❌真・ククルスドアンの店Ⅱ(ルシアの店でもHな気分。あの美人巫女は、だれ?)
第14話 ほぼほぼ、DVの夜。2人のしおりは、ピンクにならず。期待していた人、残念!「ピンクのしおり」の意味がわからない人、もっと、残念!
第14話 ほぼほぼ、DVの夜。2人のしおりは、ピンクにならず。期待していた人、残念!「ピンクのしおり」の意味がわからない人、もっと、残念!
「…ああ。終わりました」
巫女は、汗をハンカチでぬぐって、その身体全体を、カルディナといわれた扇であおいでいた。
「色っぽいよなあ」
「ちょ、ちょ」
「エッチっぽくて、良いな…」
「ちょっと!」
「ルシアさん、痛い!」
またつねられた、門番。
いや、ツバキ。
「巫女様?急なお願いでしたが、ありがとうございました」
「礼には、及びませんよ」
巫女は、シュシュシュッと唇を震わせながら、立ち上がった。
何も受け取らず、店を出ていく。
「もう、裏切らないでくださいね。今度裏切ったら殺しますからねって、あの人に、言っておいていただけますか?」
不気味な言葉を、残して。
「何、誰のこと?」
店先の角を曲がったときには、もう、巫女は見えなくなっていた。
「まあ、良いか…」
門番となっていたツバキが代表して、地図の、印のあった場所に向かう。
「こ、これは…!」
これが、見つからなかった物だったとは!
誰もが忘れかけていた、あの、盾。
「探している物は、ここにあったのか!」
「やったな」
「ルシアさんのお父様が帰ってきたら、真っ先に、見てもらおう」
盾は、店の西側天井裏の端に、そっと、置かれていた。
もちろん、事件は、これで終わらない。
「くー、くー…」
見つけた門番、いや、ツバキは、盾を一階に下ろすと、一眠り。
軽率すぎた。
「あ、何で?」
目を覚ますと、やっと見つけられた盾が、なくなっていたのだ。
彼女に、正直に相談。
「あの盾を、なくしてしまいました」
「え?」
「巫女のおかげで見つけられたあの盾を、目を離したときに、どこかに、やってしまいました」
「はあ?」
激怒され、ぐられた。
連打。
連打。
連打。
スパルタンX。
今どきの子が、そんなゲームを知るか!
「うう…」
気になっていた人を前にこうまで激怒されてしまうと、相当、へこむもの。
ツバキは、道場から去った。
あわてたのは、まず、彼女。
「ごめんね。言いすぎた」
門番、いや、ツバキを探しに、店の中や町を走った。
そうしたら、また、おかしなことがおきてしまう。
夕方のこと。
ツバキと入れかわっていた門番が死んでいるのが、発見されたのだ。
発見されたのは、アルバイン城へと続く道の途中。
「おーい!」
「何だー?」
「あの防具屋の印の入った服を着た男が、倒れているぞー!」
城の者が言って、すぐに、町の人々のうわさに上がった。
「きゃあ!」
かけつけ、叫び、彼の身体を動かそうとした、彼女。
なぐってもみた。
が、門番となっていたツバキは、動かなかった。
ツバキの身体のすぐそばには、カルディナとばれる扇子が、落ちていた。
彼女は、悔やんだ。
が、どれほど悔やんでも、倒れたツバキの意識が戻ってくることはなかった。
「ごめん…」
彼女の涙が、ツバキのほほに落ちた。
そのとき…。
鼓動が、よみがえる。
「何、生きているの?」
「…う、うう」
「さっきは、ごめんね!」
ツバキのほほを、強くはたいた。
バシッ!
バシッ!
ほぼほぼ、DV。
その夜。
2人の心の中にはさまれていたしおりは、ピンクにはならなかった。
「ピンクのしおり」を期待していた人は、残念でした。
翌朝。
軽く、いや、重苦しい音が、届く。
コトン…。
店の外に出てみると、玄関の外には…!
え?
なぜ、見つからなくなっていた盾がここにあるんだ?
不思議なできごとは、続く。
仲間の、クマダやオオウチヤマのことが、なぜか急に、思い出されてきた。彼らも、心で再会できたということなのか?
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