった。
なるほど。
一度機械を収納して理論を錬金工場に理解させれば早いな。
最新型でなくともガソリン製造プラントの中古を買って錬金工場に理解させれば、最新型の生産プラントのように
ハイオクタンガソリンが量産できるかもしれん。
戦争になったら工場の製造機械とかも盗める物は片っ端から盗んで、それより1ランク上の製造機械を作ってやる。
アメリカの最新鋭戦艦とか空母を沈めて回収して1ランク上の蒸気ボイラーを
作ってやるぜ!
といっても、それは1940年代だからな。まだ先だよな〜
この勢いならガスタービンエンジンとか完成しそうだよな。
ゴーレム達は耐熱合金を使わない、アルミ合金でジェットエンジンを作ろうと研究してる。馬力は1,000馬力で、
その作品では戦車やヘリや色々な物に使用されていた。
俺も、ある作品で知っただけで構造とか現物の写真とか見た事無いんだよな。
こういう研究もジェットエンジンをゴーレム化すると研究が進むな〜
壊れたパーツを取り外してヒールをすれば、すぐに元通りだし。
100時間飛行するごとにエンジンを交換するかオーバーホールが必要なエンジンだとしてもゴーレムならヒールすれば新品同様になるからなぁ。
敵機を撃墜してレベルアップすれば
オーバーホールまでの時間を延ばせそうだしな。
レベルアップすると戦車砲や機銃の威力すら上がるんだよな。
装甲の強度もアップするし。
点検をしなくても履帯が切れたり、外れたりしなくなるし、外れてもヒールで元通りってのは凄いよな。
こういうレベルアップしていくゴーレム戦車を進化させて育てるんだから
アメリカやロシアが驚愕しそうだよな。日本が試作している1型戦車は
世界最初の戦車のマーク1戦車をリファインさせたような戦車なんだけど、
戦車のゴーレムが不満だと言い続けているんだよな。近代戦車の元祖になったルノー戦車のような戦車にしてくれって
うるさいんだよ。
連続発射可能な40mm砲を搭載しているからマーク1よりずっと良い戦車なんだが。
あっ、マーク1にしたのは全長と履帯の長さが長くて、塹壕を乗り越え易いからだから。
それに内部が広いと主砲をより大きな物にも変更しやすい。
戦艦のゴーレム達も砲塔は連装ではなく単装が良いって陳情が凄いしな。
今の富士級戦艦って仰角を高くして
遠くに飛ばすわけじゃなくて、近距離の敵艦に直接照準で命中させる射撃法だからなんだよな。
連装だと重くなり過ぎるし、旋回速度も遅くなるし、砲塔の装甲も削り気味だからなぁ。
「定遠」級装甲艦は砲塔の装甲が紙装甲だったでしょ?
富士も砲塔の正面はともかく左右と後方の装甲が薄いんだと。
(史実で後に作られた敷島級戦艦よりはずっと上だけど。)
砲塔の背後から撃たれたら危険なのが
落ち着かないんだと。
できれば全方位の装甲を充分な厚さにしたいらしいよ。
だから、絶対に史実の大和のように
主砲の後方や前方に紙装甲の砲塔の副砲を配置したりはしない。
副砲の弾薬庫が爆発したら真っ二つになってもおかしくないからな。
そんな設計はゴーレム達が許さないだろう。
果たして設計者はあんな戦艦を設計するのだろうか?
あれって海軍側がごり押しして副砲を搭載しろってごねたかもしれないんだよな。
『副砲を搭載しろ!』
『右舷、左舷に9門の副砲を向けれるようにしろ。』とか言われたら、あの配置しかないもんな。
零戦の設計の時の海軍側のいざこざは
克明に残されているけど、戦艦の設計の時の海軍のごり押しとかは闇の中だもんな。残ってるのもあるけどね。
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