第25話 襲撃 -楓視点-

 一次裁判が終わり、上告したので二次裁判に移った。

 これまでに帰って来てから5ヶ月は経っている。

 スピード判決である。

 それぐらい証拠があったという事だろう。

 私は一次裁判の判決の帰り――裁判所を出る所で狙撃にあった。

 幸い、偶然にも足下の靴が痛くて、靴ずれにならないように靴等を直すのにかがんだ瞬間だったので被害は無かったが、常駐していたポリスがすぐに来て狙撃した場所と思われる場所を特定して衛星写真で写す様に指示を出し、犯人写して逃げる端から軌道衛生上から追跡して犯人を捕まえた。


 私は何を浮かれていたのだろう。一次裁判の結果がすぐに出て判決が此方寄こちらよりだった為にすぐにオーナーを迎えに行けると勘違いしていた。

 オーナーは最大14年程言ったのは最終的に決着するのにそのぐらい時間が掛かるかも知れないと思ったからだろう。

 それを私はたかが一次裁判で結果がすぐに出てその結果が良かっただけで浮かれていてはどうしようも無いおめでたい頭だ!

 判決がでてからが本番と思わなくては殺されるだけだと思っておかないといけない。

 そう、私は心に刻んだ。


 犯人が捕まってからブレインスキャナーにかけられて記憶を読み出された後、犯人を次から次へと辿っていけば最終的には捕まった大将の内の一人の妻の実家と妻の記憶から大将自身が計画した事が分かった。

 これにより、犯人の面会は全面的に禁止か如何どうしても面会する必要がある場合は面会後にブレインスキャナーを受ける事を義務づけられた。

 大将の妻の実家は侯爵だったが取り潰しとなり妻や侯爵自身も犯人として牢に入れられた。

 計画した大将はより一層罪が重くなり、待遇も悪くなった。

 

 犯人で思い出したが、宇宙海賊の報奨金と賞金首及びアジトの情報提供で一般人から見れば莫大な財産を手に入れた。

 まず宇宙海賊の報奨金として200億エネル、それに賞金首として各企業がかけていた分を合わせると1220億エネル、最後に情報提供料だが、これは宇宙船研究所兼宇宙ドック兼宇宙海賊のアジトを機材・材料込みで現物接収しても少し足りなかったのでここで働いていた人達のブレインスキャナーから各場所で働いていたノウハウや各機材の操作の仕方や機会の癖を記録した記憶と経験と開発陣の違法で無い開発の思考パターンや開発の記憶等のマニュアルやインストール用バックアップを作って貰い、それを貰う事になった。

 辺境警備隊の取り分はここで働いていた人達自身と海賊のネットワークだ。

 このネットワークで幾つかの海賊を退治できたそうだ。

 

 さて、鬱な話はこれくらいにして会社の現状を言うと新しい工場や寮が出来て設置できた所とロストチップを購入した会社から前と同じ引っ越し屋で工場や向こうの寮を運んでる最中だ。

 開発したチップやプロテクトの特許は帝国で手続きした。

 これで、帝国以外の多くの国が参加している世界特許機構を通じて各国で審査されてその国で受理か否認される。

 否認されてもその理由が居るので権力者の好き勝手に受理や否認は出来ないようになっている。

 おかしな理由で否認されれば世界特許機構に提訴できるし、被告の国家はそれを拒否できない。

 その裁判の結果、判定が覆る事がある。

 世界特許機構に加盟している国はその判決に従わなければならない。

 と、そういう所に特許の審査の可否を提出したのだと思っておけば良い。

 ちなもみに提出後、1ヶ月以降は商品を発売しても良い事になっている。

 そういうわけで今、新工場で新規チップが生産中なのだ!

 我が社のチップはアンドロイド、バイオロイド共に使用できる所か汎用品として作られたから他の機材にも使えるので多少多めに作っても問題は無い。


 ただ、唯一の問題はソケットが既製品と合わない事だ。これから作られる商品では余程の事が無い限り我が社のチップに対応したソケットで作られるだろうが、古い物を改装したい時などはゲタを履かす必要がある。

 これもプロテクト付きで極力性能低下せずにすむよう設計されたゲタを少量生産中である。

 ただ、下手するとチップよりも下駄の方が高くなる可能性がある。

 その点はよく考えないといけない。


 アンドロイド・バイオロイド用のブレインスキャンした職業の知識と経験が詰まっているインストール用データをこの所探して持っていない職種やバージョンが新しければ購入している。

 というのも、顧客によるが専門知識や経験を持った即戦力のアンドロイド・バイオロイドが欲しいと言う客が結構な数いるからだ。

 むしろこちらの需要の方が多い。

 それに応える為にデータを日々宇宙ネットで売っていないか正規の業者や問屋で調べているのだ。


 私は今、私を作っている。正確には私の記憶の一部とその時の思考に特殊一等操縦士の経験と知識、法律の知識、礼法、暗器、その他に素手や剣、刀、槍、短剣等の武術や射撃に電子戦の経験と知識、経営手腕・経理手腕の知識と経験、そしてKチップにSチップのハイブリッドの脳の作成、この2つに関しては私と同じ時代のロストチップを使った。

 もちろん、私の細胞を基準に2チップで脳のチューニングをしてもらい、今は培養層の中で順調にインストールできるぐらいには育っている。

 後、2週間もすれば完成するだろう。

 その時にはタロー様からもらった血液でマスター登録をしなければいけない。

 

 工房からは私達のロストチップが9世代古いバージョンと一致した。

 そのときは衝撃を受けたが、世代交代はされるものだと思いあきらめた。

 それより収穫だったのが私たちの世代からKチップとSチップの2チップでのバイオロイドの培養液付メンテナンスカプセルが作成地図にあった事だ。

 早速、私ともう一人分作った。


―――――――――――――――――――――――――――――

次回は時はタローの話に戻って山彦とあやめに虫下しを飲ませるよ!

次回、虫下しです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る