第4話 お前は誰だ?
しばらくしてアカネに「そろそろ一回ケージ戻ろうね!休憩!」なんて言われてケージに入れられた。
ちょうど疲れてきたしと思ってへたり込んで座っていたら部屋の扉が急に開いた。
「お前は誰だ!?」
男の人が入ってきてそう叫んだ。
「僕はパスタ!よろしくね!」
ニッコリ笑ってみた。
どうやらアカネの兄らしい。弟もいるらしい。僕は4兄弟、アカネは三兄弟。ちょっと親近感湧いた。
お兄さんの登場でショコラたちもみんな動き出した。みんなここの家の人が好きなんだなあ、僕も可愛がってくれそうかな?
そのあと弟さんも降りてきて、どうやらみんな人も犬猫もご飯の時間らしい。
お母さんが、ミーちゃんとクマさんのご飯を。アカネがショコラと僕のご飯を持ってきた。
僕のご飯は急に変えるとお腹に良くないからってお店で食べてたのと同じのを用意してくれた。一粒ずつポリポリよく噛んで食べていると、ショコラさんが横でものすごい勢いで平らげた。驚くほど早い。僕の分も取られるんじゃないかってちょっと泣きそうになりながらアカネに目配せしたら笑ってた。
「大丈夫だよ、取られないよ。取られそうになったら私が止めてあげるからね。」
そうは言われてもドキドキしながらご飯を食べた。
お店にいる頃は1人きりでご飯だったし、小さい頃はもうあんまり覚えていない。
ショコラお姉さんのご飯への執着はちょっと慣れるのに時間かかるかも。
ゆっくりゆっくり食べて僕が1番最後に食べ終わった。
ご飯を食べ終わったら白い長い棒をアカネが出してきた。
なんだなんだ?オモチャかな?
どうやら歯磨きガムというらしい。
とりあえずくれたから咥えてみたものの、どうしていいのかわからない。ちょっといい匂いはするかも。と思っていたら、これまた横でショコラお姉さんが短い足で器用に立てて齧っている。食べ物なのか?
今までミルクとドライフードしかもらってなかったから初めての食感に美味しさだった。
僕も前足で抑えて立てて一口ずつ噛みちぎって食べた。やはりショコラお姉さんは食べるのが早い。チラチラこっちを見てくるから僕もちょっと焦る。それを見てアカネは笑う。
アカネはよく笑うんだ。僕はそれがちょっと嬉しいかもしれない。お店にいる時はみんなちょっぴりどこか悲しそうな顔で「早く決まるといいね」だったから。
ショコラお姉さん達もそこが好きなのかな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます