第23話 辺境ポリス -楓視点-
-時間は戻って-
オーナー達が外宇宙地域の地球型惑星に行ってから辺境のポリスに通報した。
辺境のポリスは中央のポリスと違って宇宙海賊に強い憎しみを持つ者が多く、宇宙海賊への対応が苛烈極まるとの事なのとここが辺境地域で間違いが無いので辺境ポリスに通報したのだ。
2時間後に辺境ポリスは艦隊を連れてやってきた。
辺境地域は広いので艦隊集めて現場に来るのが遅いのが辺境ポリスの特徴なので、基本的に辺境を通る者は自衛するしか無いという現状がある。
ポリスが来たら、ブレインスキャナーで撮った記憶をコピーさせて、どのような状況でどのように襲われたのかを話すのだ。
その中、バイオロイドの楓だけで持ち主は何処に行ったのかという話になった。
「バイオロイドである君しかいないようだが、持ち主はどうなったのかね?」
不審に思ったのかポリスでも階級が高そうな人物が聞いてくる。
「宇宙海賊に殺されました。幸いにも継承先のスペアボディと継承できる育成機があったのでそれで継承して今は赤ん坊で雲隠れ中です」
「雲隠れとは穏やかじゃ無いな。何かやましい事でもあったのか?」
やましい事があるかどうか疑っている感じだ。誤解を解いておいた方が良いだろう。
「宇宙船製造大手のタイタン社が社の意思でご主人様の命を狙っている事が分かったので雲隠れしています」
「何! それは本当か? だとしたらタイタン社もただではすまないぞ!」
「ここに海賊の通信でタイタン社との依頼だったという通信記録があります。
それに、この船を作った時に指定した最新の外殻素材がこの船には使われていなくて宇宙海賊の船に使われていました。
また、海賊の記憶を読んで分かった事ですが私共の船に位置発信器のような者が取り付けられており、宇宙ネットで知ってる者なら見られる状態になっていました。
後、その外殻は塗装したら腐食性が落ちるので塗装しないよう指示したのに塗装されてしかもそれが腐食性を上げる為だという嘘の情報。
それと船の倉庫の床下に爆発物を勝手に積み込み敷いていたという点を社の意思で行ったという会社意思印入りの証明書があります。これです」
「見せてくれ。う~む、宇宙ネットで会社意思印局で確かめたが確かにタイタン社の会社意思印に似てるな。正確な事は鑑定しないと分からないが」
「なので、オーナーは組織的に命を狙われていると思い雲隠れ中です」
外宇宙地域の地球型惑星にとは言わなかった。
「なるほど、良く分かった。オーナーと連絡を取る方法はあるか?」
「此方からは無理です。それにオーナーは今は赤ん坊になっているので意思はあっても証言も難しいかと」
「なるほどなぁ。上手くいかない物だ」
あ! これは言っておかないと駄目だ! 忘れる所だった。
「後は座標…………の位置に海賊の隠れ家とタイタン社の宇宙船研究所兼ドックがあります。そこにロストシップもあるという情報をブレインスキャナーの宇宙海賊の記憶から調べました」
「何! 海賊の拠点とタイタン社の秘密研究所にロストシップだと? それは重要な情報有り難う。その情報が本当なら摘発できたら謝礼金は最大限になるだろう」
「はい。期待していますね」
「うむ」
後は軍に関係する物になるかな?
「後は軍の犯罪ですね。オーナーが宇宙船キャノンボールに当たり最新の宇宙船の主砲塔とサブの武器を搭載して貰ったのですが、それが軍と同じ性能と言っておきながら実際にはチャージに倍掛かるように改悪されていた上に、相手が軍か軍の装備を持っていたら兵器達は使えなくなると言う計画的で間接的な殺人罪です」
「それは本当なのかね? いや、疑うわけでは無いのだが話が大きすぎてだな」
「これが軍の兵器のプログラムなのですが、この位置とこの位置に大きな変更が加えられています。此方が貰っていたサンプルです。比較してみれば変更されているのが分かるかと」
「確かに貰ったと言うサンプルと文字が違うな。専門の技官に見て貰わないと分からないが」
「技官に見て貰う前に軍に話すのじゃ止めて下さいね。証拠隠滅で正常な状態にされれば事ですから」
「わかった。気を付けよう」
「海賊の船だが……」
「それは宇宙海賊から奪った物はその者の持ち物になると言う帝国法に則り所有権を主張します」
そう、宇宙海賊を倒した者が宇宙海賊の持っていた物を受け取る権利が帝国法である。
「わかった。だが、捜査の一環として検査等はさせて貰うぞ」
「はい。それはこちらも構いません。此方の要望としてはオーナーを殺した者にアストラル体を含めた最大限の苦痛と刑罰をお願いします」
「考えておこう」
「帝国では海賊に人権は無かったはずです。確約して下さい」
「…………わかった。確約しよう」
あ! そうだ。忘れる所だった。
「賞金首や海賊討伐の報償、楽しみにしてますね」
「……うむ」
「狙われているのですがメインで使っているの宇宙ステーションと首都星までの護衛を頼みたいのですが、可能でしょうか?」
「我が隊だけでは難しいので他の隊も応援を読んでいる最中だ。その増員を今要請しているのよりも多くすれば護衛は大丈夫だろう」
「有り難う御座います」
こうして私は海賊船7隻と修理に出したら動けそうな海賊船2隻を自分達のアジトに連れ帰るのに成功した。
その後の首都星には海賊船は連れていかず、この船と護衛だけで行く事になり宇宙船が犯罪に使われた場合に調べる施設に証言をして軍の関係者やタイタン社の関係者を近づけさせないように頼みこの船を預ける事になった。
そういえば破損した残りの1隻は分解して使える所は持ち出したが、後は修理すれば動けそうな海賊船2隻の修理素材に使った。
他は輸送船トランスの外殻修理に使ったり、この宇宙船の外殻の修理素材に使ったりしてスクラップになっているがそれでも価値のある物は残っているので護衛代として辺境ポリスに進呈した。
―――――――――――――――――――――――――――――
次回は時はアジトに戻った楓ちゃんが会社の切り盛りや一次裁判の判決が出るよ
次回、会社と一次裁判 -楓視点-です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます