第7話 同じモビルスーツでも、赤い人が動かす機体と、一般兵が動かす機体とでは、月と、スッポン。すっぽんぽんでは、ありません。スッポンです。

 マスターの手が、止まった。

 「カラン」

 マスターが真っ先に置いてくれたコップの水に浮かぶ氷の音だけが、2人だけの店内に響く。

 はい。

 ここで、ちょっと知っておこうの話。

 理容店と美容院には、はっきりとしたちがいあり。

 まず、資格がちがうんだという。

 働き方も、ちがう。

 「ということは、さ?マスター?」

 「…はい」

 「理容師と美容師、どちらかの資格があればどちらも働けますよっていうことじゃ、ないわけだ。名前がちがうだけで、どちらも、内容は同じという単純なことじゃあ、ないわけだ」

 「…そういうことです」

 へえ。

 理容師と美容師は、1つの店で兼業営業をすることもできない。一般的には、それぞれが、分かれた場所で営業する必要が出てくるらしい。

 「俺は、二刀流だ!理容師であって、美容師。格好良いと、思わない?」

 そう言ってくる人、怪しい。

 「ただし…」

 「マスター、何?」

 「最近は、理容店と美容院の垣根もなくなりつつあります」

 たとえば、パーマ。

 こう思われていることが、多かったろう。

 「パーマは、美容院でするもの」

 が、パーマは、理容店でも、しっかりとできるのだそうだ。

 パーマは、美容院だけの専門技術ではなかったのだ。

 ほかにも、理容店と美容院のちがいは、こんなところ。

 「シェービングがあるのか、ないのか?」

 シェービング、つまりは顔そりのようなものは、基本的には、美容院ではできないという。

 ただ、このちがいも、厳密ではなかったらしい。

 美容院でも、顔そりはできた。

 たとえば、化粧をするための、軽い、オプション的な顔そりなら、しても許されるのだという。

 さて!

 「そういう話は、いらない」

 そう思った、そこのあなた!じゃあ、次の話をきて、どう思いますか?

 次は、あのまちがいについて教えてもらえます!

 絶対に、知っておいてほしい!

あなたも、まちがえて覚えていないか?

いくぞ!

 床屋でお馴染みの、あのバーバーポールの3色の意味は、「動脈、静脈、包帯」じゃないからね?

 正しくは…。

 「まだまだ…」

 「どうしたの、マスター?」

 「まだだ。まだ、終わらんよ!」

 「理容師と美容師って、それぞれを管轄する場所とか、法的な根拠も、ちがっていたのかあ」

 「そういうことです」

 「へえ」

 「同じ、モビルスーツであっても…」

 「何、マスター?」

 「同じモビルスーツでも、赤い人が動かす機体と、一般兵が動かす機体とでは、いってみれば、月と、スッポンですからね」

 「…」

 「いや。そういうことでは、ないのだよ」

 「…」

 「って、1人突っ込み!」

 「理容って、頭髪の刈り込み、顔そりの仕事が、メインなんじゃないの?」

 「美容って、パーマネント、結髪、化粧などで、容姿を整えることだよね?」

 いーや!

 それだけじゃあ、ないらしい!

 ここ、意外に、大切だから。本当に、あきずに、読もう!

 さあ…!

 きたぞ!

 絶対に、知っておきたい!

 「バーバーポールについてのまちがいが、痛いんですよ」

 マスターの言葉が、強くなった。

 そう。

 ここだ!

 ここを、読んでもらいたいんだ!

 「バーバーポール」っていうのは、赤・白・青の帯が回る、床屋などには、必ずといって良いほど設置されていたポールのこと。

 「…このかんちがいが、非常に多いんですよ」

何だって?

 そういうことです!

 もしかしたら、あなたも、まちがえて覚えているかもしれないぞ!





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