第5話 お前は誰だ!?再び
歯磨きガムをもらって食べ終わってみんなでのんびりしていたら、また扉が開いた。
みんな扉の方に振り返る。
「お前は誰だ!?」
あれさっきもそんなこと言われたな。
扉を入って来たのはアカネのお父さんだった。アカネはあんまり好きじゃないみたい。
そう言われるとちょっと僕もびくびくしちゃう。
「初めまして、僕パスタ…!」
ちょっぴり強張った笑顔で迎えた。
アカネ曰く、お父さんは血統書付き犬じゃないとダメとか、他人の意見を聞かないらしい。何か言おうものなら文句しか言わない、昔ながらの田舎者の亭主関白って感じらしい。ショコラを買う時も僕を買う時も自分で全部お金を出すから文句を言わせないスタンスで迎えたらしい。
何があっても僕らを守ってくれるんだって、でもアカネが悲しい顔するのは嫌だから悪いことは起きないでほしいな。
血統書が僕にあったこと、ふわふわで高級そうに見えるからってなんだかんだ上手くおさまったみたい。
僕、この家にちゃんといれるんだ、よかった。
どうやら、お父さんをお店のスタジアムに送り届けた時に、そう言えば近くにミーちゃんがいたペットショップがあったよねって帰りがてら覗きに来たら僕が居たみたい。
僕にとっては縁結びのキューピッド的な存在なのかもしれない。そんな可愛い感じの人間じゃないけれど。
落ち着いてのんびりしてたら寝る時間がやって来た。
お店にいる頃は20時になるとカーテンが閉められて電気が消されていたけれど、お家ではみんな遅くまで起きててびっくり。まだ寝なくていいの?僕もう眠いかも。アカネの近くで横になると撫でてくれて気持ちよくて余計うとうとして寝てしまった。
しばらくしてからアカネが「そろそろ上行こうね〜。」と小さいケージと僕を持って階段を登って行った。上にも部屋があるんだ!と思ったものの眠くてそれどころじゃない。
アカネの部屋に入ってベッドのすぐ横にケージを置いてくれて、僕はそこで寝た。
そばに人がいる気配があるだけですごく安心したんだ。
「おやすみ、パスタ」
「おやすみ!アカネ!」
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