第10話 実習試験
ー入学11ヶ月目ー
あと1週間後に実習試験を控えた日、タローはいつもの様に2大宝くじの数字を選択して購入していた。
実習試験日にこの2大宝くじの結果も分かるだろう。
実習は過酷だった。
記述試験を半年で通ったお陰で実習が落ちたら学校の評判に傷が付くとの事で今までやっていた座学の時間も実習に回された。
おかげで実力はメキメキと上がっていったが、精神的に休憩が短いのがキツかった。
そんな環境でも半年近くやっていると慣れてくるものである。
何とか必死について行ってたのが今や余裕を持って対応できるようになった。
何故かは知らないが、戦艦に模した大型シミュレーションで1隻で複数の敵と戦ったりした。
その上、艦隊の司令をやってみたりと操縦士と何の関係があるのか分からない訓練も施されていた。
近接戦闘の訓練は分かる。海賊対策の為だろう。
だが、これはちょっと納得がいかない。何で本物の戦闘機を操縦しなきゃ行けないんだよ!
そりゃ一等操縦士は何でも乗れる他って戦闘機に乗る機会もないし軍用は別だろうに!
俺は何処に向かわされてんだ?
そんなこんなで試験日になり、実習試験を受けた。
結果、合格したけれど習った事の半分程しか出てこなかったぞ。
どういうことだ!
ちなみに宝くじは外れたのでまた同じ宝くじを購入しておいた。
実習試験が終わり、これで帰れるかというとそうはいかない。
実習試験に合格した事を帝国に報告して、帝国からの許可証と今持っている記述試験合格暑を交換しなければならないし、実習試験合格の記述や記録もいる。
つまり、それらが終わるまではここに居なくてはいけないって事になる。
つまり、それは…………暇が出来るって事だ。
只の暇じゃなくて物凄い暇!
だってここ、学校と合宿場以外には宇宙港までいかないと何も無いもん!
仕方が無いのでネットの中を見回っていた。
ネットの中を見回すと遺跡オークションなるものがやっていた。
手つかずの遺跡群が見つかったが、発掘や探索する金や専門家がいない為に貴族が小金ほしさに遺跡群を区画に分けて発掘・探索する権利をかけたオークションだった。
細かく視た所、発掘品や探索で見つかった品物は貴族の物になると書いてあった。
つまり、落札者は発掘品や見つかった品物の発見者としての功績だけで我慢しとけと言うとんでもないオークションだった。
誰がこんなオークションに入札するのか興味が出て調べてみると、誰もこの遺跡群のオークションには手を出していなかった。
そりゃそうだよなとおもいつつ、面白そうなのでブックマークを付けてく。
他に何か無いかと調べてみれば、楓を作った所が潰れかけていた。
なんでロストチップなんて物が楓に付けられてるのに性能が落ちるだろうが普及品が出ないのだろうと疑問に思っていた。
只単に解析に使える金がなかったか解析の所為で金がなくなってしまい経営が悪化したかだろうな。
前に楓に効いた時はロストチップは未だありそうだったし、買い取ってロストチップを研究させるのも良いかもしれないな。
そう思った俺は楓に連絡して思った事を言ってみた。
すると、楓は違法になるけど財産状況や内部の情報を調べてみるといって俺の部屋で横になってネットの海に突入していった。
俺は30分程待つと、楓が目を覚ました。
楓の調査の結果、ロストチップは厳重に管理されており持ち出されては居ないそうだ。
ただ、会社の経営状態が思ったよりも悪く、今月中に3千万エネルを銀行に入金しないと現金がなくなって不渡りになるらしい。
その山を越えても青色吐息の状態が続くと言う事らしい。
何故そんな事になったかというと、ロストチップを解析しようとした機器が解析しようとした端から壊れていった。
解析班も色々な手を使って機器を防御したが、機器の老朽化もあり効果は薄かったそうだ。
それで研究用の機器を失った楓のいた会社は新しい機器を購入する金もなく、ずるずると残った機器と過去の遺産で食いつないでいる状況らしい。
「そうなると経営者や創業者一族も手を引きたがっているんじゃないか?」
「そういう動きはありますね」
「そう言えばロストチップって帝国から所有を許されている正規な物なの?」
「はい。帝国の報告書によると会社が発掘時にお金と発掘隊を出して見つかったのが、子供教育用のアンドロイドかバイオロイドのロストチップと思われる破損が多いチップ群と言っていますね。他にも遺物はあるが壊れているのか反応しない。片っ端から調べればお宝があるかもしれないが労力に見合うかは疑問と嘘ではないですが本当の事も言っていないのと実物のアンドロイドの提出と嘘発見器も動作せずにいたので他の遺物共々所持が許されたのでしょう」
「そうするとロストチップ部門は殆ど閉鎖されている様な物だな。会社自体を買い取るよりもロストチップ全部とその部門に楓が生まれた高級バイオロイド生産工場1つと遺跡にあったロストチップ以外の物が入っている倉庫を購入する方が手間が掛からなくて良いかもしれないな」
「そう打診してみます?金額は幾らにしましょうか?」
「全部で3億エネルでどうだろう?」
「それは多ぎる様な気がしますので最大値をその値段で交渉は私がしてみますね」
「頼むよ。なるべく早く結果が向こうも欲しいだろうから、電脳空間での面会でやってくれる様にお願いするよ」
「今月中に3千万エネルを口座に入れなくてはいけないのでそんなに時間は掛からないと思います」
「それじゃ、よろしく頼むよ」
「了解、オーナー」
―――――――――――――――――――――――――――――
次回の内容は外宇宙地域探索・開発ビッグボールです。
大型宝くじでも癖のある宝くじ。
当たれば嬉しいが真面な人生は送れないぞ!
ご期待あれ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます