第24話 会社と一次裁判 -楓視点-
私は住処としている宇宙コロニーに着くと、だらだらと1日休んだ。
そして翌日にロストチップ研究所の様子を見に行った。
様子を見た結果、今の所10~100倍までなら小さくローコストで精算できるとの事だ。
だが、それ以下となると元のロストチップを現代風に設計し直した千倍のチップよりも逆に値段が跳ね上がってしまうと言う。
設計図を見せて貰うと固定観念に凝り固まっていた。
私は設計図で要らない部品や導線を排除してすっきりとさせたら大きさが極小で性能が1.5倍になっていた。
それに少し手を加えると2倍でさらに手を加えると3倍といった
そうすると研究員も分かってきたのか部品や導線を省いて4倍、5倍と自力で設計し始めた。
9倍まで行ったが、それでも足らずに10倍以降を見直してさらに小さく低コストにした。
しかも、真似されても上下の合計2倍率以外の他の倍率に辿り着くのはまず無理という設計の仕方だった。
これで後はチップを覆い隠すプロテクトになるのだが、外存の物理プロテクトならすぐに見破られてしまうので物理プロテクトも一から見直さなくてはならない。
タローと楓だけが入れるこの無菌室と材料室のロストチップ製造工房を新しいタローが通れるように遺伝子と虹彩認証のデータを育成カプセルから渡された新しいデータに変えて新しいタローも通れるようにした。
その際、自分の所有者登録の一番上に今のタローを持ってきた。
工房に入った私だが、今回はプロテクトだけ何個か製造させてみた。それを動画に撮って、1番プロテクト力の低いプロテクトを何個か持って解析室に向かって素材や原料の解析をした。
プロテクトだけを検査されるとプロテクトは意味をなさないようで比較的簡単に検査できた。
その結果、新しいプロテクト素材が何十種類も出来た。
この組み合わせでローエンドからハイエンドまでプロテクトが強化される。
勿論、今までのプロテクトとは比較にならない。
…………まぁ、偽装の為に今までのプロテクトもプロテクトした上に乗っけるけれども。
そんな日常を送っていると、ロストチップを購入した会社からバイオロイドとアンドロイド事業から撤退するので施設を購入しないかといった話が来た。
もちろん、購入するとなればメーカーによるオールメンテナンス後になる。
考えたが、購入すると巨大区画の一区画が新規のチップやその他の製造の為の機材がある大きな工場を新設する予定だが、その工場とロストチップの会社から購入する寮とアンドロイドとバイオロイドの設備で占められてしまう。
それもあり悩みどころである。
結局、撤退するなら過去に出したアンドロイドやバイオロイドを宣伝の比較に使って良い&アンドロイドとバイオロイドの各特許とアンドロイド・バイオロイドに移植する各職業の知識と経験のインストールデータを譲る事でなら購入すると言うと折衝の末に8千万エネルで購入した。
ちょっと安い気がするが、廃棄する場合の処理費用や他の会社に売った時に時間がかかり過ぎる事に工場で働いている人達の雇用を考えて最終的に了承してくれた。
ただ、メーカーのフルメンテ&バージョンアップの費用は此方持ちになったが。
新しい工場達はもう注文してあるので、それと新規の寮が出来て宇宙コロニーの巨大区画に設置されてから、前と同じ引越し業社に頼み、寮から順にユニットを運んで設置してくれるように言った。
これは売りに出した会社も同意している事である。
その間に宇宙船が犯罪に使われた場合に調べる施設に行き説明や進捗状況を聞いたりした。
また、他の会社を作って進出するのとは出来ないかといった検討もしていた。
裁判も始まり懇意にしている弁護士が弁護士団を作って裁判に臨んでくれた。
裁判はタイタン社に対しては証拠が揃いすぎているのと宇宙海賊との癒着があったと言う事で全面的に此方の勝訴となった。
慰謝料だが裁判所が決めた額か悪質性の高さからタローの全財産の4倍のどちらか高い方を支払わなくてはならないので、この場合はタローの全財産の4倍が適用された。
タイタン社の全財産を支払っても千分の一にも満たないのでタイタン社は上告をしたが、裁判所から財産保全命令が出されて通常業務て発生する適切な金額と社員の給料の支払い以外には会社のお金を使えなくなった。
これは会長や社長も同じであるが、逮捕され全財産没収されているので直接な関係ないかと思われる。
また、ロストシップから取得した情報を使って得た特許は特許取得時から時間を遡って即時にタローの者になった。
その間に得たタイタン社の利益は倍にしてタローに支払わなくてはならない。
また、注文通りの宇宙船を再度タイタン社の金で今度は他社メインで作らなければならない。
軍の犯罪はタイタン社と同じく社会を震撼させた。
この軍の犯罪には宇宙船キャノンボールに関わった皇族も怒らして徹底的な調査がされた。
色々な邪魔が入ったが、捜査は苛烈を極め結局全貌を解明する事になった。
結果、現役の大将が複数関与していると言う事で重大犯罪の中でも上位になる犯罪だった。
裁判ではこれも同じく裁判所が決めた慰謝料か悪質性の高さからタローの全財産の3倍かどちらか高い方を支払う事になるのだがタローの全財産の3倍は軍の財源を全て補償に回しても元本だけで2万年かかり、利子を考えるといつ返せるか分からないとのことなので上告して減額を求めていた。
なお、関係者は全員逮捕され全財産の没収をされた様だ。
また、裁判の最中に宇宙ネット経由でタローから無事に着いたとの連絡があった。
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次回は時は一次裁判の判決が出た楓ちゃんが裁判所から出たら襲撃を受けるよ!
次回、襲撃 -楓視点-です。
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