第11話 外宇宙地域探索・開発ビッグボール

 あれから4日程経った。楓からの連絡はロストチップを見つけた場所で発見したロストチップを含む発掘品全てと相手の会社が持っている全特許の無償特許使用料に特注高級バイオロイド生産工場1箇所と倉庫一棟に解析チームの人員で1億8千万エネルで交渉は成立したとの連絡を受けた。

 正式な契約もその場でお世話になっている弁護士を呼んでしたらしい。

 幸いな事にこれらの施設は大規模ユニット構造体だったので、相手の会社のある宇宙コロニーから離脱させて引っ越し業者に宇宙船キャノンボールが当たってから作らせて先程完成したワープ機能と防衛機能付きの中規模宇宙コロニーに引っ越させれば良いだけである。

 ちなみに中規模宇宙コロニーは将来的には巨大宇宙コロニーへと進化させる予定で設計した。

 本当の目的は宇宙船の母港としての機能を考えて作られた中規模宇宙コロニーなのだったが……。


 今日は外宇宙地域探索・開発ビッグボールの抽選日である。スーパーパワーボールは昨日が抽選日で外れたので、もう新しく買い直している。

 抽選が終わって宝くじの速報サイトを宇宙ネットで見てみると、手元にある数字と一致していた。……え? 手元にある数字と一致? これって1等大当たりって事? 本当に?

 うおぉぉぉぉぉ! やったぞ! 1等だ! 脳汁ドバドバ出てるぞ!

 うわ! 普通のニュースサイトで一面にデカデカと50年間誰も当たらなかった外宇宙地域探索・開発ビッグボールがついに当選者現れるとニュースになってる。

 速報って言うだけ会って情報が早いなぁ。


 あれ? ふと思い出したけど外宇宙地域探索・開発ビッグボールって顔出した方が移民や継続的な仕事になるから企業への依頼金も安くなるんじゃなかったっけ?

 でも、俺のようなベビー世代でも若い方が顔を出したら逆に舐められて企業からは高値の受注になりそうな気もするな。

 それに移住民も不安に思って応募が顔隠すよりも来ないかもしれない。

 う~ん、どうしようかな?

 やっぱりプライベートを探られる危険を侵すよりも匿名で行った方が良いな。

 そっちの方が宇宙船キャノンボールに当たったのが俺だとバレる心配も少ないからな。

 よし、匿名にしよう!


 楓が来たので外宇宙地域探索・開発ビッグボールの話を振ってみる。


「楓、外宇宙地域探索・開発ビッグボールの当選者が出たの知ってる?」

「へぇ、50年間でなかったのに出たんだ。残念でしたね」

「何で残念?」

「だから外宇宙地域探索・開発ビッグボールの当選者が出たんですよね。当たらなくて残念だったねって事です」

「だから、何で俺が当たっていないと思うわけ?」

「宇宙船キャノンボール当たったのに外宇宙地域探索・開発ビッグボールも当たるわけ無いと思うよ」

「それが当たったんだよ! しかも俺の一人勝ちで!」


 楓に真実を教えてやった。

 

「ああ! ついに宝くじ馬鹿が脳まで来て真実を見つめられなくて幻覚を見たんですね! 大丈夫です。オーナーには私が付いています!」

「え? 幻覚? 幻覚じゃないよ。本物だよ!」

「信じられないのは無理ありません。人間は時には見たい幻を見る生き物ですから。でも、考えてみてください。宇宙船キャノンボールに当たって外宇宙地域探索・開発ビッグボールにも当たるって確率がどんなに極小なのかを!」


 え!幻覚? ……いやいや、幻覚なんかじゃないよな? ……ないよな?

 

「そう言われればそうなんだけど、実際に番号が一致していたし」

「しょうが無いですね!私も一緒に確認してあげます。番号はどれですか?」

「番号はこれだけど……なんか幻覚だったような気がしてきたよ」

「そうでしょう。まぁ、番号を2人揃って確認すれば間違いかどうかも分かりますので気を落とさないでください」

「有り難う」

「それじゃぁ、番号を確認しますよ…………ほら番号が同じじゃないですか! え? 同じ?」


 やっぱり当たってたじゃないか! 心配して損した。

 

「ほらぁ、ほらぁ、言った通り合ってるじゃないか! 人を不安にさせないでくれよ」

「え! え? 当たってる? 当たってる~! オーナー、何と契約したんですか? やっぱり悪魔ですか?」

「そんな怪しげな物と契約した覚えはないわ!」

「それにしても、あの外宇宙地域探索・開発ビッグボールに当たるとは凄いですね」

「そうだな。あの外宇宙地域探索・開発ビッグボールに当たったからには普通の生活は出来ないな」

 

 なぜここで”あの”と言われるのかというと外宇宙地域探索・開発ビッグボールの特殊性がある。

 外宇宙地域探索・開発ビッグボールとは、帝国外の外宇宙地域の探索・開発に関するあらゆる事に資金を使うことが出来る。

 開発が一段落した場合に国を起こす事になれば、帝国が保護国として5千年間無料で此方が関税かけても帝国は関税無しでの貿易の推進がある。

 その上、要請により移民の募集や治安の維持や防衛のための戦力の無償提供等を無条件でしてくれると言う信じられない程好条件な宝くじなのだ!

 だがしかし、それは表向きの話で実際は外宇宙地域探索・開発資金抽選ビッグボールに当たって当選した人が開発した宙域に5千年経ったら爵位を与えて帝国領にする確率が9割を超えるからうまい話には裏があるという事だ。

 戦争しようにも地図は相手に丸分かりだし重要拠点を守って貰ってた分、此方の弱みも丸見えになっているという事になる。

 これで、独立国家を続けていける国は非常に少ない。

 まぁ、1割は独立してやって行けているのでそれを夢見るのはいくらでも居るのだ。


―――――――――――――――――――――――――――――

次回の内容はロストチップです。

ロストチップが保管されている諸々の施設が自分達が作ったアジトに運び込まれてくるぞ!

ロストチップを解析できるのか?

ご期待あれ!


もし、出来ましたら目次の下の方にある評価の方をよろしくお願いします。

何かお気に召さないと言うかたは★☆☆を、少しでも気になるという方や普通だなと言うかたは★★☆を。何か気に入ったや続きが気になるという方は★★★を付けて下されば幸いです。

♡で応援するでも良いのでよろしくお願いします。

実を言うと★の方が嬉しいですが!


拙い出来ですが旧作も読んで頂ければ幸いです。


能力者が現れたと思ったらダンジョンも出てきました。これは・・・・・・商機ですね!

https://kakuyomu.jp/works/16817330658887843407

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